23 / 25

20.上書き(★)

「上書きする。とことん付き合ってもらうからな」 「……分かりました」 「それと」 「まだ何か?」 「お前も知っての通り、。だから、存分に喘げ。出し惜しみするんじゃねーぞ」 内緒話をするみたいにそっと囁き掛けてきた。 その意味を理解して、ぼっと顔を熱くする。 「はっ、スケベなツラしやがって」 「それは……っ、レイ殿だって……」 「ああ。そうだな」 首筋にキスをしてくる。 あまりの擽ったさに身を竦ませると、チュニックの裾から手が入り込んできた。 脱がすつもりは……ないみたいだ。 撫でてくる。ちょうど胸のあたり。 くるくると円を描いたかと思ったら、乳首をきゅっと摘まんできて。 「そんな、ところ……あっ……」 レイ殿の手が、僕の白いチュニックを捲し上げる。 だけど、僕の視界が覆われることはなかった。 今、僕が寝かされているのはシェーズロング。 寝そべりながらも、上体は高い位置にあるから。 「まっ、待って……あっ!」 レイ殿の舌が、僕の胸の先に触れた。 サーモンピンクの乳首がペロペロと舐め回されていく。 「んっ、くっ! だめっ……そんな、……したっ……らぁ……っ♡」 吐息と共に解放された乳首は、レイ殿の蜜でトロトロになっていた。 はっ、恥ずかしい。顔から火が出そうだ。 この二か月、ほぼ毎日セックスしてきた。 けど、愛撫はほぼゼロ。 挿れて、出す。本当にただそれだけだったから。 「んっ! あっ……♡♡」 今度は吸われた。 きゅっと搾られて、ふわっと緩められて。 「チッ……ガキのくせに生意気な乳しやがって……」 ご機嫌な調子で毒づいてくる。 どうやら、気に入ってくれたみたいだ。 無我夢中。力任せにむしゃぶりついてくる。 まるでそう、好物を口にするみたいに。 「あっ! ……ぁ……っ、ひぁ……あンっ♡♡」 体は少しずつ慣れてきて、快楽を拾い始めてる。 一方で、心は全然追い付かなくて。 「レイ殿、……あのっ……ぼく、にも……さわらせて……っ」 堪らず逃げの一手を繰り出した。 すると、意外にもあっさりとOKしてもらえる。 ほっと息をつくと、僕の体がふわふわと浮き出す。 ベッドに連れて行ってくれるみたいだ。 僕はされるがまま、レイ殿の後についていく。 「っ!」 胸から何かが滴り落ちていく。これは唾液だ。 僕は咄嗟に、チュニックの上から押さえ込んで……そっと拭き取る。 今日はもう胸への愛撫はなしにしてもらえないかな……。 なんて、及び腰になっているうちに、ポンポンポンと子気味よく衣服を剥ぎ取られてしまった。 今更だけど、どうにも気恥ずかしくて。 それとなく手で前を隠していると、レイ殿も衣服を脱ぎ始めた。 相も変わらず美しい。 鍛え上げられた褐色の体は、太陽の光を吸って艶めいている。 力強くて、セクシーで、だけど……ちょっぴり甘くて。 香りに喩えるならムスクかな。 とにかくもう凄く素敵で……。 ゴクリと生唾を呑む。 僕も舐めてもいいのかな? 「あっ……わっ……!」 レイ殿が赤い天蓋付きのベッドに寝転がる。 かと思えば僕の体も動いて、レイ殿の上へ。 レイ殿にお尻を向ける格好になる。 とっ……とんでもない格好だ。これは一体……? 「あっ、あの――」 「舐めろ」 「えっ?」 「目の前にあるだろ、俺の」 「っ!」 確かに。レイ殿のそれが僕の鼻の先にある。 先っぽの方は赤くて、根元に向かうごとに黒くなっていく。 ドクドクと脈打ってて、もう勃起しかけてた。 まだ全然触ってないのに。 ただ、胸を舐めただけなのに。 ……そっか。胸、そんなに好きなんだ。 どうしよう。困ったな。 僕はその……凄く苦手なんだけど。 「あっ! えっ……?」 お尻をぺろりと舐められた。 かと思えば、左右に割り開かれて――その奥の蕾を舐められる。 