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国を追われたダークエルフの王子は双子の野生児盗賊の媚薬調教から逃げられない

 身体の中からごきんと嫌な音がした。ラザヴェイル……白い髪のダークエルフは足を滑らせて落ちた谷底に痛々しく横たわり、自分の青紫色の足がありえない方向に曲がっているのを見て絶望する。遅れて襲ってくる激しい痛みに身を捩る彼の頭上に、無慈悲な雨が激しく降り注いだ。 (くっ、どうして俺がこんな目に……!!)  痛みに霞むラザヴェイルの目は透き通ったアクアマリンのように青い。その美しい輝きを涙で歪ませて彼は歯を食いしばった。篠突く雨が哀れなダークエルフの体温を無慈悲に奪い、冷えによる痺れで動かない指では這って雨をしのげる場所を探すこともできなかった。 (ああ……俺はここで死ぬのだ……一国の王子であるこの俺が……!!)  薄れゆく意識は鋭い痛みを鈍らせてくれる。最低の状況の中でそれだけがかろうじての慰めだった。そんな中もうぴくりとも動けないラザヴェイルの耳に、人の声が聞こえた。 『おいユボラ。なんか見たことないやつが落ちてるぜ。青くて白くて綺麗な石みたいだな』 『そうだなあ、サスラ。オレたちが拾ったらそれはオレたちのものだよな。拾って帰ろうぜ!』 『いい考えだ! もうおれたちのだぞ』  二人の男の言葉はラザヴェイルの知らない言語だった。彼らの会話の意味を考える間もなく、ラザヴェイルの意識は闇に落ちて行った。 「ラザヴェイル殿下、逃げてください。捕まればあなたは奴隷にされます。地上へ、どうか地上へ逃れて生き延びてくださいませ!」  ダークエルフの棲む地下世界では異なる二つの国が戦争をしていた。ラザヴェイルの国の敗北が決まった時、ずっと育ててくれた爺やが命からがら彼を地上へと逃がしてくれた。しかし、地下から一度も出たことのないラザヴェイルは薄曇りでも明るい地上に目がくらみ、やみくもに逃げ回った末に谷底に落ちてしまったのだ。 「うう……爺や……。助けてくれ……ぐっ、ううっ?」  ずきんとまた足が痛み、ラザヴェイルは夢から醒める。ぼんやりと開いていく瞳に焚火の灯りがまぶしく揺らめいた。冷たくびしゃびしゃの谷底ではなく、屋根のある場所にいるらしい。その状況を理解して安心する間もなく、彼は自分が全裸でなおかつ手足を高く掲げてロープで吊るされるというとんでもない姿で拘束されていることに気が付き目を見開いた。どうやら洞窟であるらしい地面の床に重ねた毛皮の上に背中がついているので、身体ごとぶらぶらと吊るされているわけではないのだが、大きく足を開かされた恥ずかしい格好を崩すことができない。ロープは何か重いものに固定されているようで暴れて引っ張ってもぎしぎし軋むだけでそれ以上どうにもできなかった。 「だ、誰だーっ!! 俺をこんな風に辱めるのはっ!! 俺は王子ラザヴェイルだぞ! 出て来い! 殺してやるッ、ぐうッ! 痛いッ!」  ダークエルフの王子であったラザヴェイルは魔術を得意にしていたので手足が使えなくても、武器がなくても戦えるはずだった。しかし魔術を使うためには意識を集中させる必要があり、ずきずきと絶え間なく痛みが襲う状態ではうまくできなかった。 『あ、起きた。なんか怒ってる?』 『足が痛いんだろう。ぼっきり折れていたからな。痛み止めをやればおとなしくなると思うぜ』  大きな声でわめくラザヴェイルの側に人影が二つ現れた。