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第4話

三ヶ月経ってもキスしないなんてありえない! そんな話が耳に入ってきたのは休み時間のこと。 女子が大好きな恋愛話をしているのだろう。楽しそうにきゃっきゃしている。 普段なら何も思わずいられたのに、どうにも先程の言葉が頭から離れない。 「三ヶ月、か……」 森屋と付き合って、もうすぐ一年。 手を繋いだ回数も数えられるほどだし、抱き締められたことがあるのも数えられるほど。 キスなんてしたことない。 俺達には俺達のペースがあるだろう? なんて言われて納得していたけれど、最近物足りなく感じるのは何故か。 これが浮気の危機と言うものだろうか。 けれども生憎俺には浮気する気はさらさらないし、別れようと思う気も全くない。 でも森屋とキスくらいしたい。 自分でもこんなに森屋が好きなのがおかしいと思う。でも森屋は俺にとって大切な人だから。 「……よしっ!」 決めた。 森屋とキスする、今日絶対する。 ちょうど今日一緒に昼メシ食べようって約束してるからチャンスはある。 そうと決まれば決行だ! *** 返事がないと思ったら森屋は保健室で寝ていた。 クラスの人に聞いたら朝から頭痛がすると言っていたらしい。 「そう言うの、俺に言えよなぁ……」 森屋の寝顔を見ながら小さく呟く。 何のための恋人だよ、なんて文句の一つも言いたくなる。 突いて起こしてやろうかと思ったけれどやめた。でもこの込み上げているもやもやをなんとかしたくて、よく寝ている森屋を見る。 「……悪戯しちゃおうかな」 寝てる森屋にキスしても面白くない。 俺は起きてる森屋とキスしたいんだ。 と、なれば……何しよう。 森屋の頭の先から爪先までじーっくりと見つめても何も思い浮かばない。むしろ可愛い顔して寝てるなぁ、なんて感想しか出てこない。 普段は言わないけれど、俺は森屋の顔も好きだったりする。可愛い顔してるんだよね、案外。 ふと、森屋が苦しそうにしていることに気づき、ネクタイとベルトを緩めてやった。 そうしたらなんだか全体的にはだけてしまって、なんだか“いけないこと”をしてしまったような感じになってしまった。 思わず露出した森屋の肌に息を飲み込むしかなくて、震える手で恐る恐る手を伸ばしてしまう。 伸ばした先には当然反応しているわけもない森屋の下半身。 ふにっ、とした感触。 触れたことのない他人の、それも森屋の大切な部分にドキドキと心臓が早鐘を打つ。 ゆっくりと股間に顔を近づけ、下着越しに森屋の性器にキスをする。やんわりとした感触と初めて嗅ぐ独特の香りに眩暈がする。 「は、ふっ……ん」 この下に森屋のが……そう思うと興奮してきた。 ダメなのに、こんなことしちゃ。 わかってるのに止められない。 森屋の下着の縁に手をかけてずり下ろせば、ぽろん、とわずかに反応を示し始めているモノが現れた。 「ん、んっ、ふ……」 そっと手を添えて、先端を口に含む。 初めて味に嗚咽しそうになるが、耐えて鈴口に舌を這わせる。 「んっ……」 森屋はわずかに反応を示したけれど起きることなく眠ったままだ。 でもこのままだと起きるかもしれない。 わかってるのに、止められない。 鈴口を丹念に舐り、そして先程よりも深く口の中に森屋の熱を頬張る。竿を舐め上げ、刺激したり、吸いついてみたり、色々してみると口の中で森屋の熱が大きく育った。 「んんっ、ふ」 頬張りきれなくなって、口を離せば俺を見つめる森屋と目が合った。 「ま、蒔田、何して……ぁあ!」 何も言わせまいと喉奥まで一気に屹立を口に含み、前後に顔を動かせば、じゅるじゅるといやらしい音と共に屹立はふるふると震え出す。 ちらりと森屋の顔を見れば手で口を覆い、俺のことを熱心に見つめている。 興奮してくれている。 その事実にお腹の奥が、きゅん、と疼いた。 「蒔田……ッ、もぅ、イくから……」 息を荒げて必死に耐えようとする森屋、可愛い…… 俺が森屋のことを気持ち良くしているんだと思ったら堪らない気持ちになる。このまま口を離すなんて勿体なくて、必死に森屋の熱を口で舐る。 好き、大好き、もっと気持ち良くなってほしい。 そう思いながら頬張っていると、また熱がふるふると震え出した。 あ、出るんだ。 そう思った時には口の中にどろりとしたものが吐き出されていて、それは断続的に出てくる。 苦い、美味しくない、でも森屋の精液だと思えば…… 「お、おい!」 ごくん、と見せつけるように飲み込んで、口を森屋に向かって開く。 「飲んじゃった」 俺の一言に森屋は真顔になって、そして顔を赤らめる。 「お前……本当、あー……もう」 何が言いたいのかわからないけれど、とりあえずは怒ってないっぽい……? よくわからないけれど、悪戯は成功したようだ。

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