2 / 6
2.
昨日の夜もベッドに置かれていた、初めて一緒に水族館に行った時に買ってもらったペンギンのぬいぐるみや、"たーちゃん"ままや"うえやまさん"にもらったハニワの編みぐるみで遊んだりしつつも、発音を教えてあげたりした。
けど、寝る前に夢中になってそんなことをしていたものだから、きっと"たーちゃん"はいつも寝る時間より遅く起きていたからかもしれない。起きる気配がない。
ベッドサイドチェストに置かれていたハニワ型の時計を見る。
ぼくは起きている時間だけれど、"たーちゃん"はゆっくりらしい。
幼稚園に行ってないみたいだから、朝はゆっくりなのかもしれない。
"たーちゃん"は外に行くのが難しいらしい。それがなんでなのかよく分からないけど、いつしか幼稚園に一緒に行けたらいいのにと思う。
一緒のクラスになったら、何をするんだろう。
"たーちゃん"のことだから、外には行かず、クラスでずっとお絵かきをしているかもしれない。
その隣でずっと見ているのもいいかもしれないけど、外でブランコに乗ったり、すべり台したり、砂場で山を、それよりもハニワを一緒に作ったりしたら楽しいかもしれない。
一緒に行きたいな。
「たーちゃん、おきないかな⋯⋯」
いっぱいおしゃべりがしたい。
いっぱいあそびたい。
それから隠し持っている"たーちゃん"へのプレゼントをあげたい。
そういえば、と枕元を見るとやっぱりあった。
寝る前にはなかった赤い袋が二つ、それぞれの枕の近くに置かれていた。
「わぁ⋯⋯っ」と上げそうになった声を慌てて手で塞ぐ。
まだ"たーちゃん"は寝ている。起きるまで静かにしてないと。
でも、早く起きて欲しい。一緒にこの喜びを分かち合いたい。
ともだちにシェアしよう!

