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01.「父さんに教えてもらうよね?僕が気持ち良くなれる方法」
生まれて初めて出来た彼氏と、生まれて初めてセックスしたのが高1の夏。
終業式のあと、両親不在の俺の家でクーラー利いてるのに汗をかきながら絡み合った。
俺の彼氏の藍玖 は同級生だけど幼く見えて、まだ中学入りたて? くらいの可愛い容姿。
身体も細いし、帰宅部でスポーツとかもあんましないタイプ。いわゆる文系。
俺は小学校の時からサッカーのクラブチームに入ってたから、だいたい日焼けしてたし細かいケガとかしょっちゅうしてた。
たぶん側から見ると対照的な2人。
俺は元々同性相手に好きとか惚れるとかそーいう感情なかったんだけど、同じクラスになった藍玖 が可愛いって気づいてから落ち着かなくなった。
藍玖も俺が気になってたって言うし、いつからバレてたのか俺が藍玖のこと好きになったのもバレてた。
夏休み前に告って、付き合うことになって、ひと月くらいでセックスした。
俺は女ともシたことなかったから本当に初めてだったんだけど、藍玖 は初めてじゃなかった。
本当にガキみたいな顔してるし純粋だし、藍玖がセックスしたことあるなんて想像もしてなかったんだけど。
俺たちの場合は俺が藍玖にちんぽ挿入 るってポジションのセックスだったんだけど、後にしてみればさりげなくリードしてもらってたような気もする。
俺は俺でいっぱいいっぱいだったし興奮しまくってたからその時は分かって無かったけど。だけどヤッてる途中からもしかして? って思ってたとこあったのかも知れない。
事後にそれに触れたのは俺からで、藍玖も気まずそうに申し訳なさそうに非処女だったこと認めた。
俺は気にしないってフリして強がったけど、本当はめちゃくちゃ気にしてた。
騙されたとか思ってた訳じゃないけど、俺が藍玖 の初めてじゃないの悔しかった。
相手が誰かとか、訊きたいけど訊きたくない。
そんなこと考えたら口数少なくなっちゃって、気まずかったのだろう藍玖が、
「僕の父さん……なんだ、初めてエッチしたひと」
重い口を開くよう俺に言った。
藍玖 の親父?
なにそれ……親子なのにセックスしたってこと!?
固まる俺に、
「でも弥涼 くんと付き合い始めてからは父さんとシてないよ!」
俺に嫌われたくない! とでも言うようしがみつくみたいにして抱きついてきた藍玖を、俺は抱き返した。
本当は言いたくなかったこと言わせてしまったのは俺だって、その時気づいた。
俺、藍玖のこと好きだって言ったのに元カレすら許せない思考になってた。
しかも藍玖の相手は実の父親だっていうのに、そんなの藍玖が望んだ行為じゃないに決まってるのに!
俺は藍玖 に謝って、藍玖が好きだよって何度も言った。
またキスをして、ベロチューもして、ちんちん勃って来ちゃったのはバレてなければいいけど……なんて思ってた。
◇
夏休みに入って10日くらい経った7月の終わり藍玖 から、
「家においでよ」
と呼ばれた俺は、そろそろ2回目のエッチに誘っても良いだろうか? とか下心抱えながら初めて彼の家に行った。
藍玖 の両親は離婚しているらしく、父子家庭なのだということは前から聞いてた。高層マンションの一室で、ペットなんかもいなく父子 2人きりだって。
もしかしたらまた藍玖が親父さんに手を出されてるんじゃないか? って時々不安になったけど、俺といると嬉しそうにガキみたいな屈託ない笑顔を見せる藍玖に陰を感じることはなかった。
藍玖 の家へお邪魔してリビングに通されると、そこには中年男性が居た。
「えっ?」
何も聞かされてなかった俺が戸惑って藍玖を見ると、
「父さん、弥涼 くんだよ。弥涼くん、これが僕の父さん」
藍玖は笑顔で俺を親父さんに、親父さんに俺を紹介する。
「いらっしゃい」
俺を歓迎するよう出迎えた藍玖の親父さんに、俺は何も言えないまま。
だってコイツが藍玖に虐待したの知ってるから。
実の親父のくせに、まだ中学生だった藍玖とセックスした男だ。
俺は藍玖 の親父さんを睨みつけてた。
藍玖の親父さんは息子とは違うタイプの男。
ジムでも行って鍛えてるのか、Tシャツの上からでも程よく鍛えてる肉体が分かる。
肩も腰もがっしりとしていて、自分に自信がある男特有の圧があった。
藍玖の親父に会うことがあったら出会い頭に一発殴ってやろうと思ってた俺が、気後れしてた。
この人は俺のことどの程度知ってるんだろう?