怒りを押し殺して彼が頭を持ち上げると、足元で髪と髭が伸びてぼさぼさの男が二人何やら話している。日焼けした肌は健康的な褐色をしていて、ダークエルフしか見たことのないラザヴェイルは二人が初めて見た地上の住人で、自分はそれに捕らわれてしまったのだと察した。 「触るなぁ! クソぉ!! あっちへ行けッ!!」 『うるさいなあ、今痛み止めやるからちょっと黙れよ』 『おれらの頭が痛くなっちゃう、おとなしくしろッ!』  べちん! 「っがあぁあぁああぁ!!!!!!!」  片方の男がラザヴェイルの折れた足を軽く叩いた。そのあまりの痛さにラザヴェイルは絶叫する。 『サスラぁ。折れた足叩いたらかわいそうだろ、やめろよ』 『どうせこのあと痛くなくなるんだからいいだろ、ほら、今のうちに早く入れろよ』 『そうだな、ほーら、おくすりですよ~』 「ん゛ッあッ!!!???」  足の痛みに身をよじり叫んでいるラザヴェイルの肛門に突然何か木の棒のようなものがずぷっと差し込まれ、予想もしなかった刺激に驚いた声が上がる。 「な、なにをする……。そんなところに何を入れている……抜けぇ……」 『なんか思ったより簡単に入った。ケツ使ったことあるのかな』 『でも綺麗な穴してるよ。うんこでかいんじゃね?』 『こんな綺麗な顔してるのにうんこがでかいのかあ。それは結構興奮するなあ』  言葉が通じない二人はラザヴェイルの言葉を無視してくすくすと笑い合っている。何を言っているのかわからなくても無様な姿を笑われていることが耐えがたく、ラザヴェイルは痛みと屈辱に耐えながら魔力を練ろうと試みた。しかし、謎の棒をぬぷぬぷと出し入れされているうちにだんだん頭がぼんやりしてきてしまい、結局練り始めた魔力はすぐに霧散してしまった。 (あ……あれ……? なんだ……。さっきよりも棒が柔らかいような……それに、出し入れされるたびにじんじんと暖かくて……気持ちいい……?)  女性上位社会であるダークエルフの男性においてセックスは全て女性への奉仕である。その息抜きとして、男性同士での戯れはよくあることだった。高貴な血筋であるラザヴェイルはその際、受動的な立場に置かれることはなく差し出された男体を能動的に犯すことしかしたことがなかった。だから肛門での快感は知らない身なのだが、ちょっと棒を入れられただけで快感を得ている。 「あ……なにこれ……変……ちんぽ硬くなるぅ……」 『ぼんやりしてきたみたいだな。かわいいな』 『痛すぎる怪我にはアルラウネの根っこをクソ穴にぶち込むに限るからな。ほらほら、気持ちいいな?』 「お……おお……おん……♡」  ラザヴェイルの感覚がおかしくなってきた。肛門と性器ばかりが敏感で、それ以外は全部ぼんやりとあいまいになってくる。足の痛みは耐えられる程度に和らぎ、激しかった怒りと屈辱も鈍ってきた。頭も熱に浮かされているようにぼーっとして、視線も定まらない。 「やめ……それ何……意識が……どろどろに……、ほじほじ、だめ……イく……♡」  ラザヴェイルは腰をびくびくと痙攣させると屹立した青い陰茎からとろとろと甘く吐精した。雄々しい高貴な王子にあるまじき情けない射精だった。 「おっ……おっ……おおぉ……」 『あーたまんねえ。根っこ引っ張るたびにクソ穴めくれあがってエロすぎる』 『入り口は青いけど中はちゃんと肉色してるな』 『サスラぁ。オレ先に挿れていいよな』 『いいよユボラ、おれ、顔でシコって待つから。