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スピンオフ 音原美弦の受難③

3 決心した僕 「は?‥じゃ、なんでお前、こんなところでこんなことしてんだ?」 美弦は、目の前の美しい顔の迫力に思わず目をつぶりながら恥を忍び答えた。 「け、健康な、高校生の、性的衝動の解消です!!」 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥。 静かになった。 怖くてちょっと目を開けられない。鳴がどんな呆れた顔をしているのか、まだ見たくない。 ていうか、呆れて離れてくれたかな? ‥‥‥‥‥‥‥‥。 いや、わずかに吐息がかかってる!まだ直近距離にあの顔がある! そう確信した美弦は、つぶっていた目をさらにぎゅむっと強くつぶった。 その時、美弦の唇を何かがべろりと触れていった。 「‥‥‥‥‥‥…は?」 驚きのあまり思わず目を開けた。 眼前にはやはりいまだに、あの恐ろしく美しい従兄の顔があった。ぺろ、と舌先がその唇を舐めている。 いや、待って、まさか今、鳴兄に唇舐められた‥? 「性的、衝動の、解消、ねえ」 わざわざ嫌味ったらしく、一語一語区切って鳴は繰り返した。その顔に先ほどまでの怒りの感情はなかったが、その代わり、愉悦、と呼ぶしかないような表情が浮かんでいる。 あ、これ、泣かされるやつだ。 美弦は、その昔、鳴に泣くまで追いかけられたり嫌がらせされたりした頃の事を思い出した。 あの時と、全く同じ顔をしている。 「そーいう楽しいことは、優しい親戚のおにーちゃんが、教えてやるべきだよな?」 ‥こわ‥。 そう思った瞬間、鳴はぐっと美弦の後頭部に手を挟み込んで引き寄せ、噛みつくようなキスをしてきた。 「ん、んん~!」 唇のあわいに厚い舌を這わせられ、思わず開けるとぬるりと中に舌が挿し込まれた。唇のすぐ内側をなぞるようにずるりと舐めまわされ、美弦はぞくぞくぞくっと背中に何かが奔り抜けるのを感じた。 下半身に熱がこもる。 鳴の舌は、美弦の小さな舌の表面をずるずるとなぞり、それから上顎をべろりとなぞった。お互いの唾液がお互いの口の端から零れていく。鳴は口を離して零れた唾液もぺろりと舐めた。 酸素が足りなくなって、はあはあと息を荒げている美弦の顔を覗き込んだ鳴が、にやあっと嗤う。 「おい、きもちいいか?高校生」 その艶めかしい顔と声が、美弦の陰茎を直撃した。ぶる、と勃ち上がったそれを見てふっと嗤いながら鳴はソコへ顔を近づけた。 「え、え、鳴、に、嘘、うそ‥」 ぱくり。 「ああああ!」 生暖かい粘膜に包まれた陰茎から凄まじい快感がのぼってくる。れろっと舌で裏筋を舐めあげてから唇全体を使って陰茎を扱かれた。 「あ、あ、だめ、ダメ、めいにい、で、でちゃ、でちゃうぅぅ」 「らせよ」 「いいいい、しゃべ、ん、な、でぇぇ」 びくびくっと身体を震わせ美弦はイッた。腕からは力が抜けてしまって、抱えていた美弦の服やローションのボトルなどが床に散らばっている。 ごくり、と美弦の精液を飲み下した鳴は、膝立ちのまま口の横をぐいと拳でぬぐってからジャケットを脱ぎ捨て、シャツも脱いで上半身裸になった。 音楽奏者とは思えないほどの、引き締まった筋肉に覆われた身体は、いっそいやらしかった。 法悦の中でぼんやりしていた美弦は、その鳴の身体を見て、無意識に「エロ‥」と呟いていた。 そう言った美弦の顎をくいっと持ち上げ、また鳴は深いキスをして美弦の舌をぢゅううっと吸い上げる。 ちゅぷ、と湿った音とともに唇を離し、もうとろとろになってしまっている美弦の耳を甘噛みしながら囁いた。 「美弦‥‥お前の処女、俺がもらってやるからな?」 「ああ、あ、あ、あん、んん~~~っ、む、むりぃ」 「無理じゃねえよ、ほら、イイだろ、いい時はいいって言えよ」 「あんっ、は、はあ、は、だめっ、あああ、またいく、いっちゃうううう」 「その為にこれ買ったんだろ?ほらイケよ」 「んあ~~~!」 横向きに寝転がされた美弦の後孔には、さんざん迷った挙句使わなかったあのアナルバイブがじゅぼじゅぼと激しく抜き差しされている。 一応、初心者向けのものを買ったので大きさはそこまでなかったのだが、自分の手と違って他人の手で遠慮なしに抜き差しされるそれは、容赦なく美弦の前立腺を突き上げていた。 もう三回はイカされている。 そして玩具で責め立てられている間にも、鳴はローションを美弦の胸に垂らしてささやかな乳首を弄っていた。ぬるぬるとした液体の助けを借りれば薄い乳暈の中におさまっていたはずの乳頭がぷくりと勃ち上がってくる。ほんの少ししか勃ち上がっていないそれを、鳴は人差し指の先でやわやわと刺激しながら捏ね回した。 