俺と藍玖がセックスしたって知ってるのかな?
俺が藍玖と親父の関係を知ってること、聞いてるだろうか?
「息子とセックスしたんだって?」
しかし何かを尋ねる前に言った男に、俺はドキッ! としてそのまままた固まってた。
「は、はぁ?」
答えるとも無しに曖昧な声しか出せなかったが、藍玖 の親父は笑う。
「藍玖 が君とのセックスはつまらなかったと愚痴をこぼすんだ」
息子に呆れるような口調で言うのに、
「父さん、つまらなかったなんて言ってないよ! 弥涼 くんに失礼だろう? 気持ち良くなかったって言っただけ! でもしょうがないだろう? 彼はこないだまで童貞だったんだから」
リビングから見える位置にあるキッチンに行っていた藍玖が父親を叱るように言いながら、グラスの並んだお盆を手に戻って来た。
「あ、藍玖 ?」
混乱する俺に、
「ごめんね弥涼 くん、気にしないで」
藍玖は微笑みながら俺に言うと、お盆の上のグラスをテーブルに並べながら俺にソファへ座るよう促す。
言われるままソファに座った俺の隣に藍玖も座り、彼の父親は俺の向かいへゆったりと腰掛けた。
「あ、あの……」
一体どういう状況なんだ? これ。
戸惑う俺が言いかけたのに、藍玖 がグラスを渡してくれたから俺はそれを飲み干した。
今日も暑くて、この部屋はクーラーが利いていたけど外から入って来たばかりの俺は汗をかいていたし喉も乾いてた。
グラスに入っていたのはレモネード。飲み慣れないそれは甘かったけど、苦味もあった。
「童貞でいきなり藍玖を喜ばせるのは難しいか、ごめんごめん」
親父さんは笑うけど、俺は笑えない。
頬が引きつるような感覚と、また覚える喉の渇き。喉の渇きを癒すには、あのレモネードは甘すぎた。
「あの……なんでそんな平然としてるんすか? 自分の息子が男とセックスしたとか」
やっと口に出せたのは、そんな言葉。
「恋愛は色んなカタチがあるからね、私に偏見はないよ。それに君たちの身体はもう成熟し始めてる。とはいえ男同士だからセックスをしても子どもが出来てしまうことはないし、10代の頃の性欲は抑えて抑え切れるものでもないからな」
やはりどこか鷹揚とした言葉と仕草に、俺はどうしても強く出られなくなるの情けなかった。
「色んなカタチ……ですか、俺知ってるんですよ? アンタが実の息子の藍玖 をレイプしたって」
必死に噛み付くように言ってやったが、藍玖 の親父は驚いたような顔をしただけで、
「レイプ?」
首を傾げて見せる。
「誤魔化そうとしたって――」
「藍玖 、あれはレイプなのか?」
断罪しようとする俺の言葉は遮られ、
「僕は嫌じゃなかったから、レイプではないと思う」
淡々とした言葉のあとに微笑む藍玖に、俺は愕然とした。
「むしろ藍玖 からねだって来たよね?」
「でもその前から僕にお尻の気持ちよさ教えてくれてたのは父さんだよ? 僕はちんぽシて欲しくて我慢できなかっただけ」
これが親子の会話だろうか? と驚愕したままの俺の前で、
「ごめんね弥涼 くん、僕誤解させちゃったみたい。僕と父さんは合意の上でセックスしてたんだよ。小5の時からずーっと僕からねだって父さんにちんぽシてもらってた」
藍玖 は俺の顔を覗き込むように言うと、ニコリと天使のように可愛らしく笑う。
「なっ……、な、なに……言って……」
俺は思わず藍玖から距離をとるようにしながら、言葉が出てこない。だってそんなことあるだろうか?
