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前置き
前置き
かなり前に個人サイトで上げていた創作BL作品のリメイクです。
感情を持ったアンドロイドと人間が、「愛」と「所有」と「永遠」をめぐって壊れていく話。
前作のMagic Lifeよりエロも性癖も世界観も狂ってます(作者談)。
3P要素ありとしていますが、これは仮想世界の中での行為なので、恋愛感情はありません(8話のみ)。
倫理観は最初から存在してません。
でも、書き手の中では純愛です。好きな人には刺さります。
カタルシス、お約束します!
【世界観説明】
近未来、人間とアンドロイドが共に暮らす世界。
博士の息子・結惟と、彼のために造られたアンドロイド・若。
感情を持たないはずの人工アンドロイドの若。けれど若は、設計図にない“感情チップ”を内に秘めていた。
それは「愛する」という感情そのもの。
結惟は若とともに、現実と仮想、両方の世界を過ごす中で、「本物の感情としての愛」を望むようになっていく。
人間としての感情と、人工としての感情。それが一つに重なったとき、二人は人と機械の境界を越えていく――。
【登場人物紹介】
結惟(ゆい)
博士の息子。繊細で優しい青年。
若のマスターであり、若を本気で愛するようになる。
若(わか)
結惟の両親が造ったアンドロイド。
最高傑作の名に相応しく、恋人としてのムーブも完璧だが…。
律(りつ)
博士の助手。良くも悪くもノリが良い。
結惟と若の見守り役。
心(こころ)
律の弟。結惟の両親と一緒にアンドロイドの研究をしている。
感情回路を作成するのが得意。
シオン
心が所有するアンドロイド。
3体のアンドロイドの中では、恐らく一番人間に近い生態をしている。
きり
律が所有するアンドロイド。
変形型で、人間型や動物、なんにでも変幻自在に形を変えられる。
惟織(いおり)
結惟の父。人工知能の研究者。
穏やかで物腰の柔らかい人物。
真希(まき)
結惟の母。若の製作者権限を持つ。
訳あって、結惟には亡くなったと伝えている。
和奏(わかな)
若の製作者の一人で、若のベースを造った人物。
【プロローグ】
車を降りると、使用人たちが次々頭を下げる。
「おかえりなさいませ、坊っちゃま」
「おかえりなさいませ」
「おかえりなさいませ」
長い廊下の先にたどり着くと、執事のじいやが待っている。
「おかえりなさいませ、坊っちゃま」
「ただいま、じいや」
「旦那様から誕生日の贈り物が届いております」
じいやが告げる。
「本当っ!? どこどこっ」
「こちらに御座います」
じいやが開けた扉の奥では、青年が二人お茶を飲んでいた。
内、一人は父が兼ねてより信頼している律だ。
もう一人は、知らない外国人。
「律さんっ! 久しぶりっ」
僕は喜んで律さんに飛び付く。
「久しぶりだなぁ結惟、一年ぶりか? 大きくなったな」
律さんは僕の頭を撫でてくれる。
「律さんがプレゼント持って来てくれたの?」
「あぁ、コレ」
律さんは隣の外国人を指さす。
僕はキョトンとしてその人を見た。
「博士が結惟の為に作った、夜用アンドロイドだよ」
「……夜用?」
外国人は僕の前に来るとひざまづいた。
「初めまして。我がマスター、結惟様。私は惟織博士によって作られた夜用アンドロイド、DW-M型NO.0403-0528と申します」
「……はぁ……」
思わず間抜けな声を出してしまう。
夜用アンドロイドって何? ……の前に名前、何?
「えぇっと……粟嶋結惟です。アンドロイド……さん? 名前は?」
「DW-M型NO.0403-0528です」
「……じゃなくて、大体父さんは自分の作品に愛称をつけるんだけど……」
「通称、『惟織の若い時』と呼ばれていました」
……今回は自分のネーム入りかい……。
僕はいつものように白けた。
有名な発明家で、研究のために普段は離れて暮らしてる。そんな父が送ってくるプレゼントだから、どんなものかと思ってたけど……。
「……すごいなぁ。……どこから見ても人間だよね……」
髪なんてサラサラの金髪だし。目は深い青色。整った美青年……。
「今の博士の中で、最も優秀な作品だよ」
「よろしくお願い致します、マスター」
通称『惟織の若い頃』は丁寧に頭を下げる。
「止めてよマスターなんて。恥ずかしいから。結惟って呼んで」
「しかし……」
「僕も君のこと……、そうだ、若って呼ぶから」
いくら通称が『惟織の若い頃』って言っても、親と一緒な名前じゃ嫌だもん。
「ね? よろしく若!」
「はい、結惟様」
僕の差し出した手を若は丁寧に取って口付ける。
一瞬すごくびっくりしたけど、……忠誠のつもりだよね、多分。
こうして、僕とアンドロイドの若の生活が始まった。
――アンドロイド×人間。
エロ多め、性癖てんこ盛り、よければどうぞ!
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