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「御月堂様、急に嬉しそうな顔をしてどうなさったのですか?」 「あ、いや、愛賀との共通点を見つけてな」 「共通点、でございますか」 「いや⋯⋯ただの独り言だ。気にしないでくれ。それよりも愛賀のことを思っていたよりも分かってないことが分かった」 「立場上、仕方ないと思う面があると私は思いますよ。でしたら違う形でコミュニケーションを取られるのはいかがでしょう。姫宮様と連絡先を交換してましたよね。それで他愛のない話でもしましたら、おのずと相手のことは分かると思います」 「そうだな」 愛賀から写真を送ってきてくれたことを機に会話が発展することが多かったが、たまにはこちらから会話した方がいいだろう。 会いに行った際に「お忙しい中」と言うぐらいだ。メッセージを送ることも遠慮しているだろうから。 さて、何を送ろうか。 「これは一つの案ですが、出先で姫宮様に食べさせてみたいと思うものを贈られてはいかがでしょう」 「なるほど、それはいい」 外に出ることが難しい彼だ。ならばここぞとばかりに贈るのもいいかもしれない。 無難で面白みがないのではと思ったが、そうと思うとその案もいいかもしれないと気になる。 さて、何を贈ろうか。 愛賀の喜ぶ顔が目に浮かぶ。 「楽しみですね」 「ああ」 早速実行し、これがいいあれがいいと見つけては愛賀に贈ってみたものの、「私、すぐには食べきれないので控えて頂けますとありがたいです」という愛賀からと「姫宮様は食が細い方ゆえ、できれば控えて頂けましたらと思います」という安野のメッセージが共に送られてきたことで、愛賀を困らせてしまったと頭を抱えることとなったのであった。

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