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Ⅲ、妻は欲しがり屋

私は急いでセイヤの身体を拘束する枝をナイフで切り、彼を自分の方へと引き寄せた。 抱き止めたセイヤの身体は異常に熱くなっており、昨日慣れない場所で寝たから風邪でもひいて熱が出たのかと考える。 私は直ぐ様セイヤを横抱きにし、我々のいるべき場所へ引き返そうとした。 セイヤが迷い込んだ獣道は、過去に私も試した事のある道だ。 いくらナイフで切っても木々が邪魔して全く先に進めなかったが、セイヤのように拘束される事はなかった。 私とセイヤ、何が違うのかはわからないが、今はセイヤを引き留める事に一役担った植物に感謝する程だ。 「……アル、バール……」 セイヤが辛そうに私の名を呼ぶので、私は彼を安心させる為にぎゅう、と強く抱き締めながら広い道まで出る。 ここまで来れば、ひとまず安心だ。 「アルバール……」 再び名を呼ばれて、セイヤを見た私の胸は高鳴った。 トロンとした瞳に、ぷるぷるの濡れた唇。 枝に乱された服がはだけ上気した肌が丸見えで、何よりも私を惑わすかのように、荒い息を吐きながら私の首筋をペロリと舐めたから。 今まで、私が彼に触る事はあっても、彼から私に触れる事はなかった筈。 「セイヤ?」 彼の様子が気になり、私は一度セイヤをその場にそっと降ろす。 するとセイヤは、驚く事に私の股間に指を這わせ、潤んだ瞳でこちらを見上げたのだ。 「……アルバール、मैं हूं、エッチ……हो सकता है यह ठीक न हो।」 「えっ? ここでか?」 セイヤはどちらかというと、恥ずかしがり屋なのだと思っていた。 しかし、大胆で淫乱な部分も持ち合わせていたのだと思い出す。 ただ、セイヤは体調が悪い筈だ。 本当に大丈夫なのだろうかと悩んでいると、セイヤはその場で四つばいになり、私にお尻を向けたまま、自分の履き物をずるんと両手で下ろした。 私の目の前に、滑りけのある糸を引いた、セイヤのエロい菊門が差し出される。 私がごくりと唾を飲み込んだ時、セイヤはねだるように顔だけこちらを向いたが、その瞳には明らかな欲情が浮かんでいた。 セイヤが熱っぽいのは確かだが、間違いなく発情していて……私のペニスに犯されるのを切望している。 それに気付いた瞬間には、私の肉棒は天を向いていた。 セイヤはそのまま尻たぶを両手でくぱぁと割り開き、ひくひくと期待する淫らなアナルを見せ付けた。 私は誘って揺れるセイヤの腰を掴んで引き寄せ、脈打つペニスをそのすぼまりに宛がう。 ここが外であろうがどこだろうが、そんな事は今の私にはどうでも良かった。 私とセイヤ以外ここに留まれる者はいないし、仮にセイヤの痴態を見られたとしても誰もセイヤに触る事は出来ない筈だ。 セイヤ以外の他人が、私に触る事が出来ないように。 「ン、フゥ……♡」 セイヤの尻穴が、亀頭をくぽんと咥え込む。 昨日初めて交わった時と比べて、格段に馴染みが良い。 ずちゅ、ずちゅ…… 「……ァ、ァア……ッ、ンッ♡」 少し腰をスライドさせるだけで、セイヤは気持ち良さそうに喘いだ。 自ら良いポイントを探るかのように、腰を捻るのが堪らない。 そんなセイヤの痴態に煽られて、昨日のようには手加減出来なかった。 ばちゅん!! ばちゅん!! ばちゅん!! 「……セイヤ、セイヤ……、私の、私の唯一だ!」 「ヒャアンッ♡!! イク♡ イクゥ……ッッ♡♡」 セイヤの最奥まで一気に突き入れ、ずるるる、とギリギリまで引き抜く。 セイヤの肉壁はきゅんきゅんと感じて、私のペニスを巧みに締め付けた。 