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第1話

最初はただのトラブルだった。 その日、俺は出張先のホテルを探していた。 あいにく、その週は近くで 大きなイベントがあって どこも満室だった。 愚痴をこぼすみたいに 専門のマッチングアプリで 知り合った相手に ホテルが取れないことを話した。 「だったら俺ん家泊まればいいよ」 「夜は仕事で家を空けてるし ホテルみたいに使ってくれていい」 家主がいない家に居ていいのか。 頭の中で、色んな考えが巡った。 でも、相手がそういうのなら ここはありがたく使わせてもらおうと思った。 その代わり 俺の家も勝手に使っていいと伝えた。 本当は ご飯にでも誘うくらいはできたかもしれない でも、繁忙期で そんな余裕すらなかった。 少し安心したのか 急に眠気がくる とりあえず 泊まるところは確保出来た。 …あ ポストに合鍵入れとかなきゃ… あと、部屋番号と暗証番号も…

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