あー、舌はみ出したトロ顔かわい~』 『そんじゃ、おじゃましまーっす……』  ぷちゅ……ぬる……っ、ずぷぷぷぷ……ッ。 「おんっ……おっ、おっ、おおぉおぉぉ……♡」  ユボラと呼ばれた方の男がアルラウネの根をラザヴェイルの肛門からちゅぷんと引き抜くと、すぐにガチガチに勃起した一物を押し当て、めりめりと中に押し入った。根っこの成分が効いているおかげで無理やりの挿入の痛みは感じず、気持ちよさだけが容赦なく襲って来て、ラザヴェイルは仰け反り、舌を出して感じ入った。そんな彼の口元にもう一本の一物が差し出される。垢じみた雄の臭いが鼻をついたが、今のラザヴェイルにはそれすらも快感のスパイスにしかならなかった。 『宝石ちゃん、おれのちんぽぺろぺろしてよ~』 「すぅ~、ふっ、くっさ……♡ くっさ……鼻にくる……♡ おおっ♡ 肛門ちんぽもやばい……っ、ケツが勝手に締め付けてしまうッ……、ごりごり……すご……♡」 『アへりすぎて駄目だろ。そのうちしてくれるようになるよ。とりあえず優しくぬぷぬぷしてやるから一緒にイこうな~♡』 「おおッ……、これッ、だめぇ……♡ 俺は王子なのにぃ……肛門犯されてイくぅ……♡」  焚火でちらちらと照らされた洞窟の壁でよがるラザヴェイルと二人の男の影が踊っている。ラザヴェイルはそのまま二人に犯されぬいて、絶頂の中意識を失った。疲れ果てたラザヴェイルにその気絶はやさしい眠りをもたらした。 「足がいたい……、早く根っこをよこせ……」  あれから一か月、ラザヴェイルは二人に毎晩のように犯されて過ごした。最初の日の次の朝、怒りと誇りを取り戻した彼は近くで眠っている二人を魔術で殺そうと思ったが、昨日はよく見えなかった自分の折れた足に添え木が当てられていること、手足を縛っているのは暴れないようにだが、吊るしているのは骨折を保護するためであることに思い至り、このまま足が折れた状態でこの洞窟を出ても生き延びられる確率が低く、犯されるという屈辱はあるが二人に自分を手当てして世話する意思があることを考えて今はおとなしくしている方が賢いと判断した。  二人はラザヴェイルをかいがいしく介護し、アルラウネの根っこを肛門に施す。それはラザヴェイルにとって唯一の娯楽で、痛みが楽になるのもそうだがその後にくる法悦と快感が待ち遠しくて、痛みが耐えがたいという言い訳を用いながら自ら根っこの使用をねだるようになっていた。 「ちんぽぺろぺろしてくれるようになったね~」 「根がスケベなんだろうな。ちんぽずぼずぼ気持ちいいか?」 「ぶはッ、おっお~ッ♡ 肛門ちんぽずぼずぼ気持ちいいッ♡ もっとずぽずぽするのだッ! 俺は王子だぞッ! おほぉおぉ♡ そこぉ♡ サスラッ! 貴様の反り返りは俺のイイところによく引っかかるぞッ! 褒めてやるッ♡ おイぐッ♡ そこばっかり突いたらイぐッ♡ イっぐうぅぅうぅ!!!!」  じょろ、じょろろろろ……。 「あ、空イキしょんべんじゃん。最近勃起しないでイくようになったよな」 「イくときお漏らしするの癖だな。可愛いけど片づけめんどくせ~」 「そういえばほんとにうんこ太いよな」 「あんがいもりもり食うもんな。足の骨、早くくっつくかもな」 「おほぉおぉ……おーっ♡」  精液と小便まみれのラザヴェイルに王子の面影はないが、本人は王子である誇りを失っていなかった。彼は酩酊の合間にも二人の会話を聞き、繰り返される単語を覚えて少しなら意思の疎通ができるようになっていた。この洞窟の主の名前はユボラとサスラという兄弟だった。