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可愛い子と恐い人シリーズ
*第3者から見た美月 と片桐 *
【ローラー滑り台の管理人side】
おや、また来ている。
優しそうなパパさんと、無邪気で可愛い娘さん。
娘さんがこのローラー滑り台をいたく気に入った様で、今年に入って来るのは既に3回目だ。
「片桐さぁん」
「はあい。おんぶですね」
滑り終わるとパパさんにおんぶしてもらい、スタート地点までやって来る。
娘さんは、小学校高学年かな。
パパっ子なんだろう。
おんぶされてとても嬉しそうだ。
「ねえ、ぼくが100kgになっても、おんぶしてくれる?」
「しますよ」
「やったぁ!」
100kgという数字のチョイスが、正に小学生だな。
100イコール大きい数字、なんだろう。
まあ、そんな体重にはならなそうだけど。
「片桐さんが前で、ぼくが抱っこしてすべりたい」
「それだと、美月くん前が見えませんよ?」
「片桐さんが見えるよ」
「ははっ、私を見るんですか」
前が見えないという理由で娘さんが断念するのを狙ったパパさんだったが、結局希望に沿う事にした様だ。
パパさんの大きな背中に、ひしっと抱き付く娘さん。
・・・コアラかな。
「ちゃんと掴まってくださいね?」
「はぁい!」
パパさんは、娘さんが離れてしまわないか不安な様で、終始後ろを気にしながら滑って行く。
ゴールに着きパパさんが立ち上がると、コアラの娘さんは彼の背中にくっ付いたままだった。
「どうしました?」
「なんかね・・・とっても安心だった!」
多少なりともあるローラー滑り台のスリルが、頼もしいパパさんのおかげで失われたらしい。
それじゃつまらなかったのでは、と思ったが、娘さんはとても満足そうだ。
本当にパパさんが好きなんだなあ。
「次は前に座りますか?」
「うん。・・・あっ、後ろ向きにするっ!」
本来であればダメなんだけどね、まあ、パパさんと一緒だし、いいか。
おんぶから抱っこに変えて、パパさんと娘さんは向かい合わせになってスタートした。
「ちょっとこわぁいっ!」
「大丈夫ですか?」
「楽しいーっ!」
そう言ってはしゃぎながら、パパさんにぎゅっと抱き付く娘さん。
こんなに可愛いと、嫁には行かせたくないだろうなあ。
まあ、まだまだ先の事だろうけど。
「・・・おや、麗彪 さんから電話です」
ゴールして、再び上がってくるのかと思ったら、パパさんに電話が入った様だ。
少し話してから娘さんを抱き上げ、こちらにウレタンマットを返しに来た。
もう帰る様だ。
「麗彪さん、なんて?」
「いつまで俺の嫁を独り占めするつもりだ、だそうです」
「ふふっ、ぼくの旦那様はさみしがり屋さんだもんね」
・・・・・・・・・なんて?
だんなさま・・・旦那様?
結婚してるの?
いやいやそんな訳・・・あ、左手の薬指にきらりと光る指輪が・・・!?
そんなまさか、どう見ても人類が敵いそうもないパパさんがいて、その娘さんに結婚を申し込み受理される者がいようとは・・・!!
娘さんの旦那は人外か?
「寂しがりやの甘えん坊さんなんですよね」
「うん、そーなの。帰ったらいっぱいいい子いい子してあげなきゃ」
人類が敵わないであろうパパさんから、娘さんを奪った人外に、いい子いい子してあげる娘さん・・・最強なのでは・・・?
いやそれより、娘さんおいくつなんですか!?
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