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第3話

「あのね!これ!こんなの!ぜーったい似合う!それと…」 気不味い雰囲気から逃げ出したくてパタパタと店中を動き回る。彼に似合いそうな服を上から下までぜーんぶ持ってきた 「えとね、背も高いし顔も爽やかでかっこいいからこんなの着てみて欲しいの…だめ?かな?」 みんなが大好きな上目遣いのおねだりを繰り出してみたら彼は何だかちょっと引きつってた気がしたけど大人しくしフィッティングルームに入ってくれた 待ってる間にまた美作がやってきた。 「天使ちゃん。なぁんであいつなの?他にも選びたい放題でしょ?天使だもん!」 「そういうとこがないからだよ!彼だけが僕を天使じゃなくて、アマツカ オキとしてみてくれた!みんなみたいに変な扱いしなかった!熾って呼んでくれた!だから彼がよかったの!彼が大好きなの!」 「へぇ。まぁ仲良くねぇ!」 暫くして一式身につけた彼は本当にかっこよかった! 「かっこいい…」 「そう?」 「うん!あの…誕生日…もうすぐでしょ?だから…このままプレゼントしたいの…」 「…このまま着てけばいいんだね」 「嫌?」 「…別に…自分じゃ選ばないからなんか変な感じするだけ…」 彼の表情が曇っていたのに僕は気付けずにそのまま会計してもらった。ルンルンでその後のデートをした 「熾」 「ん?」 「…いや…何でもない」 デートは本当に楽しかった。ほんとに…だけど…なんか…嫌な感じがする 「そろそろ門限だろ?帰ろっか」 「えっ!」 「お前の家門限あるって言ってたでしょ?」 「言ってた…言ってたけど…今日デートって話したら今日は遅くて大丈夫って…なんなら…お泊りしてもいいって…だから…もっと…一緒に…いたいな…って思ってるんだけど…」 「…違ったわ…」 その時彼が低いトーンで呟いた

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