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御礼SS:シュウ殿の身体が柔らかいことにイチハが驚く話
キス一秒、胸に抱きついて一秒、そしてすぐ腰に顔をよせた。
俺は愛情表現まで早漏になってしまったらしい。
「二十日ぶりに自宅に帰って来たのに、いつもの帰宅と変わらぬ出迎えで、素っ気ないくらいだと思っていたら、急に熱烈だな、イチハ」
衝動のまま、勝手にシュウ殿の着衣の前をくつろげてしまった俺の頭を優しくなでてくれる。
ちょっと酒が入っただけで、それまで我慢していた感情があふれ出してしまった。
そこまで酔っていないくせに酔ったふりで甘えまくる。そんな事を繰り返していたら本当に少量の酒で感情のタガが外れるようになってしまったのだ。
そんな風に酒を言い訳にして、俺は甘えたい気持ちを爆発させた。
シュウ殿は俺が酒を飲むと甘えたがりになると思っているからな。
実際のところ酒で甘えた態度を見せるのはシュウ殿限定だ。
まだクタリと柔らかなモノを躊躇 なく咥えた。
ちらっとシュウ殿を見上げれば、ちょっと困ったような、だけど愛情たっぷりの視線を向けてくれている。
ああ、やっぱり目元のホクロが色っぽいなぁ。
早くコレで俺のことを好きだって伝えて欲しい。そんな気持ちで柔らかなモノを口いっぱいに頬張った。
◇
シュウ殿は今日まで警備局の仕事で国内を巡行していた。
様々な土地に滞在しながらの巡行は二十日にも及んだ。
俺が出迎えの時に、普段と変わらぬ態度を演じたのは、寂しすぎたからだ。
大人としてのプライドってやつも少しはあるのかもしれない。
仕事だからって理解していたつもりだった。
けれどただ会えないだけではなく、シュウ殿は遠く離れた土地にいて、およその行程を聞いていても、無事その街にたどり着いたのか確実ではないというのが、想像以上に心配であり寂しくもあり、とはいえそんな大人気ないことを言っても仕方がないと、逆に子供のようにスネてしまっていたのだ。
帰って来たばかりのシュウ殿と久々に一緒の食事を楽しみながら、俺のためにと行く先々で買い求めてくれたその地方の風土を描いた絵葉書と、いくつかの土産物を見た。それだけで今回どれだけ広範囲を回ったのかがよくわかる。
地方に幹部局員が訪れるだけで、警備隊員の士気は上がり、また地元警備局幹部のプライドもあって、その地域の治安状況はぐっと良くなる。
今回はそれに加え、隣国デーンラルフ王国の王子の出迎えもあったらしい。
留学のためこの国の王都に向かう途中、国境近くの都市に一日滞在するので、王族の一員として歓迎の意を示したそうだ。
さすがにシュウ殿が王都まで同行したりはしないが、王子はすでに警備局が巡行した地域をたどって王都に向かうため、安全が確保できるというわけだ。
そんな話を聞いた俺がその王子がどんな人物だったのかと尋ねるのは当然の流れだろう。
「黒く長い髪が印象的で色白で、男らしいたくましさはあるのに、どこか儚げだった」
「美しい人なの?」
「美しい……?男をそういう基準で評価した事はないが、たしかに美しい人だったな。あまり目を合わせくれない人も多い中、彼は吸い込まれそうなほど真っ直ぐな目でこちらを見てくれた」
「へえ、素敵な人だったんだね」
「ああ、少し人を寄せ付けないところはあるようだが、下の者にも大切にされているように見えた」
平静を装っていたが、内心穏やかではない。
美しい人に見つめられ、シュウ殿が吸い込まれそうになるなんてとんでもないことだ!
シュウ殿が男性を美しさで評価しないというのは、兄上であるライザラン様が奇天烈な人格であることに原因がある気がするが、最近『建国以来の美神』などいういかがわしい呼ばれ方をするようになったあの兄上を見なれたシュウ殿が美しいと言うのだからかなりの美形に違いない。
しかも、下の者に大切にされているという事は、おそらく真っ当な人格。
少し人を寄せ付けないところがあるなんて、シュウ殿の庇護欲をかき立てそうな要素までそろっている。
その王子は妖術使いか何かでシュウ殿を惑わせようとしているのか?
