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第3話 これ以上は冗談ですまない *
「な、何してんだよ……ッッ!」
やべ、泣きそう。
國臣に問答無用で素っ裸にされそうで、俺は全力で抵抗していた。
「やめろ、てば……っ!!」
「大丈夫だ、俺は先に全部脱いでるんだから、恥ずかしくない」
「そういう問題じゃねぇ!! ボケぇ!!」
おかしい。
普段は穏やかで無理やりとは程遠い國臣が、今日に限ってその筋力を披露する。
無駄に鍛えた身体してんな!
部活入ってねーのに!!
ちょっと現実逃避していたら、マジで國臣に身ぐるみ剥がされた。
俺は慌ててベッドの布団に潜る。
「何すんだ!」
「……何って……さっきのトラウマの話。オナニー以上の気持ち良い事」
「この状態がある意味トラウマだ!!」
「大丈夫、絶対俺は笑わないし、希翔を気持ち良くさせる事に集中するから」
「……おかしいだろ、この状況」
「何もおかしくない」
いやいや、高校三年の健全な男二人が、ベッドで素っ裸っておかしいだろ!?
布団を頭まで被ると、國臣がのしっと俺の身体の上に覆い被さった感覚がして、焦る。
「お前──あッッ!」
するり、と布団の中に潜り込んだ國臣が、俺のイチモツを優しく握って思わず声が出る。
ヤバい、最近シコッてないから直ぐに出そうだ。
「やめっ! 触るなって!」
「……布団の中なら、暗いから希翔のちんこ見えないよ」
「だから、そうじゃなくて……ふぅッッ」
にゅるり、と。
生暖かいモノに、俺のペニスが包まれた。
マジかよ……っっ!
國臣が、俺に、フェラしてる……っっ!!
目尻に、本当に涙が浮かんだ。
「や、駄目だって、ほんっ……く、は、ぁあ……ッッ」
ぢゅぽ、ぢゅぽ、ぢゅぽ、ぢゅぽ、ちゅぷ、くちゅ……
そんな音をたてながら、國臣は俺の小さなちんこを咥えて口でしごいた。
直接的な刺激に、オナの何倍もの早さで俺のペニスに熱が溜まっていく。
「だめ、ほんと、も、やめ、ろって……っ!!うぁ、ひ、くぅん……」
「……希翔、このままイって良いよ」
「ばかっ、も、我慢、できな──っっああっっ!!」
勃起した俺のペニスをバキュームの様に吸われ、俺は堪らず國臣の口内に精をぶちまけてしまった。
はぁ、はぁ、と荒い息を吐きながら、布団をばさり! と余所へやる。
「……どーいうつもりだよ?」
ぺろり、と口元を舌で舐めながら現れた國臣は、見た事のない程の壮絶な色気を纏っていて、睨んだつもりがびびったのは俺の方だった。
「……まだ、これからだよ。これからが本番」
「は? え、ちょっ──」
ぱしゃ、と。
素っ裸でイったばかりのペニスをだらりとぶら下げ、呆けた俺の様子が國臣のスマホにおさめられる。
「何してんだよっ……!」
怒りで目の前が真っ赤に染まった気がした。
信じらんねー!!
親友だと思っていた、自分を殴りたい。
「……明日まで家 にいてくれたら、消すから。だから、親に今日は泊まるって連絡して」
「はぁ!?」
「……希翔の親に心配させたくないから、連絡」
「……っ!!」
俺は、苛立ちながらも親に連絡する。
結局、親に言われて國臣に代わり、難なく俺の外泊が許可された。
「……じゃあ、次。風呂いこう」
國臣に掴まれた腕を、振り払う。
……最悪だ。
親友にフェラされるなんて。
しかも、感じて発射さ せられるなんて……!!
ムカつきながら國臣に案内された風呂も、風呂付き旅館かってくらいのでかさで空いた口が塞がらない。
「國臣、口ゆすがないのか?」
明らかに、俺の出した精液は國臣の口内に入った筈。
気持ち悪いだろうと思って、怒っているのについそんな言葉を掛けてしまった。
國臣は、少し驚いた顔をしてから、微笑む。
──やめろよ、俺は怒ってるんだってば!
「……俺の心配が先だなんて……本当に、希翔は……」
そう言いながら、國臣は俺の両腕を掴んで後ろに回した。
カシャン! と金属の音と、手首に冷たい感触があたる。
「……は?」
後ろを見ると、俺の手首は手錠が掛けられていた。
流石に血の気が引く。
「國臣、これ外せよ……マジで、これ以上は洒落になんねーって……」
必死で自分を落ち着かせようとしながら、國臣に懇願に近いお願いをした。
「……今外したら、希翔が暴れるしどっか行っちゃうだろうから」
確かに、俺はシャワー浴びたらさっさとこの家を出る気でいた。
親に電話したのは、國臣を油断させる為だ。
でも、そこまで読まれているなんて。
「……希翔は結構潔癖だから、今やめたら一番取り返しがつかなくなる。だから……もう少し、付き合って」
「嫌だ」
「まぁ、そうだよね」
「は? うわっ! ちょっ!!」
國臣は、てきぱきと洗い場に敷いたマットに、俺を押し倒した。
膝だちのまま上体を倒した、お尻だけ上げた無様な格好だ。
その時……視線に入ってきた國臣のペニスは、天を仰いでいて、思わず喉をゴクリ、と鳴らした。
え? なんで勃起してんだ? こいつ……まさか、この状況に、興奮してるのか?
お尻に、冷たい液体がたっぷり落とされた。
「つめてっ!」
「ごめん。でもこれ、直ぐに馴染む筈だから。このローションが馴染んだら、むしろあったかくなると思うよ」
國臣の両手が、ローションにまみれた俺の尻を撫でまわす。
そしてその手は意思を持って尻を揉みだし、俺の排泄器へと指が近付いていった。
「おまっ! ちょっと、汚いって!!」
「……希翔のお尻、凄く綺麗だよ……アナルもピンクで、ひくひくしてて……可愛い」
「気持ち悪い事言うなっ!!」
ぞわわわ、と。
鳥肌が立った気がした。
ケツの穴の皺を一本一本なぞる様に何度も触られ、ふぅ、と息を吹き掛けられ。
俺は逃れようと必死で身を捩ったが、國臣は手錠を掛けられた俺の抵抗をものともせず、優しささえ感じる声で宣言した。
「……ドライオーガズム、って知ってる?」
「はぁ?」
なんだそれ??
「前立腺を刺激して……射精せずにイく事なんだけど」
「うん?」
「つまり、俺は希翔の尻を開発しまくって、女なしでも十分気持ち良くさせてあげるって事」
「……」
たっぷり、考えて。
とっ散らかった思考をまとめて、何から口にすべきか悩んでいると。
「……じゃあ、始めるね」
「ぅあっ……!!」
ローションをたっぷり纏った國臣の指が、にゅるり、と俺の後ろの穴に滑り込んだ。
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