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第23話 【ヨギ視点】最高すぎる
ぐぽ、ってなんかヤバい音が自分の中からした気がして、入っちゃいけないとこまでシラハ様が挿入ってくる。うそ……って言いたくて涙目で見上げたら、シラハ様の耳のあたりに、ヒレっぽい何かが増えてた。
「シラハさ……ああっ、ひぅっ、あああっっっ」
「ヨギ……っ」
感極まったシラハ様の声。ひときわ奥までシラハ様に侵食されて、何かが弾けたと思ったら、お腹の中がべらぼうに熱くなる。おれも、一緒に果てていた。
朦朧とする意識の中で目に入ったのは、気持ちよさそうに白い喉を見せてのけぞったシラハ様。
バサッと風を切るような音がして、シラハ様の背には翼竜の翼っぽいものが一瞬で現れていた。
綺麗だ……。
聖龍様の髪みたいに、優しく輝くみたいな白銀の翼。
「すごい……シラハ様、つばさ、きれい……」
「翼……?」
うっとりした顔のまま、シラハ様が翼をふわりと動かして、困ったみたいに微笑んだ。
「余りに夢中で、本性の片鱗が知らず現れ出てしまったようだ」
「シラハ様のつばさもツノも、かっこいい。おれ、好き」
「気に入ってくれて良かった。意識もせずに翼を出したことなどはじめてだ。少し浮かれすぎたかも知れぬ」
ちょっと恥ずかしそうに笑って、シラハ様が俺の中からゆっくりと出ていく。
さっきまでは「死んじゃう」って思ってたけど、離れられると急に寂しい。だっておれ、ずっとずっとシラハ様とこんな風になりたかったんだもん。
「シラハ様……離れないで……ぎゅってして」
「おや、随分無理をさせたと思ったが」
「ん。でもおれ、まだシラハ様とくっついてたい」
「私もだよ。こんなにもこの身に快楽を感じたのは初めてだ。ヨギが可愛くて、離れがたい」
俺を抱きしめたままころんと寝返りを打って、シラハ様はおれを上にしてくれる。
見下ろしたら、いつの間にかシラハ様の白い肌にはいくつも俺がつけた赤い跡があって、上気した頬と相まってめちゃくちゃに色っぽかった。
この世界で一番美しくて、優しくて、色っぽい人が、おれの番……。
そう思ったら、またむくむくとおれの情熱が力をもたげ始めた。
「シラハ様、おれ、またしたくなっちゃった。今度はおれが挿入てもいい?」
「ふふ、獣人という種は本当に情熱的なのだな」
優しく笑って、シラハ様が口づけてくれる。
「もちろんだ。お前が望んでくれるなら、私はこの身のすべてを明け渡してもいい」
シラハ様、好き……! 最高すぎる。
「おいで、ヨギ。私の可愛い番」
シラハ様が艶然と微笑んだ。
「シラハ様、大好き……!」
嬉しくて嬉しくて、シラハ様をぎゅうって力いっぱい抱きしめる。しっぽが自分でも止められないくらい暴れ出すのが分かった。
おれも負けずに、たっくさん愛を囁いて、たっくさん愛を注いで、愛を受け入れるって誓った。
「ヨギ……愛しい……私の、唯一……!」
おれを受け入れてくれるシラハ様の声はどんどんと艶を増し、おれを惑わす桃のような甘い匂いも濃さを増していく。初々しいシラハ様も、色っぽいシラハ様も、おれを求めてくれる可愛いシラハ様も、全部、ぜんぶ大好きだ。
もしかしたら、こうしてまぐわう度に、おれは新しいシラハ様に出会えるのかも知れない。
目が合って、自然とお互いに微笑み合う。
すごく、すごく……幸せだ。
こうしておれはシラハ様の唯一として、長い長い、長ーーーーーい時を、共に睦み合って過ごしていくことになったのだった。
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