263 / 263

クロイスとヒアッカ(1/3)*

 ***〈クロイス視点〉  僕と二人きりになると、ヒアッカは一糸纏わぬ姿のままで、申し訳なさそうに苦笑した。 「悪ぃな、面倒なことさせちまって」 「ううん、僕が自分からやるって言ったんだし」  僕がベッドに乗り上げると、ヒアッカが少し恥ずかしそうに足を開いてくれる。 「……でも、なんでクロイスがこんなこと……」  何でそこで不思議そうにするんだよ。  僕がブラウさんを撫でると、決まってブラウさんを睨んでくるのはヒアッカの方じゃないか。  なのに、僕が同じように思うのは理解できないの……? 「なんか、嫌だったから」 「何が?」 「ケイト様でも、ヒアッカに……ああいう顔は……させてほしくないって言うか……」 「……どんな顔?」  さっきみたいな、真っ赤で可愛い顔に決まってるじゃないか!!  僕は何だか自分だけがイライラしているのが嫌になって、ヒアッカに尋ねる。 「ヒアッカは、僕よりケイト様に触ってもらうほうが良かった……?」  ヒアッカはクリっと首を傾げて、真っ赤で綺麗な瞳でパチパチと瞬いて答える。 「んー? どっちでもいーよ?」  ……そっか、ヒアッカは本当に、どっちでもいいのか……。  僕は何となくどんよりした気持ちを抱えながら、ディアリンドさんに教わったように香油を手のひらで温めてから指に纏わせる。 「じゃあ、触るね」 「ん」  ヒアッカのあっさりした返事を聞いて、僕はヒアッカのそこへと触れた。  思ったよりも柔らかいヒアッカの皮膚の感触に驚きながらも、その入口……っていうか出口だけど、今回は入れるので入口ってことでいいかな、そこにたっぷり香油を塗り込む。  そうっと力を加えると、僕の中指は、大した抵抗もなく入り込んだ。 「ヒアッカ、痛くない?」 「ん、痛く、ねぇ、けど……」  言葉にしなかったその先は『うんこが出そうな感じ』だった。  しっかり伝わってしまったけど、ここはせっかくヒアッカが言葉を呑み込んでくれたんだから、僕も聞かなかったことにする。  第一関節まで入れて、ゆっくり入り口を広げるようにしながら内側を撫でる。  ヒアッカの中はあったかくて、柔らかくて、僕は何だか嬉しくなってしまう。  何でかな……? 「っ」  ヒアッカが力を入れてしまったのか、きゅっと僕の第一関節あたりがヒアッカの入口に絞められる。  わ、柔らかいのに、ギュッとなるのって、なんだか……。  自分の下半身に血が集まる感覚が恥ずかしくて、思わず顔が熱くなってしまう。  ダメだダメだ。  今は、ヒアッカの中に残ってる悪い物を取り出さないとなんだから……。  少しずつ慎重に指を進めていくと、ヒアッカが時々息を詰める。 「ん……っ」 「もうちょっとで奥……届くかな、この辺だったよね……?」 「あ、ああ、その辺……っん!」  ビク、とヒアッカの脚が揺れた。 「痛かった……?」 「いや、へーき……」  はぁと熱い息を吐き出すヒアッカは顔を赤く染めて、赤い瞳を潤ませていた。  確かに心の声は痛いとは言ってなかったけど、何だか不思議そうにしている事しか分からない。  きっとまだ、ヒアッカ自身がわかってないんだろうな。  僕は指先にようやく届いたガラス片みたいな嫌な感じのそれを、指一本で掻き出してはヒアッカの内側に傷ができてしまいそうで、一度指を抜いて指を二本にしてからゆっくり入れ直す。 「あ……、ぁあ……っ」  ビクリと腰を揺らしたヒアッカから聞いたこともないような甘い声が零れて、僕は思わず目を丸くした。 「大丈夫……?」 「ん……、へーき……、つーか、むしろ……」  途切れた先の『なんか変な感じ……?』という言葉は、ヒアッカの中で少しだけ嬉しそうに響いた。  痛くないならよかった。  僕はヒアッカの様子を見ながら、二本の指をゆっくりとさっきのところ……奥の方まで進める。 「ぁ、ぅ……んん……」  ああ、ヒアッカは可愛いなぁ……。  僕は指の先に触れたさっきのガラスのようなものを、指先で慎重に摘んで、一つ一つ外へ出してゆく。 「ん、……んん……っ、ぁ……」  少しずつヒアッカの頬に赤みがさしてゆく。  淫紋自体はケイト様が壊してくれたはずだ。  だとしたら、ヒアッカのこの反応は……僕の指の動きに対して……なんだよね……?  そう思うと、何だかたまらない気持ちになってしまう。  ああ、もっとヒアッカの中を思い切り掻き回したいな……。  でもダメだ。  今はこのカケラを全部ヒアッカの中から取り除かないと……。 「……っ、……ぅ、ぁ……っ」  僕はなるべく平静を装って、2つ、3つとヒアッカの中からジャリッとした淫紋のカケラを取り出してゆく。 「これで最後……かな?」  ヒアッカの腰を左手で掴んで、ぐいっと奥まで指を突っ込む。  もう取り逃しはなさそうかな……?  隅々まで確認しようと僕がヒアッカの奥深くを探ると、ヒアッカの腰がビクビクと跳ねた。 「んんんっっッッ」  必死で声を堪えるヒアッカだけど、僕にはヒアッカのキモチイイって感情が全部伝わってるのに。  そんなこと、ヒアッカならわかってるはずなのに……。  ……なんで我慢してるんだろう。 「ヒアッカ、なんで声出さないの?」 「ふぇ…………?」  とろりと蕩けるような瞳が、ぼんやりと僕を見る。 『さっき、俺……声出したら、クロイスが、心配……してた……から……』  心の声が聞こえて、それからようやく「えーと……」とヒアッカが口を開く。  僕は心に口が追いついてない様子のヒアッカを珍しいなと思いながらも、伝える。 「僕、ヒアッカの声もっと聞きたいよ」 「そ……なのか。……そっか……」  へら、と安心したようにヒアッカが笑う。  ……ああ、ヒアッカは、こんなに幼い顔もするんだ……。  可愛いな……。 「ヒアッカ、淫紋は取り出せたけど、この後どうしたい?」  ケイト様は、熱を収めるのは僕がやらなくても、ヒアッカが一人で処理してもいいっておっしゃってたけど……。  僕は……できればこのまま……、この先ヒアッカがどんな顔するのか、知りたいな……。  でも、決めるのはヒアッカだし……。 「俺……、もっと、クロイスに触ってほしぃ……」  心の声と重なったその言葉に、僕の心臓がぎゅっと鷲掴みされたような気がした。  かっ……可愛過ぎない!?

ともだちにシェアしよう!