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52. 真夜中の訪問

真夜中にシファがリヴェラの私室を訪れた。 いつまでも扉の前で立ち話をしているのもどうかと思ったので、結局部屋の中に招き入れてしまう。当然のようにリヴェラがいつも寝ている天蓋付きのベッドに移動する。 「どうでもいいから、もう寝よう。明日も早いんだろう?」 「そうですね」 枕を抱えてここに来たんだから、後は寝るだけだろうとタカを括る。 キングサイズのベッドは充分なスペースがあり、四人ぐらい寝ても充分に余裕があるサイズだ。フカフカの寝具に身を預け、ふたりは並んで床に就く。 サイドチェストの灯りを落とし、室内はすっかり昏くなった。静寂が訪れる。 しばし、時間が経ってからシファが問い掛ける。 「……もう、寝ましたか?」 「……ん?寝ようとしていたけど、お前の声で眼が醒めちゃったじゃないか……」 身じろぎしつつ、リヴェラは少し苛立ちながら眼を擦ると、そう反論する。 シファは気遣いながらも「すみません」と、小さく謝罪して云い募る。 「私の方は興奮して眼が冴えてしまって、すぐに眠れそうにないのですが」 「なんだよ。だからって人のこと起こすなよ」 抗議しながらむくれているのだが、一瞬寝落ちしたらしいその顔はひどく無防備で、どうもリヴェラの顔を見ていたら悪戯心が芽生えてしまった。シファはすっと眼を細める。 「寝る前にキスしていいですか」 「……えっ?」 わざわざ申告しなくても、有無も云わさず事に及ぶくせに。どういう風の吹き回しだろう。 返事を待たずにシファが銀色の睫毛を伏せて唇を重ねる。リヴェラは大きく眼を見開いたまま、その口づけを受ける。やや強引に舌先が割り込む。 「……っ、んんっっ」 半開きになったその唇に角度を変えてもう一度口づけを繰り返すと唾液が絡む。リヴェラの唇は甘い味がする。気のせいではないはずだ。貪るように蹂躙する。 気が付けば、寝る前のキスとしてはやや激しいものになっていた。 ようやく唇を離すとシファはリヴェラの背に腕を回し、その身を横たえた。 しばらくして、会話もなくリヴェラを抱き枕のようにして微動だにしない。 大人しくなったので、ようやく寝たのか。と思っていたけれど、そぞもぞとシファが身じろぎしている気配がする。 掛け布を被って隣でこのまま寝るのだと思っていたら、そうでもなかった。 何だろうと思って、リヴェラは身を固くしていると不意に下衣をずらされてリヴェラの後孔に指を二本入れて解してくる。 どろっとした香油の感触に驚いてリヴェラは逃れようと身を捩るが、キツくホールドされてしまう。 「ちょっと、逃げないでくださいよ」 「い、や……っ、あっ……」 しなやかで引き締まった腕に囚われてしまい、身動きがとれない。 どうしようかと思いながらも背後から感じる気配にリヴェラは身体を強張らせる。 「お願いだから、じっとしていて……」 「い、っ、ああっ……」 懇願されて硬直しながらしばらくその状態を保ち、リヴェラが大人しくなったところでシファは吐息を漏らす。リヴェラは小柄なので抱き心地がいい。 自分の身体の中にすっぽりと収まった彼が愛おしくて抱きついたり、匂いを嗅いだりして堪能するだけでもう多幸感が溢れてくる。 されるがままだが、リヴェラはやっぱり鬱陶しそうにする。 「ちょっ、と、やめろよ……」 「もうしばらく、いいでしょう」 リヴェラを腕に抱いたままシファは眼を閉じて、しばしその状況に浸る。 これだけで済ませればいいのだけど、当然それだけにはとどまらず、着衣のまま自らの下衣をずらしていきなり挿入してきた。 ぬるぬるとした香油を纏った太く熱いモノがリヴェラのナカに侵入してきた。 _________________……あッ、……これっ!? びくん、とリヴェラが上体を揺らし、反射的に身を竦めた。 不意打ちでされる行為に戸惑いを隠せない。 動揺するリヴェラに構わず、屹立したモノをナカで擦り付けながら先端が奥の方へ入り込む。 シファがゆっくり動き、ぐちゅぐちゅと粘膜が擦り合う卑猥な音が響く。 「……はぁ。ああ、……」 これはシファの吐息交じりの声。呼吸を乱し、感じているようだ。 やっとひとつになれたと安堵するかのような表情を浮かべ、勝手にイって酩酊したように顔を蕩けさせている。 __________________うわ……っ。 急激に腰を動かされて、リヴェラは焦る。 感じる場処を探りながらナカの粘膜が抉られる感覚に眩暈がしそうになる。 今日は、もう寝るはずだったんじゃないのか……? やっぱり、いつにも増して性急だな。 焦らすことなく、いきなり挿入なんて……。 リヴェラは面食らい、眉を顰める。 「さっきから、変だぞお前、もしかして酔っているのか?」 「いいえ、酔っていませんよ。さっきキスしたときにアルコールの匂いも味も しませんでしたよね?」 確かに、と赤面しながら思い出す。 吐息や唾液からはアルコールなんて感じられなかった。 シラフなのか。それにしたって、様子が変だ。 「酔っ払ったらどうなるんだ、シファは?」 「酔っぱらったら、そうですねぇ……陽気になってよく喋るようになります」 「へぇ、面白そうだな」 思いながら一度差し向かいでシファと酒を酌み交わすのもいいかもな、と考える。 あっ、でも。酔ったら変に乱れて、絡まれて面倒なことになるかもしれない。 やっぱりやめておいた方がいいかもしれないなとひっそりと思う。

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