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プロローグ

 一目惚れなんて、信じない。顔だけで好きなんて、ありえない。  ――今、オレの目の前には、ものすごい存在感のある、男が立っている。  背は、百八十はあると思う。近づいてまず目に入るのが、異様に高いウエストラインと、脚の長さ。モデル体型なんて言葉が甘っちょろく感じる。肩幅もがっしりしてて、制服のシャツの隙間から、鍛えられた筋肉が見える。ただ大きいとかじゃなくて、引き締まってて無駄がない感じ。オレが理想とするルックスを、してる。  顔は、もはや怖いくらい整ってる。よく彫刻みたいなんて聞くけど、もうこいつ、彫刻そのものみたい。綺麗な輪郭、通った鼻筋。超美形だ。艶のある真っ黒な髪色で、少し長めのウルフカットは、無造作に見えて、ちゃんと整ってる。形の良い額、眉。  クールな印象だけど、二重の目力は半端ない。  見つめられて命令されたら、はいって言っちゃいそうな強い光。抵抗できないような、迫力がある。  オレが怖がってるというか強張ってるのを見て、面白がったみたいに目を細めると。  唐突に、ふわりと迫力を緩めて微笑んだ。  止める間もなく、ドキッと大きく揺れた心臓は、鼓動が速いまま、せわしなく動いてて、体の中でうるさすぎる。  どうしよう、心臓が制御不能だ。  なんなわけ、これじゃまるで……。  そこまで考えて、違う、と心の中で叫んだ瞬間。  目の前で、その形のいい唇が、涼しげな声で言った。   「オレ、自分が一目惚れなんてすると思ってなかったんだけど……どうしよ、オレ、お前が好きかもしれない」  よく通る、低いけど優しい声で、そんなことを言われる。    逃げられない訳じゃない。捕まってるわけじゃないし、普通に、学校の廊下だし。周りは新入生ばかりでざわざわと騒がしい。  でも、動けない。  だから。  一目惚れって、その言葉。  一番嫌いなんだってば……!  そう思うのに、なぜか言えなくて。  どうしていいか分からない。    え、どうしよう。どうしたらいいんだ。  そうだ、昨日も今日も、めっちゃ決意したはず。思いだせ、オレ……!!! (2025/11/2) 🩵✦𓂃𓈒𓏸⋆。˚🌙˚。⋆𓏸𓈒𓂃✦🩵 一話、お読みいただき、ありがとうございます♡ ぼちぼち更新していきます。 ちょっと宣伝というかお誘いというか♡ ノベマさんで先行・完結してます。コンテスト参加中。 https://novema.jp/book/n1761856 向こうで読んで頂けると、結果に影響する…かも?🦆🦆🦆 ノベマさんのいいねボタン+一言感想はアカウントが無くても押せるので、 ぽちぽち、応援頂けたら嬉しいです✨ 「悠里・ノベマ」で検索でも出ると思います。 🩵✦𓂃𓈒𓏸⋆。˚🌙˚。⋆𓏸𓈒𓂃✦🩵

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