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第3話
そして冒頭へと戻る。
…もうだめ、考えられない、そう思った昭は甘美なる欲望へと身と心を委ねることにした。思考は諦め、意識を体の感覚へと集中させる。想の背中へ両手を回し少し強く抱きしめた。すると想は多少驚いた様子だったが、目を三日月のように細めると、唇と唇を合わせながらちゅうちゅうと吸った。その後いったん唇を離し、息を整える。はぁはぁと小刻みな呼吸音のあと、一度深くため息をついて、大きく息を吸い込んだ。対する昭はバクバクと音が聞こえてきそうなくらいの心臓の鼓動に体を震わせながら、やっと息が吸えるとばかりに短距離走を全速力でかけてきたかの如く荒く呼吸をした。想は息を整えた後
「ここ、触るね?」
と昭の肉棒を右の手の平で包み、上下に動かしながら親指を先端に当て、ぐりぐりと押しつけた。
「んぁっ、あっ」
とろとろと肉棒を濡らしていた白濁の汁はさらに溢れ、右手の上下に扱く動きを手助けする。びちゃびちゃと汁は太ももまで流れ昭のズボンや下着を汚す。
「…いっぱい溢れてきたね。下、脱ごっか?」
「…うん」
昭は素直にその言葉に従い、ついに全身の肌が露わになった。脱いだ服はそこら辺の地面に置き去りにされている。再び想は昭の肉棒に触れると、さっきよりも強く握り上下にぐちゅぐちゅと扱いた。はぁはぁと息が乱れ、足ががくがくと小刻みに震える。二人は軽く唇と唇を合わせると、想の舌が昭の唇の間を割り、中へと入った想の舌は昭の歯列の表面をなぞり、上あごをなでた。少年らはお互い唾液が口端からこぼれ、顔から顎へと液体を垂らしている。
「んっ、んん…んぅん!」
すると昭は息を漏らしながら想に目線で何かを訴えかけた。想はどこ吹く風と、さも変わらず右手を動かし続け、間もないうちに昭はびくびくっと体を後ろにのけ反らせながら果てた。白濁の液体が昭の腹を汚した。
昭が果てた後、想はその液体を指ですくい、指と指をこすり液体を指全体になじませた。昭は想お兄ちゃんは何をしているのだろうと思った。しかしそんな思考はすぐさま次の彼の行動にかき消された。想は昭の尻の秘孔に触れ、右手の中指を中へゆっくりと優しく挿入した。
「なっ、なにして」
昭は驚き目を大きく見開いた。
「……」
想は何も答えない。指をゆっくりと動かしながら、昭の腹を舌でひと舐めすると次は左の乳首を口に含み舌でころころと弄び始めた。想の口端はかすかに笑っているように見えた。
「ん・・・ふぅっ、あんっ」
秘孔に突き刺さる指はいつの間にか二本に増え、前後に肉壁を軽く押すように中に入ってくる。乳首への柔らかな刺激とその気持ちよさに悶えていると、ついに指は三本に増え、先ほどよりも秘孔への摩擦と圧力も増し肉壁をこするような動きに変わっていった。想の唇は左から右へと移動し、新たな刺激を昭に与えてやり、右手の指は細かく動かしながら奥へ奥へとゆっくりと進んでいった。そして
「ああああっ……っ!!」
少年のさらなる秘部、前立腺へと肉壁越しに指の腹が触れた。
「だ、だめぇ」
「…だめなの?ここはこんなに喜んでいるのに」
想は昭の乳首から唇を離し、今度は再び溢れ出る汁に濡れている昭のそそり立つ肉棒の先端にキスをした。
「んあっ」
昭はびくっと体を跳ねらせ与えられた快感をじんわり味わっていた。想は肉棒の横にさらにキスをした後、左手は玉を優しく包んで揉みしだき、口に昭の肉棒すべてを口に含んだ。
「ああん、や、やだぁ。そ、んなの、舐めない、でぇ」
「ん…ふぅっ」
否定はしながらも瞳は涙で溢れ、口から唾液を垂らしながらいう言葉に説得力はなかった。想はずびゅ、ずずずと時折溢れてくる汁を吸い上げながら、舌全体を使ってまるでアイスキャンディーを味わうように昭の肉棒を舐めた。変わらず右手は昭のイイところを優しく、しかしながらしつこく突いている。
