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ネガティブな感情⑤

 僕を支えてくれる人たちの協力があったおかげで、今のように楽しみながら活動ができている。 「よし! いつまでも、うじうじと悩んでいても仕方ない。今できることを、やっていかなくちゃ!」  次の配信用のお菓子のレシピを考えるため、命の次に大事といっても過言ではない、自分専用のレシピノートを開いた。  ページをパラパラとめくりながら、何を作ろうかと考える時間。  それは至福の時なのだけれど、集中しすぎたせいで寝不足になることもしばしば。  ただでさえ昨夜はほとんど眠れなかったから、早めに寝ようと思っていたはずなのに。  ……明け方近くまで次のスイーツのテーマを考えるのに没頭し過ぎたせいで、気付けば僕は机の上に突っ伏すみたいにして、寝落ちてしまっていたのだった。 ***  その週の、木曜日。学校に着くと大路君は珍しくひとりで席に座ったまま、熱心にスマホで動画を見ていた。  もしかしたらと思い、こっそり彼の背後にまわってその画面を確認する。  するとそこに映し出されていたのはやはりというべきか、魔法使い りとるが抹茶のサブレを作る動画だった。  なんともいえない微妙な気分になり、そっとその場から離れようとする僕。  だけど僕の存在に気がついた大路君は、いつもみたいにまばゆい笑顔で挨拶の言葉を口にした。 「おはよう、佐藤!」  だから僕も、あわててそれに答えた。 「おはよう、大路君。……りとる君の動画を、みていたんだね」  スルーするのもかえって変な気がしたから、自分からその話題に触れた。

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