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幸せの在処
“幸せ”とは何か。
他より優れていることか、非凡であることか。
より多くを手に入れ、“普通”を凌駕することなのだろうか。
だとしても、別に多くは望んでいない。
“普通”でいい。
だけどその“普通”のハードルはいやに高いものだ。
どんなに身を削って努力したって、やっと人並みになれたと思ったら
人々はもっと先をいっているし
別にそれでも良いと、多少は劣っていてもしょうがないと思っていても、世間はそれを許してくれない。
普通とは一体なんなのだろう。
仮にその先にあるのだとすれば、果たして幸せとは一体どれだけ高い位置にあるというのだろう。
そもそも普通になれない時点で、手に入るものではないとすれば
何故自分は“そう”なのだろう。
幸せを手に入れられる人間は、そもそも限られた存在で
だとすれば
産まれた時点で、決められているものなのだろうか。
そう思えてならない男が1人いた。
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