「や、やぁん…、も、うぅイっちゃうぅ」
涙目で昭は想に訴えかけると
「ん…ひってひぃよぉ」
と想は肉棒を口に含みながら答えた。すぐにビュッと勢いよく白濁液が飛び出し、想の口の中はねばねばした液体でいっぱいになった。その液体をごくりと飲み干し、想はにこやかに微笑んだ。そしてこう言った。
「次は僕の番ね?」
次の瞬間、昭は地面にある脱いだ服の上にぐいっと押し倒され、想は彼に覆いかぶさった。そして昭の足を開き、膝を曲げ、先ほどぐちゃぐちゃにした秘孔を露わにさせた。そして想の肉棒を昭のそこへ触れさせた。想の肉棒も先走りでてらてらと光り、熱く固くなっていた。
「…いくよ」
昭は何が何だか分からずにいたが、そういうと想は先ほど散々弄ったおかげで柔らかくなった秘孔に自身をぬるっと突き入れた。
「がっ…あ、あぁ…っ」
やっと思考が追い付いた昭は目を見開いて秘孔への圧力に自身の肉棒をさらに滾らせた。きもちいい…単純に昭はそう感じ、甘い甘いとろけるような快楽とぬくもりへ身をまかせ、想にされるがままになった。がつがつと腰を振り、熱く滾った自身を昭のひくひくしている肉壁へとこすりつけるように当てていく。想も快楽を求めてひたすらに動き、少年と少年の尻と太ももがぺちぺちと音を鳴らせた。
「あっ、い、あっ、すご、く…きもちいい…よ」
とろんとした表情で昭が言うと、絶望的な快楽に飲み込まれそうになっていた想はハッとし、意識を昭へと戻した。
「うれっ、しいよ…僕っ……」
ぱんぱんと肌と肌がぶつかるいやらしい音の中で想は笑顔を見せた。ぐりぐりと秘孔の奥へぎんぎんになった自身を強く押し付けるとがくがくと昭の足が震えた。今まで感じたことのない快楽に支配され、目の焦点は定まっていない。
「ここが…いいのかな?」
想は肉棒をぬちゃぬちゃと抜き差ししながらさらにぐいぐいと押し付けると
「かっ…、はっ…、あ、んぁあ!」
と昭は息を必死に吸い込み、悶えながら体をバタバタと左右に揺らした。そのまま一気に想は抜き差しを繰り返し、昭の感じる場所へ肉棒を押し当て、自分自身もこの上ない気持ちよさに酔いしれた。ぐちゅ、ぐちゅ、はぁ、はぁと水音と漏れ出る吐息しか聞こえなくなったあと
「…そろそろ、でる……っ」
想は少し苦しそうな声で言葉を放ち、昭の中に欲を盛大にぶちまけた。びゅっ、びゅーっと精液を放出したのち、想は恍惚とした表情で気持ちよさにひたった。一方昭は荒く息をし、自身のほとばしる欲を顔や腹などに受け、天を仰いでいた。顔についた精液をもったいないとばかりに想は舌で丁寧に舐めとり、それをごくりと喉を鳴らして飲み込み、昭と目を合わせ、にこやかに、幸せそうに微笑んだ。
昭が持ってきていたタオルで想が昭の腹や下半身、そして自分の体を拭き、二人とも脱いだ服を着て、身支度を整えた。
「そろそろ家に戻らなくちゃ」
昭がそういうと想は昭に抱き着き、ぎゅっと抱きしめた。
「また…来てね」
そうつぶやくと少し目を伏せる想は憂いを帯びた表情をしていた。それを見て昭は、想の頬を両手で包み込み、唇に軽くキスをした。
「また、来るね」
昭はにこっと笑顔を見せ、落ちたタオルを右手で拾い、左手にはランタンを持ち蔵の扉へと近づく。一度振り返ると、想は先ほど立っていた場所で壁に寄り添うようにして座っていた。目に光はなく、オレンジ色のガラス玉は暗闇を映し、口を閉じて、そこに座っていた。ぎぃ、と扉を開け昭は外へ出て、反対側から静かに扉を閉めた。蔵には光のない闇とただただ何もない無音の世界が訪れる。
(また会えて嬉しいよ…、昭)
想はそう思った。動かない右手に残る昭のぬくもりを感じながら。外には太陽が昇り始めていた。
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