息子が父親にセックスをねだるなんて。
あの藍玖 が、俺に抱かれるとき恥ずかしそうな素振りでなかなか顔も見せてくれなかった藍玖が、俺の藍玖が、愛らしい唇から恥ずかしげもなく「ちんぽ」なんて言葉を言うだろうか?
現実感がないまま震えた俺に、
「でもセックスに慣れてない弥涼 くんじゃ僕が気持ち良くなれないから、父さんにセックスを教えてもらってよ」
藍玖がはしゃいで提案するみたいにして言った。
「――ハ?」
そんな反応しかできない俺に、
「弥涼 くんは、自分だけ射精できたら良いと思ってる? セックスは2人でするものなんだから、2人で気持ちよくなれなきゃダメなんだよ? ちゃんと僕のこともイカせてくれなくちゃ」
言って聞かせるような藍玖 の言葉に、俺の頭の中はぐちゃぐちゃになってく。
それはそうかも知れないけど、だからってなんで俺が藍玖の親父にセックス教わらなきゃダメなんだよ?
……訳わかんねぇ、訳わかんねぇ。
セックスを教えてもらうってナニ? 何をどうしろってんだよ?
「私としても、」
口を開いた藍玖 の親父は、
「父親として、独りよがりな男に藍玖を抱かせる訳にはいかないな」
尤 もらしい口調でそんなことを言う。
誰がどの口でそんなこと言ってんだ?
って思うのに、父子 でも行為が和姦だと言われた後では言葉が出てこない。
俺のセックスが下手だから、俺との交際を認めないって言いたいの?
藍玖も下手なままの俺とじゃもうセックスしたくないってことだろうか?
「そんなの……」
言葉が出ないままの俺に、藍玖 がキスをした。
「藍玖 のために頑張ってよ、弥涼 くん」
ねだるような甘えるような声で言われて、俺の肌はゾクゾク♡ する。
藍玖とセックスしたあの日を思い出してしまう。
「ほら、弥涼 くんもおちんちん硬くなって来てる♡」
ぴたりと俺にくっ付くよう身を寄せた藍玖の手が、俺のズボン越しの股間に触れてくる。
触れられた瞬間ビクッ! と震えて、恥ずかしくなったけど手を振り払えない。
藍玖の手が俺の股間をゆっくりゆっくり撫でて来て、俺のちんこがピクピク♡ する。
恥ずかしくて「やめろ」って言ったけど、声めちゃくちゃ小さくなってた。
藍玖の親父さんにも見られてる。俺が藍玖に股間触られて勃起するとこ見られちゃってる。
こんなの他人に見られたことなんて無かったから、頭の中混乱してる。
やめろ、やめろ、こんなとこでなに考えてんだよ……って思ってるのに、俺の身体の方が先に反応してる。パンツの中から押し上げて来てる。
「見てよ父さん、弥涼 くんのおちんちんも大っきいんだよ~。父さんのほどじゃないけど僕のよりずっと大きいし、カッコいいの♡」
藍玖 は言ってからまたしても俺にキスすると、俺の口の中にベロ入れて来ながら俺のズボンの前ゴソゴソとしだす。
前ボタンを外されファスナーを下ろされ、パンツの中からちんこ引っ張り出されるの分かってたけど、俺は頭の中真っ赤になってキスされるまま抵抗するのを忘れてた。
「ほらっ♡ もうガチガチ♡」
藍玖 が言いながら俺のちんこを親父さんに見せてる。
俺はゾクゾク♡ と震えが上がってくるような感覚と共に、見られてるの意識したらまたちんピクしてた。
「本当だね、男の子らしいキレイでカッコいいおちんちんだ」
「触ってあげて」
「や、やめ……」
「僕のためにセックス教えてもらうんでしょ?」
「いや……それは……」
「僕が気持ち良くなれなくても良いって思ってるの?」
「そんなこと……ないけど」
「だったら父さんに教えてもらうよね? 僕が気持ち良くなれる方法」
迫られて、うなずいてた。
慌てて首を横に振ったけど、藍玖 の両手に頬を抑えられ、チュッ♡ チュッ♡ とされるままキスさせていたら、大きな手でちんこ握られたの分かった。
藍玖の手よりずっと大きな手。熱い手。
ゴツゴツした大人の男の手。
いつの間に近づいていたのか、藍玖に視界を塞がれるようキスされてて気づかなかった。
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