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第20話 契約の儀式 ※R-18

冬馬の瞳が、完全にαの色に染まっている。 「いいか?」 頷くと、冬馬は俺の服を丁寧に脱がせ始める。 ちょっと怖い……けど、逃げたいわけじゃない。 冬馬の手のひらがゆっくりと胸元をなぞる。 優しいのにどこか焦った感じで、身体がびくっと震えた。 「あ……っ」 「律、気持ちいいか?」 「……っ、聞くなって」 「でも、知りたい」 冬馬の手が、さらに深く触れてくる。 「んっ……ああっ……」 声が止まらない。 顔を背けると、冬馬の指が俺の身体を開いていく。 「っ……」 「力抜いて」 「……わかってる」 深く息を吸うと、冬馬の指が中を探るようにゆっくりと動き出す。 「んっ……ああっ……」 「律、可愛い声」 「出してない……っ」 「嘘。めちゃくちゃ出てる」 冬馬が少し意地悪そうに笑う。 「冬馬……っ、もう……」 「もう?」 「……いい、から」 「律……本当に、いいんだな?」 しっかり頷くと、冬馬は俺の額に優しくキスを落とした。 そしてそのまま身体を重ねてきて、繋がる。 「ああっ……!」 「っ……律、大丈夫か」 冬馬がすぐに顔を覗き込む。 「……平気」 「嘘つくな。顔、歪んでるぞ」 「……ちょっと痛いだけ」 「すぐ、慣れるから」 冬馬はそのまま動かず、じっと俺の身体が馴染むのを待ってくれる。 痛みがゆっくりと薄れ、熱に変わり始める。 「……動いて、いい」 「わかった」 冬馬がゆっくりと腰を動かし始める。 「冬馬……身体……熱い」 「それ、気持ちいいってことだ」 冬馬が穏やかに笑う。 「律……もっと、気持ちよくしてやる」 動きが少しずつ深く速くなり、身体の奥に甘い衝撃が走る。 「あっ……! 冬馬……っ……」 「ここがいいのか?」 「っ……! そこ、だめ……!」 「だめじゃない。すごい反応してる」 同じ場所を狙うように、冬馬が意地悪く突く。 「ああっ……やっ……」 「律、可愛い」 そう言いながら冬馬がキスをしてきて、唇を塞がれたまま動かれる。 「んんっ……あ、ああっ……」 頭の中が真っ白で、もう何も考えられない。 「冬馬っ……冬馬……!」 「……律……」 お互いの名前を呼び合う。 「律……もう、限界だ……」 冬馬の声が震える。冬馬の動きがさらに激しくなる。 「……っ、俺も……」 「一緒に……いくぞ」 「冬馬……ああっ……」 弾けた瞬間、世界が白く霞んだ。 身体が震え、冬馬にしがみついていた。 「はぁ……はぁ……」 冬馬が抱きしめて、背中を優しく撫でる。 「律……好きだ」 「……俺も」 小さく答えると、冬馬が嬉しそうに笑った。 「……律、印を刻むぞ」 首筋に冬馬の息がかかり、自然に身が強張る。 「……っ」 「力を抜け」 優しく囁かれ、深呼吸して力を抜く。 その瞬間―― 「っ……!」 鋭い痛みが走り、冬馬の歯が首筋に食い込んだ。 痛みはすぐに熱へと変わり、身体に広がっていく。 「っ……冬馬」 名前を呼ぶと、冬馬がゆっくりと離れる。 「……っ」 「律、大丈夫か?」 「……平気」 でも指先は震えている。 首を触ると、少し血が滲んでいた。 「冬馬の……印」 「ああ。これで、お前は完全に俺のものだな」 冬馬が満足そうに笑うから、顔が熱くなる。 「律、愛してる」 真剣な目で言われ、胸がいっぱいになる。 「……俺も」 小さく答えると、冬馬がキスをする。 深くて、優しいキス。 「ん……」 冬馬と正式につがいになった実感が、じわじわ込み上げてくる。 しばらく抱き合ったまま、微かな汗がひんやり肌に残る。 「首、痛いだろ」 「……ちょっと」 「すぐ治る。数日で痕も薄くなるから。でも、完全には消えない。それが、つがいの証だ」 「……そう」 「律、今はどんな気分だ?」 ――身体が、軽い。心も穏やかだ。 「冬馬のこと、前よりもっと……」 言いかけて、止まる。 「もっと?」 「……何でもない」 「嘘つくな。もっと、何だ?」 冬馬が口元を緩めて覗き込む。 「……好きになった」 小さく答えると、冬馬の表情が柔らかくなった。 「俺もだ」 ぎゅっと抱きしめられ、痛いほどなのに嫌じゃない。 「律、お前を離したくない。誰にも渡したくない」 「……っ、冬馬」 「ん?」 「……ずっと、そばにいて」 「ああ。そばにいる」 冬馬が髪を撫でる。 その手つきが心地よくて、まぶたが重くなる。 ……このまま、眠ってしまいそう。​​​​​​​​​​​​​​​​ 「おやすみ、律」 「……おやすみ」 これから始まる、つがいとしての生活。 不安もあるけれど、冬馬と一緒なら、大丈夫。 そう信じて、深い眠りについた。

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