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可愛い子と恐い人シリーズ
*第3者から見た美月 と新名 *
【スーパーの客side】
あら、どうしましょ。
見ちゃいけないものを見てるかもしれないわ。
「ねえねえ」
「どうしました?」
カートを押す女の子の背後から、覆い隠す様に立って一緒にカートを押してるお兄さん。
笑顔が胡散臭いのよねぇ・・・。
詐欺師かなんかみたいに思えちゃうけど、一緒にいる女の子が純真無垢って感じで可愛くて、悪そうな雰囲気が相殺されてる。
あれ、大丈夫かしら。
兄妹、よね?
それにしたって近くない?
「卵って、白とオレンジあるの、どおして?」
「確か・・・産んでる鶏さんの羽の色によって、違うんだったかと」
「じゃあ、オレンジのは、オレンジ色のニワトリさんが産んだの?」
「そうかもしれませんね」
オレンジの鶏なんていないでしょ。
茶色よ、たぶん。
「味、違う?」
「どうでしょう?両方買って行きましょうか」
味は変わんないんじゃない?
味付け次第じゃないかしら。
「あとぉ・・・なに買うの?」
「何が食べたいですか?欲しい物は?」
とりあえずスーパーで見ながら献立考えるのかしら。
ほんと、毎日大変よねえ。
「時任 さんにお買い物リスト、もらわなかった?」
「渡されましたね。ええと・・・バター、小麦粉、チーズ、牛乳、マカロニ、だそうです」
「んー・・・グラタン?」
たぶん正解ね。
兄妹でお使いに来たってとこかしら。
兄妹・・・・・・なのよね?
「玉ねぎは?駿河 さんが嫌いだから入れないのかな?」
「ストックがあるからリストにないだけですね、たぶん。時任なら容赦なく入れるでしょうし、ホワイトソースが絡んでれば、駿河も食べられるでしょ」
「そっかぁ」
まあ、好き嫌いする子がいるの?
気付かれない様に混ぜるのって、面倒なのよねぇ。
「パプリカも買って行きましょうか」
「リストにないのに?麗彪さんにいじわるしちゃだめだよ、お兄ちゃん」
「・・・っ、すみません、義理の弟が可愛くてつい虐めたくなるんです」
お兄ちゃんって呼ばれて悶えてる様に見えたの、気のせいよね?
ねえ、ほんとに兄妹なのよね?
「俺の大事な妹の夫なら、好き嫌いなくパプリカでも毒でも何でも食べられる様になって欲しいですね」
「毒はだめぇっ」
・・・大事な妹の・・・・・・夫?
え、妹さん、結婚して・・・る訳ないわよ・・・あっ、え、うそ、指輪してる?
左手の薬指に指輪してる!
妹との距離が異常に近いお兄さんもヤバいけど、まだ中学生になったばっかみたいな子と結婚しちゃう男もヤバい!!
「今夜は麗彪さんたち、仕事ですよね」
「うん。ご飯食べたらお出かけするって。ぼく、お兄ちゃんと寝るぅ」
「・・・っ!・・・はいっ!ぎゅってして寝てもいいですか?」
「いいよぉ」
だめよっ!
そのお兄ちゃん、絶っ対アブナイから!
結局、止める訳にもいかず、不安ばかりを残したまま、可愛い女の子と怪しいお兄さんがレジへ向かうのを見守る事しか出来なかったわ・・・。
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