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第38話 はじめてだらけなのに怖くない ※
「んっ」
「……」
甘くて優しいキス。
星七くんのキス、好き。
もっとずっとしてたいのに。
頭の中はキスの先に意識が向いて全然集中できない。
どんなことされるんだろ、とか。
痛くないかな、とか。
星七くんは僕に痛いことはしないよ、とか。
自分を励ます言葉が頭を覆う。
ぎゅっと星七くんの背中に手を回した。
もう心の準備できてるよ、と伝えたくて。
はやくキスの先を知りたくて。
この前みたいに深く知りたくて、愛を教えて欲しくて。
乞うように星七くんの耳元で囁いた。
「もっと星七くんの愛を僕にください」
「……深月」
ぴくりと耳が跳ねたみたいに硬直した星七くん。けど、数秒もしないうちに僕をお姫様抱っこして廊下を歩き出す。
その間、ぽーっとしたまま顔を見てた。
いつ見ても綺麗な顔。涼しげな横顔。
そうか。僕はこんなに美しい人とキスをしていたのか。
西洋の絵画の中にいる王子様みたい。
すとん、とベッドに落とされる。朝にした甘いキスを思い出して身体が甘く疼く。
期待してるんだ……。
「あっ」
するり、と僕の着ていただぼだぼの服をめくり上げられた。エアコンの冷気に当たって少しひんやりする。そろそろ、と静かに動く星七くんの手は思ったより熱くて。
ずっとずっと触れていて欲しいと甘えてしまう。
「ひゃっ」
「くすぐったい?」
おへその辺りを手のひらで撫でられて声が洩れてしまう。骨ばった長い指先が僕の肌を優しく撫でてくれるから、力が抜けてしまう。
「肌、白くて綺麗。雪みたい」
「……星七くんだって肌綺麗だよ。白くて雪うさぎみたい」
「……」
音もなく微笑んでくれたと思ったら──。
「あんまり可愛いこと言わないで。加減できなくなる」
「んぁっ」
耳たぶを甘噛みされた。そのまま、舌先が耳の中に侵入する。熱い舌にされるがまま、ぴちゃぴちゃと鼓膜に響く粘着質な音。ぞわぞわと背筋が浮き立ち、身体がベッドから浮いてしまいそう。僕は必死にベッドのシーツを握りしめた。
その間、服の中に手を入れられて胸の辺りを優しく掴まれる。
女の人みたいに胸はないのに、なんだか感じてしまうのはなんでだろう。
もじもじと膝を合わせていると、その間に割って入ってくる星七くんの身体。
「耳も感じるんだ」
「……言わないで」
「もっと気持ちよくなれる場所、教えてあげる」
「あっ」
ぐに、と僕の履いていたハーフパンツを掴まれる。そこは既に熱が集まって下着を押し上げていた。
「硬いね」
「……意地悪言わないで」
「ごめん」
甘くて優しい雰囲気に全て持っていかれそうになる。足の間はかちこちになっていた。僕の息が荒くなり、胸が大きく上下する。
頭、溶けそう。
こんなのでこの先のことに耐えられるのかな。
「ほら、足閉じない」
「……っ」
恥ずかしくて閉じかけていた足をがばりと開かれる。途端に、星七くんの視線が一点に集まっているのを感じて身体中が沸騰するみたいに熱い。
「ここから先が本番だよ」
「え?」
するり、とハーフパンツを下ろされた僕はボクサーパンツ1枚に、乱れた白いTシャツだけ。それは胸元までめくり上げられていて、服としての機能はほとんど保っていない。
「っあ、う」
「声我慢しないで。もっと深月の可愛い声、俺に聞かせて」
下着の上から、昂りを握られてよしよしと撫でられる。腰が無意識に動いてしまう。
こんなはしたない姿、好きな人に見られてるの恥ずかしい。
「腰へこへこしてる。気持ちい?」
「あ……んっ」
すると、ぱっと手を離されてしまう。
なんで?
涙ぐみながら星七くんを見つめる。
「期待してた?」
「……」
こくんと頷く。
「どうされたい? 口で教えて」
「……あ、の……」
「うん。言って。じゃなきゃ何もしない」
星七くん、いじわるだ。
僕は勇気を振り絞って星七くんの腕を掴んで懇願した。
「触って、ほしい」
「うん。言えてえらいね。じゃあ彼氏のお願いには応えてあげないとね」
ぽんぽんと頭を撫でられて、直後。
「っ!?」
星七くんが僕の昂りに顎を押し付けてボクサーパンツの端を噛んで、下ろした。
「深月、顔に似合わずそこそこ大きいよね」
やめてください。
恥ずかしすぎて噴火しそう。
僕は両手で顔を覆った。
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