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第22話 ふたりだけの蒸気の中で ※R-18

バスルームも、広くて豪華だった。 ガラス張りのシャワーブース、大きなバスタブ。 「……うわ、ホテルのスイートルームみたい」 「気に入った?」 「……ああ」 「よかった」 輝がシャツのボタンを外し始める。 スーツを脱ぎ、ネクタイを外すと、鍛えられた身体が露わになって思わず目を逸らす。 「ほら、圭も脱いで」 「わ、わかってる……」 恥ずかしがりながら、俺も服を脱ぐ。 輝の視線が俺の身体を見ている。 「……おい、見るな」 「見る。お前の全部、見たいから」 「なんだよそれ…」 シャワーブースに入ると、輝が後ろから抱きついてきた。 「ちょ、おま……」 「圭、背中流してあげるよ」 温かいお湯が身体に降り注ぐ。輝の手が、丁寧に俺の背中を洗っていく。 「気持ちいい?」 「……うん」 本当に気持ちいい。優しい手つき。適度な力加減。 「よかった」 輝の手が、少しずつ下へ移動していく。 「ちょっと……!」 「ん?」 「……そこは、自分で洗える」 「でも、俺が洗いたい」 「は!?」 輝が耳元で囁く。 「全部、俺に任せて」 「……っ」 身体が熱くなる。輝の手が、俺の身体を丁寧に洗っていく。 お腹、脇腹、そして――。 「んっ……」 敏感なところに触れられて、思わず声が漏れる。 「圭、可愛い声」 「……やめろ」 「やめない」 輝の手が、さらに下へ。 「あっ……」 「ほら、ここも洗わないと」 「自分で洗える……っ」 「ダメ。全部、俺が洗う」 輝の手が、俺の身体の隅々まで洗っていく。 恥ずかしいけど――でも、不思議と嫌じゃなかった。 むしろ、身体が勝手に反応してしまう。 「圭、感じてる?」 「……っ」 答えたくなかった。でも、身体は正直だ。 「今日から、毎日こうやって一緒にお風呂入ろう」 「……毎日?」 「毎日」 輝が俺の首筋にキスをする。 「んっ……」 「圭の身体、全部俺が知ってる」 「……っ」 「どこが敏感で、どこを触れば気持ちよくなるか」 輝の手が、的確に俺の敏感なところを攻めていく。 「やっ……そこ……」 「ここ?」 「……っ」 膝が、ガクガクと震える。 「大丈夫。倒れそうになったら、俺が支える」 輝の腕が、しっかりと俺を支えている。 輝の声が甘くて、けれど強引で。 太ももに当たる硬い存在に気づいた。 勃っていて、じわりと疼く熱が伝わってくる。 「ちょ、輝、勃ってんだけど……」 「当たり前じゃん。圭がこんな姿見せてくれたらさ」 輝の言葉に、俺は思わず固まった。 どこか含みのある響きに、胸の奥がドキッとした。 その瞬間――輝の手が、バスルームの棚に置いてあったボトルに伸びた。 「圭、触るよ?」 耳元に落ちた低い声に、背筋が震える。 冷たい感触が肌に乗せられて、それが体温に溶けていくみたいに、 じんわり熱を帯びてきた。 「力抜いて?」 「……あ、ぁっ……」 輝の指先が、ゆっくりと撫でるように滑っていく。その動きに合わせて、息が勝手に漏れてしまう。 「んっ、ぅ……」 周囲を撫でられて、じらされるような熱がこもる。 そのあと柔らかい感触がして、輝の指がゆっくりと俺の中に押し入ってきた。 「っ、あ……や、っ……」 息が詰まりそうになる。 でも、輝のもう片方の手がそっと腰を押さえていて、引こうとした身体は逃げられない。 内側を探るように押し広げられて――指を抜き差しされるたびに、中が熱くなっていく。身体の奥が、輝の指の形を覚えていくみたいで、息が漏れた。 「っ……、……あぁ……」 「後ろ、見て」 「……は?」 言われた意味がすぐにわからず、戸惑いながらもゆっくりと振り返る。 視線の先――そこにあったのは、全身が映るバスルームの鏡。 映っていたのは、顔を赤くして、お尻を突き出した姿勢の俺。 輝の指を奥まで咥えこまされて、僅かに震えているその情けない姿が、はっきりと映し出されていた。 「……っ、な、……」 鏡の中の自分に目を逸らしたくなるのに、輝の手がそれを許してくれなかった。 「えっちだね」 「っ、ばかっ……!!」 恥ずかしすぎて、声が大きくなった。 最悪だ。こんなの、見られたくなかったのに。 身体の芯まで火がついたみたいで、顔から耳まで真っ赤になる。 「かわいい」 「っく……っ」 耐えきれずに目を逸らした瞬間―― 輝の指が中でぐっと動き、前立腺をさする。 「あっ……! あ、ん……」 とろけそうな声が勝手に漏れる。 そして、もう一本。増やされた指が、またぬるりと奥へ潜り込んできた。 「あっ、あっ……だめ……っ」 言葉とは裏腹に身体は震えて、鏡の中の自分がまたひとつ、知らなかった表情を浮かべていた。 何本か指を押し込まれて、中を掻き回される。 その感触がただただ気持ちよくて、堪えきれずに甘い声が漏れた。 「あっ……あぁ、そこはっ……」 「ここだよね。圭が感じる場所……」 低く囁かれるたびに、羞恥がこみ上げてくる。 このままじゃ、本当にわけがわからなくなりそうで――気持ちよさと恥ずかしさで、頭がおかしくなりそうだ。 「輝……もう……」 「もう少し、我慢して」 「無理……っ」 「じゃあ、ベッドに行こうか」 「え……?」 輝が、シャワーを止めた。

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