明るい所で見ると二人の容姿はかなり似ていて、少しだけ背が低い方が兄のユボラ、すっとしたほうが弟のサスラであるようだった。  彼らは時々ラザヴェイルを置いてどこかへでかけて行く。肛門にアルラウネの根っこを挿しっぱなしにされているラザヴェイルはもう手の拘束を解いても暴れず、ぼんやりと天井を見上げて時々物憂げに手で根っこをじゅぷじゅぷと出し入れしながら陰茎を弄るなどして考え事をしていた。 (俺はいつでも人前では気高く凛々しくしていなければいけなかった……思えばこんなに自堕落に暮らすのは初めてのことだ……。女王……お母様は王子として俺が国に貢献したときだけしか微笑みをくれなかったが、ユボラとサスラは俺が何もしていなくても俺を愛でる……。こんな扱いは初めてだ……おっ……イく……♡)  ラザヴェイルにとって、双子とのセックスはもはや日常だった。食事や睡眠の延長にある、スキンシップ。それは彼にとって心地よく幸せすら感じることだったがまだそれを双子に悟られたくないと思っていた。 「ただいま~ラジィ~。あ、またシコってる! スケベだな~」 「うるさい……俺はラザヴェイルだ……ラジィと呼ぶんじゃない」 「覚えらんねえ。いいじゃん、ラジィで。お土産持ってきたから許せよ~」  つんつんとしているラザヴェイルの首にユボラがラピスラズリのついた首飾りをかけてくる。どうやらどこかの婦人でも襲ってきたようだった。二人は盗賊なのだ。 「戦利品か」 「そうだよ~。それ、今日殺した女からもらってきたやつ」 「きれいだろ。ラジィの髪の色によく合う」 「ふん……悪くない。食い物はあるのか。腹が減ってしかたない」 「寝てシコってるだけなのに随分えらそーね」 「まあ、ラジィはおれらの宝石だからな。ここにいるだけで偉い」 「足が吊るされているのだ、何もできなくて当たり前だろう。そして俺は実際偉い。王子だぞ」 「はいはい、王子様王子様」 「飯を食ったらまたアルラウネの根っこを寄越せ。もうそれからは成分が出ない。まだ足が痛いんだ」  ラザヴェイルが痛み止めよりも、肛門の快楽を求めていることに双子はもう気が付いていた。おそらく彼は根っこがなくても犯せば涙を流してよがり狂うだろう。しかし二人はそれをわざわざ指摘したりはしない。可愛い肉便器が自分たちの洞窟にいるのが嬉しいからだ。 「まだ足が痛いなら歩いてどっかにいかないよな」 「そ、そうだ。痛み止めがなければ何もできないのだ」 「じゃあロープ外しても逃げないよな。逃げるなら根っこやんないよ」 「わかった、逃げない。逃げても行く所がない」 「よし、じゃあ飯にしよう。それからいっぱい可愛がってやる」 「……っ」  長い前髪の下から見つめてくるユボラの視線だけで、ラザヴェイルの腰がずんと重くなる。足のロープが外され、裸に首飾りだけの姿ではあったがラザヴェイルは初めて双子とおなじ焚火を囲んだ。 「もういいだろ。早く根っこをくれ」 「いいよ。ケツ出してそこに四つん這いになりな」  食事を終え、団欒ムードになっていた双子にラザヴェイルが声を上げるとユボラによって屈辱的な姿勢をとるよう指示がでる。ラザヴェイルは他人の前で膝をついたことがない。しかし排便も見られた相手の前でもう何も出し渋ることはない。折れた脛を庇いながら毛皮のシートの上に膝をつき、尻を高く上げて這いつくばった。 「は、はやく……」 「しょうがねえなあ。