「んん、あひいい!」 乳首からもぞわぞわぞわっと快楽が押し寄せてきて背中を突き抜け、そこからまた下半身へ戻っていく。触られていない陰茎は緩く勃起したまま美弦の腹でゆらゆら揺れながら時々とぷ、とぷと何やらの液体を吐き出していた。 トレーナーを首下までまくり上げられ、乳首をローションまみれにされて赤くなるまで弄られながら、後孔の刺激で腰をひくひく動かしている美弦の姿は、何とも言えず淫猥だった。 美弦は決して顔立ちが整っているわけではなく、どちらかといえば平凡な顔なのだが、快楽に蕩けて唇を半開きにしたまま目を潤ませているその姿は、見るものの官能を刺激する何かを持っていた。 鳴もその淫猥さを見て、自分の陰茎がガチガチに猛っているのを感じている。 このかわいい従弟の事を、昔から鳴は気に入っていた。美弦にとっては悪夢のような出来事であっても、鳴にとってはかわいい美弦と楽しく遊んだ思い出になっている。鳴は特に、美弦が泣きそうになっている顔を見るのが好きだった。その顔を見ると何とも言えずゾクゾクとした快楽を感じたのだ。 だから事あるごとに美弦を泣かすような真似をしてきたわけだった。 「はあッ、あ、あッ、ダメ、ってば、めいにぃぃ、ああああ」 今目の前でひっきりなしに嬌声をあげている美弦が、鳴にはたまらなくいやらしく淫らに自分を誘うものに見えていた。 快楽ですっかり蕩けているのがたまらなく可愛い。もっともっと蕩けさせたい。喘がせて泣かせたい。 「泣けよ美弦、お前の泣き顔好きだぜ」 そう言って、赤くなって腫れ上がってきた乳首をがりっと強めに噛んだ。 「ひいいい!」 びくびくっとまた美弦が身体を痙攣させる。 ああ、かわいい、かわいいなくそ。 「おら言えよ、俺の‥鳴兄のちんこを美弦のお尻に入れてくださいって」 じゅぼじゅぼと荒っぽくアナルバイブを出し入れしながら耳元で鳴が囁く。美弦は、途切れない快楽に苛まれながらも脳内で (うわちょっと待ってリアルBLの鬼畜責めが身内にいたんだけどぉぉぉ!!) となっていた。 そもそもなぜ鳴が怒っているのか、自分を性的に責めてきているのかその因果関係が美弦には全くわからない。さっきから何度もイカされて、過ぎた快楽に身体は少しつらくなっては来ていたが正直気持ちよすぎて美弦はもうどうでもよくなって来つつあった。 (だめだ僕やっぱりお尻の才能あったのかも‥きもちよすぎてむりぃ、ああ) 「あひ、ひん、めい、にい」 「言えよ、美弦。そしたら俺のちんこぶちこんでやっから」 そう言ってべろりと鳴は美弦の臍を舌で舐めこじった。そこからも間違いなく快感が拾われて下半身がきゅうきゅうしているのがわかった。 「おまえのまんこ感じてんじゃねえか。締め付けすげえな。バイブが食われてるぞ」 抜き差ししているとその食い締めがわかったのか、鳴がそんなことを言ってくる。自分でもそれはわかっていたので恥ずかしかった。 鳴はまたべろりと臍を舐めながら、右手でデニムの前を開けて緩め、自分の陰茎を取り出した。 それはまさに、ボロン、という擬音がふさわしいほどの立派な逸物だった。 それを見た美弦は、 (ああ、今でも、こんなにきもちいいのに、あんな鳴兄のちんこなんて挿れられたら‥) と考えてしまい、またアナルがきゅうッと締まるのを感じた。 それを察した鳴がにやにやと笑う。 「美弦、俺のちんこ見て昂奮したのか?欲しいだろ?言えよ、ちんこ挿れてくださいって」 鳴はまた美弦の顔に近づいてきた。快楽のあまりはっきりと開けられない目でぼんやりとそれを感じる。ふっと耳に息を吹きかけられ「あっ」とまた喘いでしまう。そんな美弦の瞼や頬にキスを繰り返し、最後にまた美弦の唇を食べるようなキスをしてきた。そして美弦の唇の表面を舌先でれろおっと舐めた。 (あ、ひもちい‥‥) ぞくぞくと陰茎に熱が籠るのを感じる。アナルもきゅうっと締まった。口の中も舐めてほしくて、美弦は思わず舌を差し出した。 差し出された舌を、鳴は見つめてニヤリとまた笑う。自分の唇で美弦の舌を挟むようにして愛撫してやると美弦は焦れて唇ごと押しつけてくる。 望み通り、美弦の口の中を蹂躙してやると美弦はまたくたあっと身体の力を抜いた。 「めい、に、きもちいい‥」 「ん、そうか」 くちゅくちゅとキスを繰り返し、舌を絡めて吸ってやる。美弦の蕩け切った顔がかわいすぎて、鳴の陰茎はもう限界を迎えそうだった。思わず自分の右手で扱けば先走りがどろどろと垂れてきていてもう陰茎全体がぬるぬるになっている。 「言え、美弦」 「めい、に、の、ちんこ‥‥僕に、挿れてぇ‥」 「‥‥ふっ、よく言ったな」

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