ありえないとわかっていても、そんな事を考えてしまう。
そして俺は、見たこともない美しい王子に見当違いだと自分でもわかっている嫉妬心を抱き、酒の勢いを借りてシュウ殿の下半身にしゃぶりついたのだ。
美しさで勝てないなら、せめて身体で勝ちたい。
美しき王子は床にひざまずいてシュウ殿のモノをしゃぶるなんてできるわけない。
旅の疲れを考慮して、俺がシュウ殿を満足させるんだ。
……俺は精霊に認められたシュウ殿の伴侶なのだから、本当はこんなに焦って必死にアピールをする必要はないんだけどな。
もしかすると、王子への嫉妬さえも、ちょっとでも早くシュウ殿の身体にふれるための、自分への言い訳だったのかもしれない。
食卓の椅子に座るシュウ殿のモノがたくましく脈づき始めると、その全てを俺の口に入れてしまうことが難しくなる。
それでも夢中で舌をからめていると、シュウ殿にぐっと担ぎ上げられ、そのまま寝室に連れられベッドに優しく横たえられた。
足を投げ出し座るシュウ殿が、そっと俺の頭をなでてくれる。
俺はベッドの上をはって、またシュウ殿の股間に顔を埋めた。
「んぷ……はぁ……やっぱりおっきい」
息をついた俺の身体をシュウ殿が引き寄せる。
「ぁ……ダメ。俺はあとで。もっと舐めさせて」
「っっ……!はぁ…イチハ、今日はもう最初から頭が飛んでいるのか?」
「……」
必死すぎて『もっと舐めさせて』だなんて普段思っても言えないことをサラッと言ってしまった。
顔に血が上り恥ずかしくてたまらない。
しかし、シュウ殿の反応からして、俺は頭が飛ぶと……いつもこんな破廉恥なおねだりをしてしまっている……?
恥ずかしさを誤魔化すように、シュウ殿のモノを口内でしごく。
しかし、誤魔化すためにやることが恥ずかしいことなのだから、結局恥ずかしいことにかわりない。
大きな先端を唇をすぼめて刺激すると、唾液が溢れて根元にまで伝う。
それを潤滑油がわりに手で根元からしごき上げた。
「気持ちがいいよ……イチハ」
シュウ殿が顔を寄せ、俺の頬にキスをしてくれた。
ああ、嬉しい。
単純な俺はこんなことをされれば俄然やる気になる。
けど……。
あれ……?
シュウ殿が………シュウ殿のモノを咥えている俺の頬にキス………?
「えっっ!?」
「どうしたイチハ」
いや、確かに俺が咥えているのは先端だけど、それにしても……。
「シュウ殿………もう一回キスして?」
「もちろん、何度でも」
優しく微笑んだシュウ殿の顔が近づき、咥えたままの俺の口のそばにチュ…チュ……と丁寧にキスをしてくれた。
え……えええええ?
「身体がやわらかいね」
「ああ、武術や格闘で怪我をしないために身体の柔軟性は大切だ」
そういって、またチュッと口元にキスしてくれる。
そこまで無理してる風でもない、けど………。
「自分で自分の咥えられる?」
「え………?」
「どう見ても咥えられるよね?」
「………やってみたことはない」
「やってみて」
「いや……それはちょっと。イチハはどうなんだ?イチハも身体は柔らかいだろ」
言われて前屈をしてみた。確かにぴったり二つ折りになれるほど体は柔らかいけど……。
「う~~」
「どうしたイチハ?」
背骨が綺麗に丸まらないから、股間に顔を近づけようとすると届かない。
ベッドの上でもがいて、どうやっても転がってしまう。
「ダメだ、届きそうな気がしない。なんでシュウ殿はあんなに余裕だったんだろ」
「それは……その状態も違うしな」
シュウ殿が俺の半勃ちのモノをキュッと握った。
「んっ……」
先端から根元へ、大きくいかつい手ですりたてられればすぐに張っていき、しっかりと天井を向いた。
「ほら、イチハ咥えて」
「ん……」
言われるまま顔を近づけるけど……。
「あうううううう……」
届きそうで届かない!
やっぱり転がって、シュウ殿に背中を押してもらってどうにか先端にチョンチョンと舌を当てることができた。
「何で?シュウ殿はあんなに余裕があったのに」
「いや、可愛くて良かったぞ。帰って早々いいものを見られた」
何だか喜んでいるけど、俺はどれどころじゃない。
「お願い、咥えて見せて」
「いや……まあ、もう少し長さがあればイチハもいけるんじゃないか?」
「そんな、長さなんて変えられ……」
そう言われて改めて見比べてみると……。
「シュウ殿……おっきい」
え……あれ……?
見慣れていたはずなのに、こうやって見比べるとすごく大きくないか?
えっっっ??
こんな大きいのが俺のお尻に……?