ほら、たっぷり味わいな」 「ほおぉ……♡」  無様に四つん這いになり肛門に細長い根っこを受け入れ、ぬぷぬぷと出し入れされてラザヴェイルは心底幸せそうな声を上げた。出がらしの根っこを自分で出し入れされるより新鮮なそれを双子の手で緩急をつけて塗り込めてもらうのが一番気持ちいい。青黒い陰茎をぷるぷると震わせて仰け反るラザヴェイルの顔の前にサスラの陰茎がぬっと差し出された。 「舐めな。王子様」 「んおぉ……れろぉ……♡」  肛門をほじられて痙攣しながら長大な陰茎を根元から舐め上げるラザヴェイル。ただ自分に快楽を与えてくれる男たちの陰茎が愛おしく、それを舐めることなんかもうなんでもない。だけどそれを口にするほどプライドを手放せない。肛門快楽をねだり口淫を施すことよりも、自分が双子に絆されていることを認めるのが恥ずかしいのだった。 「ほら、ほんとはこっちのほうが好きだろ? お待ちかねの肛門ちんぽだぞッ!」 「んっほぉッ♡ ま、待ってなんかないッ、オオッ♡」 「あー、まだぺろぺろの途中なのにガン突きすんなよユボラッ」 「もう待てねえんだよ、このクソ穴気持ち良すぎるんだよッ!」 「肛門ずぼずぼだめぇ! すぐイぐッ♡ おほッ♡ おほッ♡ おッほおぉおぉんッ♡♡」 「ずるいぞユボラ、おれもクソ穴に入れるッ!! 抱え上げろよッ!」 「おっ、二本一気行くか!」 「えッ!? へえぇっ!? 二本一気!? だめッ! 裂けるッ!! むりぃ!!」 「大丈夫大丈夫、ラジィうんこすげー太いからちんぽ二本くらいよゆーよゆー」 「ひいぃぃ、ひどいッ!! 俺は王子なのにぃいぃッ!!!!」 「よっと……ほら、挿れろよサスラ」  四つん這いになっていたラザヴェイルのひざ下に両手を入れたユボラが子供に小便をさせるような姿勢で抱え上げる。奥まで陰茎を咥えこんだままのラザヴェイルの肛門がサスラに向けて差し出され、サスラの亀頭がそこへ押し込まれていった。 「おぎぃいぃぃいぃぃ!!!! ぐおおぉぉぉ!!!!」  みぢみぢと押し広げられる肛門に二本の太い陰茎がずっぽり嵌り、膀胱を激しく刺激されたラザヴェイルの萎えた陰茎からじょろじょろと小便が漏れた。 「あっ、腹あったけー……ラジィまた漏らしてる」 「しょうがねえなあオレらのお漏らし王子は……」 「こ、壊れるぅうぅ、壊れちゃうううぅぅ……♡」 「いーぞお、壊れろよ。クソ穴閉じなくなってうんこ垂れ流しになっても世話してやるからなあ」 「だめぇえぇ!! 垂れ流しだめえぇぇ、俺は王子なのにぃいぃ!!!」 「そんなこと言って、今ケツがぎゅっと締まったぜ」 「ちんぽも硬くなったぞ」 「想像して興奮しちまったか? 変態だなぁ~」 「ふううぅぅ……ッ♡」  二人ががかりで犯しぬかれて、脳みそをばちばちと弾けさせ、ラザヴェイルは両耳から流し込まれる双子の未来予想図を否定しながらも、もしかしたらそれはとても幸せなのかも……、と思い絶頂した。 「ああ~、生き返る~」 「ザーメンと小便で汚かったからなあ」 「ラジィ、気持ちいいか?」 「……ん」  イキ狂い、精液と小便の水たまりに潰れたラザヴェイルを双子は水浴びに連れてきてくれた。川の水は澄んで冷たく、火照った体を程よく冷やしてくれる。縛られていた間身体を拭いてもらったりはしていたが自分の手で髪を洗う気持ちよさは格別で、ラザヴェイルは静かに口を閉ざして水の冷たさを味わっていた。 「……髭を剃りたい」  地上のエルフもそうだが、ダークエルフは髭が生えづらい。数か月放っておいてようやく無精ひげが生えてくるくらいである。