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第10話 そんなことができるくらい **

「ば……ばかばかばか、やめろって……!!」 「俺のせいでこうなったんでしょ? 責任取るよ」 俺は、トイレの個室で國臣にちんこを掴まれ、絶体絶命に陥っていた。 「自分でやるから!!」 「自分でやるより、他人(ひと)にやって貰った方が気持ち良いよ」 「だからって……ぅあッッ」 先程、「ちょっとヌいてくる」と言って、俺は図書館の個室からトイレの個室に移動した。 まさか、國臣が二人分の荷物抱えてついてきてる、なんて思わずに。 シコる為に個室に入って、ドアを閉める前に國臣も身体を捩じ込んできたから、驚きに反応が遅れた。 後ろ手にドアを閉め、二人分の荷物をささっと引っ掛け、オレのズボンをパンツごとずりっと下げるまでの時間は、一秒かかってないんじゃないかと思う程の早業。 「うわっ……!」 腰の引けた俺の肩を押してそのまま便器に座らせ、自分はぴょこんと飛び出した俺のペニスを大事そうに片手で包む。 「ちょ、ちょっと……、離せって!!」 「俺がヌいてあげる」 國臣はそう言いながら、俺のペニスに唾液を垂らした。 粘り気のある感触に、俺の息子はピクンと反応する。 反応するなって! 息子!! 「ば……ばかばかばか、やめろって……!!」 「俺のせいでこうなったんでしょ? 責任取るよ」 國臣は、そのまま一息に俺の肉棒をなんの躊躇もなく咥える。 ぢゅぼ! ぢゅぼ! ぢゅっぽ、ぢゅっぽ……!! 國臣にフェラされるのは二度目だけど、前回は布団の中だったから、こんなにハッキリとフェラされているところを見る事はなかった。 國臣は、嬉しそうに俺のちんこを咥えたまま、垂らした唾液を伸ばすように、口を前後させる。 同時に竿を握った手も絶妙な力でスライドさせ、更にもう片手で俺の玉を弄ぶ。 「くっ……ぁ、は、ぁあっっ……!!」 どんどんペニスに熱が溜まり、もうイきそうってところで、人がやってきた。 「なぁ、この後何処にメシ食いに行く?」 「カラオケ行ったところで食わない?」 「おー、それ良いな!」 俺は、思わず國臣の頭を抱え込んで動けないようにホールドし、必死にイくのを堪える。 國臣が口角を上げて、よりによってチロチロとカリの部分を舐めやがった。 「やめ、イっちゃう、からぁ……っっ」 國臣の耳元で何とかそれだけ伝え、息を整えた。 はぁ、はぁ、はぁ……俺の吐息だけが個室の中にそっと響き、やがて賑やかな三人組はトイレから出ていった。 「國、臣の、バカ、野郎……っっ」 俺はギロッと國臣を睨む。 「途中で辛いよね、ごめんな」 なのに國臣は明後日の方向に返事をしつつ、しごくのを再開させた。 じゅ! じゅ! じゅじゅう、ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ…… 俺は快楽に負けて、フェラしている相手について考えるのを一旦やめる事にした。 「んっ……、は、ぁ、イく、イくぅっ……!!」 場所が場所なだけに、極力声を張らないように宣言しながら、腰を突き出すようにして放つ。 ごくり、ごくり、と俺の放ったモノを、國臣が美味しそうに喉を鳴らして飲んだ。 こいつ、こんな事出来るくらいに、俺の事好きなんだな。 なんて、今更な事を改めて思った。 口元を拭った國臣は、「今度は俺の番」と言って、その場で立つ。 俺が國臣のでっかい息子を咥えなきゃいけないのかとパニクってると、「素股させてくれる?」と言われた。 口や尻に比べたら、股のが断然マシだ。 胸中複雑だったが、大人しく國臣が望む通りに、後ろを向いて、前の壁に手をついた。 目の前に便器があって、尻だけを國臣に突き出した恥ずかしい格好。 國臣は、俺の腰を両手で掴んで、俺の太腿の間に自分のちんこを抜き差しする。 國臣の先端から溢れた先走りが太腿を汚すのを我慢しつつ、國臣の激しい動きを辛うじて受け止めた。 ぱん! ぱん! と、まるでセックスしているかのような音が響いて、胸がざわめく。 違う。 変な錯覚するな、俺……!! 國臣の動きが激しさを増し、漸く精液をたっぷり迸らせて、俺も國臣も無事に? ヌいた。 が。 「國臣……てめー、なんって事を……!!」 國臣の出した液体は、全て綺麗にトイレの中へ……とはならず、俺の服を汚してくれたのだった。 「……お邪魔しまーす」 仕方ない。 図書館は、國臣の家に近いんだから、仕方ない。 仕方ないと思いつつ、わざとじゃねーよな!? コンチクショウ的な疑いが全く晴れなかった。 「ごめんね、希翔。直ぐに洗って、乾燥させるから」 「……おう」 図書館から何処にも寄らずに國臣の豪邸にお邪魔し、パンツとズボンを洗って貰う。 「お昼出前でも良いかな?」 「構わないから、早くジャージ貸してくれ」 「ん。パンツはどうする?」 「んー、國臣がジャージ直穿き気になるなら借りる」 「気にならない」 「ならいーや」 國臣が貸してくれたジャージを履いて、二人で出前のチラシを選んだ。 結局、ピザをたのむ事にして、味も俺の好みで決めて良い事になったけど…… 「……お前のジャージ、なんでこんなに長いんだよ……」 國臣の脚の長さに気付いて、軽くショックを受けたのだった。

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