直ぐに達してしまいそうになるのを、焦らして焦らして押さえつけ、逆にセイヤのアナルを犯しながら、彼の主張するペニスは掌でぐちょぐちょに扱いた。 中に放つ時には、セイヤの顔が見たい。 セイヤに肉欲を突っ込んだままぐるりと彼の身体をまわすと、蕩けた表情で口から涎を流し、涙や鼻水でぐしゃぐしゃになっていた。 私が、彼をここまでよがらせている。 そう思えば、私の息子は更に一回りその質量を増やし、彼を内側から狂わせた。 「イク!! イクゥ……!!♡♡」 彼は首を思い切り左右に振ったが、私は頭を押さえつけて深い口付けを送った。 尻穴をペニスで蹂躙しつくし、口内は舌で征服する。 セイヤは私に贈られた宝物で、私がどれ程彼を欲しているのかわからせようと思った。 セイヤの背中を木に寄り掛からせたまま下半身だけを持ち上げ、私のペニスがしっかりと奥まで真っ直ぐ出入り出来る角度で何度も突き上げる。 夢中で舌を絡ませ、彼の涎を啜る。 セイヤのペニスも、私の腹筋を使い、お互いの身体の間でしっかり刺激されるように動き続けた。 ずちゅん!! ぢゅぽ! ぢゅぷん!! 二人の下半身を様々な体液が濡らし、やがてセイヤが白目を剥いて先に果てた。 「──ッッ♡♡」 「くぅっ……!」 同時に私も、彼の中に放つ。 しかし私は一度放った位で離れたくはなかった。 朝の儀式を終えて洞窟に戻り、セイヤが居なくなったと気付いた時の恐怖心が再び私を襲う。 大事な物を失ってしまったのではないかという、喪失感。 あれは二度と味わいたくない。 一度セイヤに満たされてしまった私は、もし今後彼が居なくなってしまったらどう過ごして良いのかわからない。 だから、もう離さないと決めた。 私は、ぐったりしたセイヤをそのまま抱き上げ、背中に傷がついてないかを確認する。 服は脱がしていないしつるつるした幹の木を使ったから大丈夫だとは思ったが、セイヤは繊細だから念の為そのすべすべの肌に掌を滑らせた。 「ン……♡」 失神していても覚醒は近いのか、セイヤが私の指先の感触で声を漏らす。 どこまでも、私の妻は愛しい。 セイヤが無事で良かった。 しかし先程まで熱かった彼の身体が、汗をかいたからか急激に冷たくなった事に気付いた私は、居心地の良い彼の中に埋めたまま我が家に足を向けた。 風邪を引いたと思っていたのだが、どうやら違ったらしい。 そう言えば、あの木々に絡め取られていたセイヤは、服が乱されてペニスにも乳首にも枝……というより触手みたいな気持ち悪い物体がまとわりついていた。 もしかしたら、あの植物はセイヤに何か媚薬的なものを注入したのかもしれない。 私の到着がもう少し遅れていたら、と思うとゾッとする。 自分はナイフを持っていたし、木々に先を遮られた時点で直ぐに諦めた。 セイヤはもしかしたら、先に進もうとしたからそんな仕打ちを受けたのかもしれない。 そう言えば、何故セイヤは家から抜け出したのだろう? 私を探しに出たのだとすると、私の顔を見て逃げ出した意味がわからない。 ……そうだ、あの時セイヤは、確かに逃げ出したのだ。 自分の瞳に、剣呑な光が宿った事を自覚した。 栓をしたセイヤのアナルから、動く度にトロトロ私の精子がこぼれおちていく。 もっと、種付けしなければ。 逃げ出すという発想すらなくなるくらい、私の横が自分の居場所だと理解するまで、愛し尽くしてマーキングしなければ。 「ァア……ッ♡」 私は一秒すら惜しむように、家に着くまでの間ずっとセイヤの身体をそのまま上下させ、私のペニスの形をセイヤのアナルに教え込ませた。

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