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バイトが終わり家路につく。今日は初めてのデートだったしまだ楽しんでるかなぁ?もしかしてお泊まりとかもあったりするのかなぁ? いいなぁ…バイト中も天使ちゃんの事が浮かんできてあんまり仕事にならなかった。 もしかしたらまだこの辺に天使ちゃんたちいるかな?遠目でもいいから見つけたいなって期待も込めていつもより遠回りしていると珍しいところに人だかりができてた。何だろう? いつもなら気にせずスルーするんだけど何となく気になって近くに行くとその輪の中心に天使ちゃんがいて汚いおっさんに手を引かれて連れてかれるとこで… …あいつはどこいったんだ。あんな可愛い天使ちゃんを一人にするなんて。見渡してもあいつの影は見つけられなくて何が何だかわからなくて気付いたら天使ちゃんの元に急いで向かい肩を抱いていた 「あぁ!天使ちゃん!どこいくのぉ?もう!酷いなぁ!俺と約束してたのにこーんな胡散臭ーいおっさんについていこうとするなんてぇ!なぁに?こういう脂ぎったおっさんか好みなの?趣味悪ーい!」 そんなことを言われたおっさんは言い返そうとするんだけどものすごい王子様スマイルで見つめてやったら顔面に押されたのかすごすごと立ち去っていった。 この顔でよかったなぁ。なんて呑気に思ったけどそれどころじゃない。 可愛い天使ちゃんと俺みたいな王子がこんなとこに2人でいたら目立って仕方ない。早くここ立ち去らなければ…てかこれ以上天使ちゃんを見られたくないっていうのが本音だけど…天使ちゃんの手を引いて歩き出そうとする。てか俺今天使ちゃんと手繋いじゃってるじゃん!!さっきも肩なんか抱いちゃったし!小さいけどちゃんと男ってわかる骨格だった!やばい!興奮しちゃう!けどそれより早くここを立ち去らないと!!さっきは勢いでしちゃったから何だか自覚した途端キンチョーしちゃうけど! 「はい!お待たせ!行こっか?」 「はぁ!?何で僕がっ…」 抗議しようする天使ちゃんの柔らかい小さな唇に指を当てる。って俺何しちゃってんの!なんて脳内でわーわー叫びながらもそれを悟られないように必死で冷静を装う 「しーっ」 周りに聞こえないように小声で天使ちゃんに語りかける 「一旦ここを離れないと目立っちゃってるよ?ね?大人しくしついてきて。人の目が少ないとこまで」 そういうと天使ちゃんは辺りを見渡して理解したのか小さく頷き俺の腕に掴まった。えぇ!腕!腕に!可愛い天使ちゃん!サイコーじゃん! 「うん!いこっか?」 嬉しくて嬉しくてスキップしちゃいたいくらいだ!そんな俺の腕を掴んでくれるだけなら何とか耐えられたはずなんだけどこの天使ちゃん…もとい…小悪魔ちゃんは更に体をぴったりと密着させて上目遣いまで披露してきた! は?その仕草可愛いんですけど!堪んないんですけど!!もう!好きっ!! 「…っ!」 そんな風に脳内は大暴れしてるけどクイッと天使ちゃんが腕を引き我に返る。いやいや。ここで固まってちゃだめだろ?天使ちゃんに一際甘い笑みを向けそのまま周りにも視線をやり腰を抱く。すごーくなれてる人みたいに装わないと俺がぶっ壊れそうだから俺は今俳優でドラマの撮影してるんだって妄想してみた 「ふふっ…かぁわいい!!行こう行こう!」 周りの人が目がハートになってるっぽいからやっぱこの顔でよかったなんて思いながら歩きだす 人目が少なくなっても天使ちゃんは腕を離すことなくてそれが嬉しすぎてわざわざそんな事しなくていいのに幾つもの路地を何度も何度も抜けていく。少しでも長くこうしていたかったから。けどそんな幸せな時間はあっという間で目的地に着いてしまった。隠れ家的存在な喫茶店。俺の家だ。 「よっし。ここまできたら平気かな?そういやもう彼氏くんとはバイバイしたの?門限かな?早いねぇ。小学生みたい!」 俺の横に彼がいないことが気になってそう尋ねたらふいっと目をそらされてしまう。何?何があったの? 「あ…あの…えっと…美作…ありがと…」 「うん」 誤魔化したな…だけど…まぁいいたくない事もあるか…けどこのままの姿で家に帰ったら途中で変な人に攫われちゃいそう… 「なんかいつもの天使ちゃんじゃないなぁって気になっちゃった。らしくないぞぉ」 グリグリと頭を撫でると天使ちゃんが困ったように見上げてきた。…いや…だから…それ…可愛いがすぎるよ!! 「えっと…あの…」 やっぱこのまま帰せないな… 「…まだ時間大丈夫?」 「うん!」 「んじゃさ俺とお茶してこ?」 促されるまま家の方じゃなく喫茶店に入った。中はムーディーな音楽が流れてて落ち着いた大人な感じのお店。兄のリエルが経営してる 「ここよく来るの?」 「うん!初めて!」 本当だよ?ここにはリエルになって来てないもん。じいちゃんの時には来てたけどさ 「そうなの?」 「まぁまぁそんな、細かいことはいいじゃん!ね?」

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