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01.マンガ喫茶とかカラオケみたいな個室ブースに行くときはオタクにねだられるまま口と口のキスもして良
双子の兄の崎 はオタサーの姫。
ミサキ自身はオタクとかじゃなく人並みにゲームをやるくらいなんだけど、クラスの男子の家でゲームをやっていたらその子の大学生のお兄さんからゲーム仲間の集まりに誘われたことが始まりらしい。
ひとり暮らししている大学生の人がいて、その人の家にみんな溜まり場みたいに集まっていて、そこでゲームしたりダラダラしたり。
みんな結構良い大学行ってて頭は良いらしいのだけど、彼女いない歴イコール年齢というモテない男たちの集まりだって。
ある日そのオタクの中の1人が持ち込んだセーラー服を俺の兄がふざけて着ちゃってから、その部屋で崎 は時々女装をするようになったって。
女装はオタクのお兄さんたちにお願いされて最初は仕方なく、でもすぐに気にならなくなって自分から袖を通すようになった。
ミサキは可愛い顔してるからメイクとかしなくても女の子のカッコがよく似合う。
女装をするようになってから、オタクたちはそれまで以上にミサキに優しくなったらしい。
崎 が男の子なの知っていて、オタクたちは個人的なメッセとかでミサキを女の子みたいに口説いている。
会った日は、
『今日も可愛いかったよ♡』
って連絡来るし、抜け駆けするようデートしたりとか、ミサキが欲しがるもの買ってくれたりとか。
だからってミサキがそのオタクのうちの誰かの恋人になることはなかったし彼女みたいなことするとか無かったけど、それでもオタクたちはミサキに優しくプレゼントもくれて仲間同士密かに牽制しあってるようだ。
俺も時々崎 に連れられてオタクの集まりに参加することがある。
俺らは一卵性の双子ではあるけど見間違えるほど似てるって感じでもない。
小さいころは親にも間違われたりしてたけど、俺はミサキと違って可愛いタイプじゃない。
どちらかと言うと冷たい感じするって言われがちだし、口下手であまりおしゃべりな方じゃなく人見知りもする。
だけどオタクたちは俺にも優しかった。
大学生のお兄さんからしたら、俺らは子どもだし歳の離れた弟を可愛がるみたいなものなのかも知れない。
俺は何かプレゼントをねだったりすることは無かったし、誰かと2人きりで会うこともしてなかった。
女装もしないし、あくまでミサキについてくおまけ。
でも最近ハマってるゲームがあるから、そのゲーム好きなオタクの人とは話すようになったかも。
実は崎 はオタサーの姫やりながら、もっと怪しいこともしている。
それは俺だけが知っている家族も友だちの誰も知らないミサキの秘密なんだけど、オタクの人と会うのとは別にパパ活もしているって。
ミサキが繋がっているパパの人とは会ったことないけど、俺らの父さんと同じくらいの歳のオジサンだって。
俺らの父さんが38歳だから、そのくらい?
ミサキによると、
「オジサンだけど父さんよりカッコいいよ」
って言ってた。
崎 はそのオジサンとも会っていて、おこづかいとかもらってるらしい。
俺も一緒に行かない? と誘われたけど断っておいた。
だってなんか知らないオジサンとかとおしゃべりするの緊張すると思う。
それならオタクのお兄さんたちとゲームしてた方が絶対楽しい。
俺は最近になってたまに、オタクの人と個別に遊ぶようにもなってた。
ゲーセンに連れてってもらったり、映画行ったり、マンガ喫茶行ったり。
オタクのお兄さんたちは俺にもすごく優しい。
ゲーセンで奢ってくれたり、映画のチケット代やお茶したときはケーキご馳走してくれたりしちゃってるから、恥ずかしかったけど俺も兄みたいにオタクのほっぺにチューしてみた。
チュッ♡ て軽いやつだよ?
スキンシップみたいな感じ。
オタクたちはみんな喜んでくれるし、ますます優しくしてくれるようになって、俺がお願いした訳でもないのにお土産にカードゲームのパックを何パックかとかくれたりもする。
コンビニで肉まんとかジュース買ってくれたり色々してもらっちゃうと俺も申し訳なくなるんだけど、
「君は中学生なんだからおごられてれば良いよ」
ってみんな何でもないことのように言う。
だからマンガ喫茶とかカラオケみたいな個室ブースに行くときは、オタクにねだられるまま口と口のキスもして良いよってことにした。
いっぱいチュッ♡ チュッ♡ ってして、抱っこしてギュウ♡ ってする。
さすがに他の人のいるところじゃ恥ずかしいし、男同士だから変に見られちゃうかも知れないから、個室なとこでだけ。
キスするとオタクはまた優しくなって、俺はドキドキする。
オタサーは決まったメンバーがいるって感じでも無いんだけど、俺が一緒に遊びに行ったりチューしたりするのは5人くらいのお兄さん。
何人かで遊びに行く時はそういうことしないから、2人きりで遊ぶ時だけ。
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