しかし長い間手入れをしていなかったため、さすがに少し見苦しくなってきていた。 「髭剃り用のナイフなんかオレたち持ってないぞ」 「普通のでいい。貸してくれ」 「いいぞ、おれの貸してやるよ」  サスラがそう言って、自分のナイフをぽんと渡してくれる。そのあまりのあっけなさにラザヴェイルは目を見開いた。  今このナイフでこの二人を殺せば、自分は自由の身だ。実を言うと足ももう言うほど痛くはなかった。足が痛いと言ったのはアルラウネの根っこを肛門に挿れてほしい口実だった。もう一人で歩いてどこへだって行けるだろう。ラザヴェイルは少しだけそんなことを考えて、やめた。 「貴様らも髭と髪をなんとかしろ。見苦しすぎる」 「えー、めんどくさい」 「このままでいいのに」 「俺がやってやる」  ダークエルフの社会はお互いを探り合う疑心暗鬼の世界だった。兄弟ですら命を狙い合い、心を許せるのは爺やだけだった。なのにこの双子は自分のことを信用しきっている。ナイフを渡しても害されないと思っている。ラザヴェイルは、息苦しい地下世界から自分が完全に解放されたのを感じたのだ。  髪と髭を整えた双子は今までの印象よりずっと若く、可愛い顔をしていた。ラザヴェイルはそれを見るとたまらなくなり、サスラより近くにいたユボラに思わずキスをした。 「えっ……? ユボラだけずるい、おれも」 「ん……」  ラザヴェイルは双子のそれぞれに順番にキスをした。ユボラが終わったらサスラ、サスラが終わったらユボラ、そしてユボラが終わったらまたサスラ……。 「どうしたんだ、ラジィ。今までこんなことしなかったのに」 「……俺もわからん。ただ、どうしてもキスしたくなった……。俺も貴様らの兄弟になりたい……そう思ったら、キスしていた……」 「兄弟? ラジィ、おれたちの兄弟になるの? ユボラ!」  ばしゃりと水しぶきがあがり、ユボラがラザヴェイルを押し倒す。先ほど二人がかりで散々拡げたダークエルフの肛門に、湯気が出そうにぎんぎんに勃起したユボラの陰茎がずっぽりと押し込まれる。 「ああっ!! おっ、もう無理、クソ穴ずぼずぼされて痺れてるッ! ユボラ!!」 「知るもんか、オレたちに兄弟ができるんだぞ! お祝いちんぽするに決まってるだろ!」 「おれも、おれも次お祝いちんぽする!」 「弟なのか? 兄貴なのか? それが問題だぞッ! ラジィ、年いくつなんだよッ!! はあはあッ」 「んあッ、おおんっ!! 俺は169歳だッ、ふぅんッ♡」 「マジか、ジジイじゃん!」 「じゃあ兄貴だ!! 兄貴ッ!! 弟ちんぽでイけッ!!」 「おひぃぃぃ……弟ちんぽでイくぅ……♡」  その日、肛門から兄弟の精液をびゅぶるびゅぶると噴きだしながらラザヴェイルは二人の兄になった。そして彼らと一緒に盗賊として生きていく決心を決めた。  地下世界から出ておよそ三か月後、ラザヴェイルの骨折は完治した。その頃には彼は浮遊の魔法などを駆使して、双子の盗賊行為に参加することにも慣れ切っていた。そして、三人で暮らすには狭い洞窟を出て新しい根城を作る計画を立て始めた。 「村を一つ、俺たちのものにしよう」  ユボラとサスラでは思いつかなかったアイデアに、双子は目をまんまるにした。 「考えたことなかったな」 「村を襲っても襲うだけでそのままにしてたからな」 「では、廃村がいくつかあるということだな。まだ放置されてるようだったら三人で片づけてそこに住む」 「それで、それからどうするんだ?」 「少しずつ仲間を増やす。