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第7話 怒り×マフラー 2

「……ごめん」 柚を傷つけたくなくて黙っていた事が、柚を傷つけていたなんて…… 「ごめん、柚」 俺が痛いのは、どうでもいい。 柚が痛いのだけは──嫌だ。 「これからはずっと、傍にいる」 そう口にすれば、柚の小さな身体がびくんと小さく跳ねる。 「ほんとに?」 「……嘘、つく訳ないだろ」 接した所から感じる、柚のあたたかな体温。少し速い鼓動。 柚の全てが……愛おしい。 「嬉しい……」 感極まった声が聞こえた後、柚の手が遠慮がちに俺の背中に回る。 トクン、トクン、トクン…… どれ位時間が経っただろう。 お互いの体温と呼吸を感じているうちに、柚の身体から、少しずつ強張りが取れていく。 震えていた筈の柚の指先が、俺の服を強く掴んで離さない。 「キス、していい?」 耳元で囁けば、擽ったかったのか。首を竦めた柚がこくんと頷く。 肩を抱く手を解き、柚と顔を合わせる。 仄かに甘い香りを漂わせる柚が、僅かに頬を赤くしながら潤んだ瞳を閉じる。 「……いい、よ」

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