「やっ!? だっ、ダメ……汚い……あ゛っ!」 腰を引くと、お仕置きだと言わんばかりにお尻を噛まれた。 まだこっちの方がいい。いっそ痛くしてほしい。 このままだと、恥ずかしくてどうにかなっちゃう。 最悪、裸で逃げ出すことになるだろうから。 「ほらっ、舐めろよ。上書きになんねーだろうが」 「……は、い……」 大口を開けてレイ殿のペニスを咥える。だけど――。 「ん゛ん……!? はっ……」 ダメだ。全然挿らない。 アーサーのはちゃんと全部挿ったのに。 「無理に咥えなくていい。舐めるか、扱いてりゃ、そのうち勃つさ」 「あっ! やっ……♡」 そう言って、レイ殿は僕のものを咥え始めた。 そうか。この体勢は、お互いのモノを舐め合うための。 考えた人、凄いな。 ……って、感心している場合じゃないよね。 僕もちゃんと応えないと。 「あぅ……はぅ……ぁ……んぅ……はぁ……」 レイ殿のペニスに、半ば縋りつくようにして舐め上げていく。 下から上へ。鈴口にちゅっちゅと吸い付くと、苦い液体が出てきた。 吐き出すのは気が引けて、そのままゴクゴクと飲み下していく。 「あっ! は……っ!!」 指がナカに入ってきた。 しかも、それだけじゃない。 もう片方の手で、僕のペニスも扱いてる。 きゅっきゅっきゅっと、牛のお乳を搾るみたいに。 両方なんてそんな……っ。 僕は堪らず、レイ殿の下腹部に顔を埋める。 黒くて硬い陰毛が、顔を擽ってくる。 むずむずする。でも、何も出来ない。 余裕がないんだ。ほんの僅かも。 「あっ! あっ!! らめっ……っ!!」 イイところまで擦り始めた。 視界中を閃光が走り抜けて、口端からはダラダラと唾液が零れ落ちていく。 「やめ……っ、イッちゃう……っ、イッちゃうから……っ」 「イきゃいいだろ。ほらっ」 「ひあっ!?」 鈴口を抉られた瞬間、僕は達した。 びゅーーっと勢いよく射精する。 レイ殿の小麦色の肌を、白くて濁った体液が汚していく。 彼の隆起した筋肉のラインを、ゆっくりと滑っていって。 「~~っ」 僕は居た堪れず、勢いよく目を逸らした。 「ごめん、なさい」 「何で謝るんだよ」 「……汚してしまって」 「はぁ? 今更何言ってんだよ」 「そうかもしれませんけど……でも……」 「おかしなヤツだ」 「いただいても?」 「は?」 「あ……」 何言ってるんだろう。 普通、『ください』だよね。 テンパり過ぎだ。 あぁ……もう。僕は何をやっているんだろう……。 「いいぜ。来いよ」 「っ!?」 レイ殿は……ノリノリだ。 ニタニタしてる。 これはもう後には引けそうにないな。 断ったら、もっと酷い目に遭いそうだし。 意を決して向き直り、彼の上に覆い被さる。 「失礼します」 「童貞臭ムンムンだな」 「……事実そうなので」 ケラケラと笑うレイ殿を一瞥しつつ、おずおずと舌を這わせていく。 隆起した胸筋から、六つに割れた腹筋へと。 自分の体液の味に強い不快感を抱きながらも、凄まじくドキドキもしていた。 端的に言えば、だから。 「っ、……はっ……」 チョコレート色の乳首を吸うと、レイ殿が喘いだ。 吐息混じりに。どこか物欲しげに。 思い切って胸の先を食んでみると、芯の通った乳首からカリッと音が立った。 レイ殿の体がぴくりと跳ねる。 低く掠れた声色も、可愛らしく上擦ってて。 「ハァ……っ、お前に抱かれるのも悪くねえかもな」 「えっ……?」 思わず顔を上げると、レイ殿と目が合う。 頬を薄っすらと紅潮させている。 灰色がかった黒い瞳は、甘く蕩けてて。 否応なしに鼓動が乱れていく。 どどどどっ、どうしよう……!! 「ばぁ~か! 真に受けてんじゃねえよ!」 「わわっ!!」 力任せに頭を撫で回される。 そうして怯んでいる間に、ドカッと勢いよく押し倒された。

ともだちにシェアしよう!