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この後あの子はどうするのかな?1人で泣くのだろうか…だけど… 考えても仕方ないのに考えてしまう。 「美作くん」 その時声がかかった。また告白?今日はもう帰りたい…だけど…精一杯の王子様スマイルで振り返る。 そこにいた人を見てびっくりした あ…きっとこの子だ…噂の天使 本当に神々しくてキラキラしてて綺麗で可愛くて…でも念の為名前を尋ねてみた 「…誰?」 「あ。天使。天使熾だよ。クラス違うけど君はよく目立つ人だから一方的に知ってた。急に声かけてごめんね」 やっぱりそうだ。名前だけは聞いてたから 「天使ちゃん?」 「は?」 つい呟くと嫌そうな顔をした。 「あ。ごめん。よく天使がいるって話を聞いていたからつい」 「僕は天使じゃない。君大丈夫なの?いつもの王子様スマイル忘れてるんだけど?」 それが初めての会話。思ってたよりちょっときつめだ。でも何かふっと力が抜けた 「ふふっ。可愛いねぇ」 可愛すぎて頭を撫でた 「ちょ!何するの!」 手を叩かれたのなんて初めてで楽しくなってしまう 「…心配してくれてありがとう」 「…美作。疲れないの?」 「え?」 「…多分いつもの姿偽物でしょう?自分を偽るのってしんどくないの?僕はしんどいからそういうのしないって決めてるの」 すごい…誰にも気づかれたことがないのに… 「君が辛くないのなら別にいいのだけど。じゃあ大丈夫なら帰るね。君も気をつけてね!」 そういうと早足で帰っていった 翌日から天使ちゃんを探すようになった。仲良くなりたかった。天使ちゃんを見かけたら近付いて声をかけて頭をなでる。周りに見せる作ったオレじゃなく素の自分で近づかないと仲良くなれないと思ってそうしてた。 そうしたらいつの間にか俺は彼を好きになってた。周りの誰とも違う特別な人だったから。 見た目はあんなに可愛くてか弱そうなのに実は凄く真っ直ぐで強くて誰とも等しく接する姿が凄くかっこよくて。俺みたいに作った自分ではなくて素のままの自分でいられる彼が眩しくて そんな俺には注意してる人物がいた。いつも隣りにいる奴だ。俺が天使ちゃんに近付くとすごい顔で俺を止める。 そんな彼は天使ちゃんの想い人だ。 いつも側にいて近付いてくる奴らを片っ端から制してる。 天使ちゃんからみたらそれがとても素敵に見えてただろうけど…俺からしてみたら…異常… 天使ちゃんは普通の人間として接してくれてる唯一の人だって思ってるっぽいけど… 仄暗い何かが彼にはある気がして天使ちゃんとは違う意味で注意して見ていた。 俺の勘って大体当たるんだよね。 その彼と天使ちゃんが付き合うことになったことを聞いて危ないなと思ってた。 だけどその交際を否定できるほど俺と天使ちゃんの仲は近付いてない。見守るしかできないのだ

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