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53. 性急
ベッドに横になったままの体勢で、着衣のまま下衣だけを脱がされた状態でいる。
背後から抱き竦めながら、より深く繋がろうとシファが腰を落としたときにリヴェラは
狼狽える。
「ま、待て……夜遅いから早く済ませようとでも思っているのか?」
シファはいつになく性急に事を運ぼうとする。
元々、事を起こすことは早い方なのだが、いつも増して慌ただしい。
リヴェラは思わず本音を洩らした。
一瞬、ぴたりとシファの動きが止むのだが、微笑を浮かべすぐに再開させようと試みる。
「リヴェラ様は早く終わらせたくないのですね。……そうでしたか、私もそうですよ。できるだけ長びかせるように努めますから、どうぞ安心してください」
「そういうことを云っているんじゃないっ……違う、ピッチが早すぎるって云いたいんだ」
要らぬ誤解にカッとリヴェラは頬を赤らめる。
これでは俺の方から「早く終わらないで」って、催促しているみたいじゃないか。
リヴェラの真意が伝わったのかどうかいまいち分からないままシファは口を開く。
「なぜ性急なのかって……」
そして、考え込みながら言葉を継ぐ。
「そうですね。はやく、あなたを感じたくて……」
うっとりと囁くシファの言葉に反応して今、リヴェラのナカがキュっと締まった。
シファの口元が嬉しそうにほころぶ。
「い、いい加減なことを云うなっ……」
「……本心なのに。いつも云っているでしょう?」
「お前の云っていることはいつも嘘くさい」
「じゃあ、何度でも云いましょうか、信じてもらえないのなら。_____________はやく、あなたのナカに挿入 たかったので……」
「わーーーーやめろー!!」
シファの口を両手で塞ぎ、無理矢理遮ってはーはーと荒く息をつく。
シファがにっこりとしながらリヴェラを抱き留める。
はだけたシファの胸元に顔を押し付けられてしまい、どきどきとしてしまう。
「お分かりいただけましたか?」
「下品なこと云うなよ!!わかった、もういいから……」
云い合いになったところで埒が明かないので、リヴェラが降参して身を委ねる。
室内に衣擦れの音とともに粘着質な水音が鳴り響いている。
「……ん、ンン」
時折聞こえる喘ぎ声。
リヴェラの声を聞いているだけでもう感じてしまうくらい、快くなっている。
熱に浮かされ、うわごとのように「きもちいい」とシファは繰り返す。
リヴェラは聞いているだけで恥ずかしくなってくる。
「……っく、きもちいい……。きもちいいですか……?」
背後からリヴェラを抱いたまま顔を紅潮させ、ゆさゆさと後方で揺れながらシファが訊いてくる。自分もそうだから、相手にも気持ちよくなってほしいと思うゆえに聞きたいと思うのだろう。
何もわざわざ、そんなことをいちいち訊いてくるなと思うし、そんな恥ずかしいこと面と向かって答えられるはずがない。
リヴェラは顔を赤くしたまま固く口を閉ざす。
「…………」
「……ねぇ、聞いていますか?」
シファはちょっと苛々 したのか、リヴェラの項を甘噛みする。
あッ、と思わず声が漏れてしまう。軽く歯を当てただけで微かな痛みがはしり、リヴェラの白い首に歯形がうっすらと浮かび上がる。
唾液交じりに、さらに角度を変えてシファがもう一度噛みつく。
「っ、痛ったい、やめろよ……」
「それよりも……質問、しましたよね、聞いていましたか?」
今しがた噛まれた項に手を当ててリヴェラが窘めるがシファは全く怯まない。
このままだと痕が残ってしまうかもしれない。それだけでも充分心拍数が上る行為なのに。
その上、背後から上衣をたくし上げられて胸の突起を弄られ強引に催促される。
「……ねぇ、リヴェラ様……どうなんですか?」
「……あッ、ンン」
くりくりと執拗に胸を摘み上げられ、困惑してしまう。思わず、ぎゅっと眼を閉じる。
弱い部分を刺激され、仰け反って喘ぐようにリヴェラは声を絞り出す。
「……き、きもち……いい……」
「よかったぁ。やっぱり、そうですよね」
ちゅっと、音を立ててリヴェラの首筋に口づけしながら満足したのか、感情が昂ってシファのモノが突き上げるように肥大した。
「く、……ぁぁ、……っっ」
リヴェラのナカがシファのモノでいっぱいになり、激しく刺激されて声を上げる。
背後から強く抱き竦めながら、さらに繋がった箇所を押し付け、突いてくる。
______________もう……やめてほしい。
シファの行為が不意打ちでどんどん加速していってしまって、泣きそうになってくる。
リヴェラは「きもちいい」と口にしてしまうことは(本心とはいえ)恥ずかしかったのだが、きっと云うまでシファの攻撃が続いていただろうから、ギブアップ(限界)のつもりで、口にしてしまった。でも、そんなことは関係なかったようだ。
「……はぁ、かわいい。すき……」
聞きたい言葉が聞けてテンションが上がって、スイッチが入ったのか「かわいい」と繰り返し云いながらしつこく絡み、シファはリヴェラを離そうとしない。
執拗にナカを擦り付けたり、突いたりと忙しない。
その度に云い尽くされないほどの刺激と溶けゆくほどの快感に押し流される。
文字通り、気持ちいい状態がずっと続いている。
さっきの「きもちいい」発言は、結局云っても云っていなくても続けているのだ。
これって、「きもちいいと」云っている方も相手に聞かされる方も恥ずかしすぎる。
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