なんか、本当に今更すぎるけど、だって……こんな……ええ??
まさか離れていた間に大きくなった?
「どうした?」
「こんな大きいの入らない……」
不安げにつぶやいた俺をシュウ殿が笑っている。
ひどい。
そして転がる身体をたくましい腕で抱え上げられ、膝の上に座らせられた。
「離れていた間、イチハのココはそんなに縮まってしまったのか?」
いつの間に絡めたのか、トロミをまとった太い指二本をツプッと差し込まれクイクイと割り開かれる。
「ァ……ァア……んっ……!」
勘どころを押さえたシュウ殿の指の動きで俺はあっさり喘がされてしまった。
「ほら、こんなに開く」
「ぁ……ちが……」
「何が違うんだ?私の形をすっかり覚えてくれて嬉しいよ」
「う……嬉しい?」
その一言だけで俺はパァァァと幸せに染まってしまった。
シュウ殿に背中を預けた状態で、少し強引にグッと振り向かされて口付けられれば、夢見心地でトロトロにトロけていく。
甘えるように舌でチロチロとシュウ殿の舌をくすぐり、たくましい胸をなであげれば、それに応えるようにシュウ殿の指が俺の中でうねる。
「入り口がさらに柔らかくなった」
「んはぁ……もう入れて。ずっと待ってたんだ。だから早く」
「でも、入らないんだろ?」
ああ、余計なことを言うんじゃなかった。
俺の愛しい人は優しい笑顔ですぐこんな意地悪を言いだす。
「いいよ、入れてくれないって言うなら他の人のを……。うう……そんなの……やだ」
意地悪を言い返そうとしたけど無理だった。
シュウ殿は笑って俺の肩と中を優しくなでてくれる。
けど、そうだ。よく考えたらシュウ殿に入れてもらう必要はない。
俺はシュウ殿と向き合うと、膝立ちでたくましい首に抱きついた。
もともとシ長旅で疲れてるだろうから、俺がしてあげるんだって思ってたんだ。
だから……。
俺の唾液とシュウ殿の雫で濡れるたくましいモノの先端を、まだ指が入ったままの穴に押し当てた。
シュウ殿のものが入ると同時に、しっかり割り開きながら、綺麗だけどゴツゴツとした指が抜け出て行く。
「ぁ……ぁんん………!」
ピリピリとした微かな痛みと、指が抜け出るずるりとした感触の両方が快感を産んでいた。
「ぁ……ぁ……ああ……こんなに大きいのに……簡単に…」
「離れていてもイチハは私を忘れずにいてくれたってことだな」
お尻の穴が大きく開くだなんてすごく恥ずかしいのに、こう言われると何だかちょっと誇らしい。
「そ……そんなたった二十日くらいで忘れるはずない」
ついさっき『入らない』と言った事は忘れたフリだ。
自ら腰を上下させればズッズッとシュウ殿のたくましいモノに内壁を熱くこすられ、息が詰まった。
ああ……んんっ!
旅で疲れたシュウ殿を俺が満足させてあげるんだって思っていたけど、俺が早いのもやっぱり変わりなく、数回動いただけですぐに限界がくる。
腰を浮かした状態で動くこともできずプルプルと震える俺をシュウ殿が優しく抱いてくれた。
けど……。
「んぁっ…!ぁっ……ふくっ……!!!」
敏感すぎる俺のモノの先端がたくましい腹筋でがこすれ、あっけなく達してしまった。
さらに……。
あ、あ、あ、あ……俺の放出した液で濡れるシュウ殿の腹筋!
ダメだ……興奮しすぎてクラクラして……。
結局、長旅から帰ってきたばかりとは思えない体力のシュウ殿に、いつも通りあえがされ続け、激しく悶えて、久々なのにやっぱり頭が飛んでほとんど覚えていない。
それでも、なんだか淫乱じみた事を嬉々として言いながらシュウ殿にもっともっとと求め続けていたような気はする。
それにしても、はぁ、いつか見てみたいな。
シュウ殿が自分で咥えているところ。
自分では手伝ってもらってようやく舌先がほんの一瞬つくだけだった。
悔しいから少し体が柔らかくなるよう、頑張ってみようかな。
自分のモノの先端だけでもなめられるようになったら、一人でしていても、シュウ殿と互いに舐め合っているような気になれて、長い間離れていても寂しさがやわらぐかもしれない。
久しぶりに同じベッドで朝を迎えた幸せを噛みしめながら、俺は小さな野望を抱いたのだった。
《終》
※そもそもdbの全長が違うので、イチハがいくら頑張っても余裕で咥えられるようにはなりません。
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