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第36話 シャドウキャプテンお披露目会。(1)

海軍の牢の一室にレイズナーは大海賊の頭キャプテン・セシルとして拘束され捕らわれていた。 まさかあの場面で自分がシャドウ(影武者)だと言ったら、その近くに漂っているブラックシャーク号に気付かれてしまうかもしれない。 そう思った上、大海賊キャプテン・セシルにシャドウ(影武者)がいることは幹部しか知らない極秘事項だ。 仲間も混乱するだろう。 「私はこの海軍隊を指揮している士官候補生のカインと言う。……お前が大海賊の長、キャプテン・セシルだな」 黙っていたほうが良いだろうと判断したレイズナーはセシルを真似て不敵に微笑した。 「それは肯定ということか」 この牢は完全に個室で、士官候補生カインと監視官しかここの一室にしかいなかった。 辺りは無音に近い。 どうやら特別な囚人を収容する牢のようだった。 「提督のウィリアムズは明後日まで戻らない。……私だけで何とか貴様を自白させてやる」 カインは鞭を手にし、レイズナーの顔を蹴飛ばした。 「母船のブラックシャーク号は何処だ?仲間や盗品は何処に隠している」 これ以上セシルとその仲間に迷惑を掛ける訳にはいかない、そう思ったレイズナーは先程と同じように微笑のまま黙っていた。 「そうしていられるのも今のうちだ。言いたくなるまで尋問するまでだ」 カインは鞭をレイズナーの身体に何度も打った。 「痛い目に会いたくなかったら、さっさと吐け」 「この俺が言うわけねぇだろ」 殺気で満ちた左目でカインを睨んだレイズナーにカインは凶気を覚えた。 そしてそのままレイズナーは容易く身を起こし座り直した。 「……お前ら海軍が仲間を売らねぇように、俺もそう容易く口を割ると思うなよ?」 レイズナーへの拷問と尋問は翌日の早朝を過ぎるまで続いた。 けれどカインの尋問にレイズナーが屈することはなかった。

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