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1.誰か僕を殺して
――その日、僕は【呪い】を受けた。
『父上! ゆーしょーしました! 今回もぼくが一番――』
扉の先には父の姿が。
裸の女性達を侍らせる父の姿があった。
どうして? 父上には、母上が。
永久の愛を誓った相手がいるのに。
『おかえり、ウィル。よく頑張ったな』
『……っ』
『何だ? 一丁前に興奮しているのか? くっくっく、【流石は俺の息子だ】』
『ちがう……~~っ、ちがう!! いっしょなんかじゃない!!!』
父の呪縛から逃れたい。
その一心で父の逆を生きてきた。
欲望よりも理想、性よりも愛を追い求めて。
だけど、もう疲れた。
仲間は失うばかり。
愛は未だに見つけられずにいる。
終わりにしたい。
でも、自死は出来ない。
あの人と同類だったと認めるようなものだから。
「お願い。誰か、誰か僕を……殺して」
切に願う。
一日も早く解放の日が訪れますように、と。
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