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モザイクがあまい
『だめよ……私は教師で、あなたは生徒……』
『けど先生のココ、俺のチンポ無しで生きていけないんじゃないの?』
『や……っ』
『パンスト越しでも、ほら……期待して濡れてる……』
もうすぐ退勤時間なので、キリのいいところまでは終わらせたい、と思いながらこのアダルト動画を編集する如月 塁 は死んだ目をしながら密閉のヘッドホンをして、パソコン画面を真剣に見つめる。
「如月ぃ、ちょっといいか?」
「………………」
真剣に女教師が局所を愛撫されている画面を見てる塁には聞こえる訳もなく、塁を呼んだ上司は深いため息をついて塁の肩をポンポンと義務的に叩く。
やっと気がついた塁は「はい?」と生気のない返事をしながら上司の方を向く。
「フェラの前のシーン、これ、モザイクお前だろ?」
「はい、そうです」
「これモザイク甘すぎて審査通らねぇって」
「えーっ!」
「えー、じゃねぇよ。またこれ、燈真 じゃねーか。他の男優はしっかりモザイクかけるのに、なんでコイツだけなんだ」
「何言ってんですかリーダー、こんな張りがあって血管もキレイに浮き出て、理想のチンポ……いや、マグナムチンポにしっかりモザイクなんてっ!このマグナムチンポは国宝です!芸術です!これは全国民が見るべきマグナムチンポです!」
塁の目は生気と熱を持った。力説されて直後、上司はたじろぐが、ハッとして「馬鹿か!」と一喝する。
「マジで時間の無駄だから。これ続くなら燈真の動画から担当外すからな」
「それは困ります!燈真さんの無修正チンポは俺の生き甲斐なんです!」
「キモイこと叫ぶ前にさっさと修正しろよ!」
叱責された塁は不貞腐れた返事をしながら、指導された映像ファイルを開いてシーケンスバーでそのシーンまで飛ばす。
綺麗な女優が眼前に現れた反り立つペニスに驚くシーン、ほぼ原型が見えてしまうくらいお気持ち程度のモザイクしかかかってない。
「芸術なのに……勿体ないなぁ」
塁は渋々、女優の愛でる赤黒く脈打つペニスにモザイクを丁寧にかける。
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