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ロッドウルム編  朝起きたら終わっている

〈ほとり視点〉  話を聞くとぽかんとしてしまう。 「え……? お、終わったって、どういうこと?」 「そのままの意味だ。ロッドウルムは壊滅させた」  しれっと答えているのは朝ごはんの準備を手伝ってくれているミチ。テーブルセッティングをしている卿次さんはうんうんと頷いていた。  じとっと睨みつける。 「ミチ? 危ないことしたの?」 「ち、違う! 聞いてくれ。俺は危ないことはしていないし、危険な場所にも行かなかった。サッカーボールがアドバイスしてくれてな!」  背後から「ミチくん? 俺のことまさかサッカーボールって呼んでる?」と声が挟まってくる。 「ほんとうに?」 「ああ。ほとりに嫌われたくないし心配もかけたくなかったからな。こうやって……ドローンを操作してだな」  ラジコンでも捜査しているようなジェスチャーをしている。 「ドローンで人って倒せる?」 「武器を積んだ小型兵器のことをドローンと呼んでいるだけだ。あ、人は殺してないぞ」  味噌汁は完成しているので、卵焼きを作っていく。  ミチが卵を割ってくれている。その間にウインナーを熱したフライパンに転がす。  ミチのにこにこ笑顔。……可愛い。なんだか褒めてほしそうな眼差しだ。  褒めてあげたいけどまだ情報が足りない。 「じゃあ、もう襲撃はされないの?」 「ああ。生き残りがいないか、ごっ……訊問しておいたし。捕らえられていた宇宙生物たちは解放しておいた。解放するなりロッドウルムに復讐し攻撃を始めたから、奴らは再起不能となったぞ。サッカーボールのように、宇宙生物たちに慕われてなかったようだしな」  卿次さんは照れているような苦しそうな、複雑な表情だ。嫌われてて当然! と思っていたのにね。  焼けたウインナーを皿に出し、ウインナーの油で卵を焼いていく。  じゅうううっ……といい音が広がった。 「マリアさんは?」  あの宇宙生物だけは無理矢理戦わされているような雰囲気じゃなかったけど。 「自分の四肢をもぎ取ってもいいからこの娘だけは……って、銃女の命乞いをしてきてな。ルンバさんとサッカーと相談した結果――」 「……」 「おい? ほとり? ほとり? 顔色悪いぞ? まさか四肢もぎ取ったとか思ってないよな? してないからな?」  ああよかった。手が止まってしまっていたあああ卵が焦げてる! 三人分を焼いたのに!  急いでくるくると巻いて卵焼き(焦げ)の出来上がり。  どばーっと涙を流す。 「うぐぐぐっ。これは責任もって俺が全部食うから」 「じゃあ俺の皿に置いてくれ」  すっと皿が出てくる。 「話聞いてた? それに固形物だよ?」 「ほとりが作ったものを食べてみたくなって。ルンバさんも少量からなら大丈夫っていってくれた」 「で、で、でも」  初の地球料理が卵焼き(焦げ)なんて悪いよ! せめて焦げていないものを!  嬉しいやら申し訳ないやらで狼狽えまくっていると、肩越しに卿次さんが覗いてくる。 「わーいい色。そのくらいなら食べられるよ。気にしないで」 「……」  焦がしたのに誰も責めてこない。 「あ、ありがとう。二人とも……」 「作ってくれてありがとう。ほとり」 「いやー。飯作ってくれるって楽でいいね。この流れで嫁いでこない? 宇宙生物たちに偏見のない子って貴重だしさぁ」 「よし歯を喰いしばれ。お前も壊滅させてやろう」 「ほとりくん助けて」  胸ぐらを掴まれて、高身長の卿次さんの足が床から浮いている。  もうミチったら。冗談に決まっているでしょ。 「はいはい。暴力駄目だよ。皿並べてくれ。つーか可愛斗遅いな」

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