表向きは何事もない普通の村のふりをする。元の住人を訪ねてきたやつや、金を持っていそうな奴が通りかかったら襲って殺す。しかし、ただの貧乏な旅人なんかが通った時は親切にしてやる。そいつに行き場がなかったり、役に立ちそうだったら村の一員にする」 「ただの旅人がおれらの仲間になるかな?」 「そそのかして罪を犯させよう。盗み、殺し、なんでもいい。もうお前は善良な人間には戻れないといって揺するんだ。そうやって人を増やして、どんどん村として自然にしていき、盗賊村を作るんだ」  そのアイデアに双子は目を輝かせた。 「さすが兄貴! オレたちには思いつかないぜ!」 「おれ、ラズィ、頭いいから大好きだ……」 「……お前たちが俺にしたこととそう変わらん……」  快楽にハマった後ろめたさで双子に依存してしまったラザヴェイルは二人の賞賛に赤面して目を逸らした。青紫の頬を濃くして照れる姿に興奮した双子にラザヴェイルはこのあと肛門がめくれ上がるほど愛されてしまったが、ほどなく彼はすぐそばの廃村を盗賊村に生まれ変わらせた。  ラザヴェイルの名前と首飾りにちなんで「ラズリ盗賊団」と名付けられた盗賊団は盗賊村を拠点とし、その地に悪名高い存在として長く名を馳せることになる。ラズリ盗賊団の頭目、ラズリ村の村長は美しいダークエルフで、その両脇にはいつも双子の偉丈夫が控えていたという。 「はあっ、はあっ、ああッ……ふっ。新入り。何をそんなに熱い視線で見ている……」 「あ、村長……いえ……その」  あれから数年。大規模な盗賊行為のあと、ラズリ村の広場で乱痴気騒ぎをするのが盗賊団の恒例となっていた。宴もたけなわになると村長は側近の二人に自分を抱かせ、乱れ狂う。  最近この盗賊団に入った若い男、まだ少年といっていい彼は青紫の肌に玉の汗を浮かべ、白く長い髪を振り乱す美しき村長から目を離せず、幼い陰茎を硬く勃起させていた。そんな彼をラザヴェイルは見逃さずに指でくいくいと近くまで呼ぶ。 「お前も俺のここが使いたいのか? ん?」  奥までずっぽり咥えこんでいた陰茎を引き抜き、肉色にめくれあがった粘膜を見せつけるダークエルフの姿は若い新入りには目の毒だった。しかしその淫靡な魅力は抗いがたく、目が離せない。 「盗賊として一人前になって俺たち兄弟の役に立てるようになったら使わせてやろう。それまで俺もクソ穴の奥を疼かせて待っていてやるぞ……おおうッ♡」  嫣然と笑い新入りを見下ろしてくるラザヴェイルの肛門を、行為を中断させられてイラついたサスラが後ろからぐぼっと串刺しにする。 「ラズィ、おれたちの目の前で浮気宣言か?」 「新入り、兄貴が約束したんだからそんときは使わせてやるが、キスはすんなよ。兄貴のキスはオレたち、ユボラとサスラのもんだからな。なあ兄貴?」 「んおぉおぉッ♡♡ そうでしゅッ♡ 俺のキスはユボラとサスラだけのものぉ……ッ♡ おっほおおぉぉぉ♡♡ 肛門ちんぽずぼずぼすごすぎりゅうぅ♡♡ イっぐうぅぅうぅぅ♡♡♡」 「あああ……村長のクソ穴に、ちんぽが二本も入ってるう……」  ラザヴェイルの身体を挟んだ双子が前から後ろから肛門をほじくり返し、二人の身体の間からはみ出した青い手足だけがびくんびくんと痙攣する。地面に尿が巻き散らかされて湯気が出るのを見ながら、新入りの少年は必死に自分の陰茎を扱いていた……。

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