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最終章 ふたりの歩く速度
林さんの手は、優しかった。ゆっくりと背を撫でられて、全部が、こぼれてくる。
……俺が、本当に怖かったのは。
「……うちにお昼ご飯食べにきませんか?」
自然に出てきた言葉に、林さんはひとつ瞬いてからほわりと微笑んで頷いた。
「焼きそばと炒飯、どっちのが好きです?」
「……焼きそば、ですね……」
住宅街を並んで歩く。鳥の声がする。どこからか、小さい子どもの笑い声が聞こえてくる。
柔らかな風が、吹き抜けていった。
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