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Prologue 春と秋

これまでのあらすじ Season1 高校生編 高校の入学式、誰もの視線を奪いながら現れた、とてつもなく美しい容姿をした壱川春(いちかわしゅん)に、今瀬秋(いませあき)はあっという間に心を奪われた。 同性であることから、最初こそ確信が持てなかったその想い。 しかし、控えめで物静かな春の少しずつ知る新たな一面に秋はたびたび胸をときめかせ、次第にそれが恋であると自覚。 まっすぐな秋の言動は、春の繊細で閉ざされた心の内側に徐々に入り込んでいく。 高校を卒業したその夜、高熱で倒れた春の自宅に秋は訪れ、お互いに想いを伝え合い、晴れて二人は恋人同士になる。 Season2 高校卒業後・同棲編 恋人同士となった二人は、春の自宅で同棲を開始する。 新たに知る春の過去や秋のシンガーとしてのブレイク、春との同性交際疑惑報道など、二人の生活は目まぐるしく過ぎていく。そんな中でも、春と秋は互いの気持ちを確かめ合い、二人は仲を深めていく。 しかし度々春がこぼす、同性愛への不安。 元より男が好きだと自覚があった春とは違い、秋は春を好きになるまでは女の子に思いを寄せ、"普通"の恋愛をしてきた。春は付き合うまでもそれに不安を見せ秋を長く拒んできたが、付き合ってからも、その不安が完全に拭い切れることはないようだった。 そんな中、春の元カノだと名乗る中野由緒(なかのゆい)という新人女優が、春が主演するドラマのヒロインに抜擢される。 "手を繋ぐのもキスもも、春は私が全部初めて"と由緒に打ち明けられ、秋は激しく動揺する。 春を好きになって初めて同性との恋愛を経験し、"春は特別だ"と秋は感じていたが、同じように、ゲイである春にとっては由緒が特別だったのではないか、と、激しい嫉妬を抱え、そしてその想いのままに春にそのことを責め立て、初めての大きな衝突を経験する。 そうして秋は、"男だったら誰でも良かったんじゃないか?" "俺が女だったら同じように好きになったのか?"と尋ねる。 春からの明確な回答はなく、不安を煽られた秋は、"こんなことで悩むなら、最初から春と付き合うのなんてやめておけばよかった"とこぼす。 そうして春は"じゃあおわりにしよう"と秋に告げ、共に住む家を出て行ってしまった。 春と秋 Season3 ―― Character 今瀬秋(いませあき) 2000.10.7 / O型 / 182cm 快活で明るく人懐っこい性格。 平和主義で喧嘩や揉め事は苦手なタイプ。 持ち前の明るく素直な性格と、姉がいる男子特有の女子の扱いの上手さ、そして爽やかで清潔感のある容姿から幼少期から常にモテてきた。 猪突猛進型。 「思い立ったら即行動」故に失敗も多いが、常に周りの人に助けられてなんとかなってきた人。 高校の入学式で目を奪われた春に強く心惹かれるようになり、以降春に思いを寄せるようになる。 春の二十歳の誕生日にプレゼントとして贈った春へのラブソングがSNSでバズり、一躍ブレイク。 爽やかな容姿と確かな歌の才能、優しい歌声でブレイク以降も徐々に人気を拡大し、今では等身大の愛されキャラでバラエティ等でも活躍。 壱川春(いちかわしゅん) 2000.4.3 / A型 / 184cm 類稀なる容姿—まるで精巧な美術品のような—の持ち主。 物静かで無口、常ににこやかな笑顔を浮かべる穏やかな性格。繊細で人のことをよく見ており、相手の感情や欲求を察するのが得意。 幼少期よりその容姿からどこにいても目立ち、そして誰からも特別な感情や興味を持たれてしまうことから揉め事の原因になることも多く、次第に感情を表に出さず、常に周りに合わせ、求められる自分を演じるようになる。そうした結果、自分の感情には非常に鈍感で、自分のことは後回しにする癖があり、そして感情表現が苦手。 物心ついた頃には自身が男性を好きになる同性愛者であることを自認。前述した求められる自分でいようとする性質と自身のセクシャリティへの葛藤・嫌悪から他人には一定以上踏み込ませないようにしていて、自己開示をほとんどしない。 高校在学中に俳優として大ブレイクを果たし、現在はアイドルグループ「MELONY」のセンター、そしてソロアーティストとしても活動。海外作品にも俳優として出演するなど、今芸能界で1番の売れっ子芸能人である。

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