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「ままは、となりのへやにいるとおもうよ。いく?」 「⋯⋯れ、⋯⋯すけ⋯⋯?」 「うん、そうだよ」 「⋯⋯」 そう呟いたきり、口を閉じた。 何か考えているのか、それともまだ頭が起きないのだろうか。 けれども、"たーちゃん"ままの次にぼくの名前を呼んでくれて嬉しかった。 ぼーっとしているらしい"たーちゃん"の様子を見ている時、おもむろに身体を起こした。 ようやく起きるようだ。 あ、だったらいま、いえるかな。 「ねぇ、たーちゃん。ぼくたちいいこにしてたから、さんたさんから、くりすますぷれぜんとがあるよ!」 ほら、と指差してみせる。 ところが"たーちゃん"はそちらに目線をやるものの、これといった反応をしない。 まだ寝ぼけているのだろうか。 「さんたさんだよ」 「⋯⋯⋯」 「たーちゃん?」 そこでぴくりと小さく反応を見せたかと思えば、"たーちゃん"は首を傾げた。 あれ? とぼくも一緒になって首を傾げることになった。 「たーちゃんがほしかったものってなあに?」 さらに首を傾げる。 サンタさんにお願いごとをしなかったのだろうか。 けどしなければこうして置かれてないはず。 「みたらわかるかも! あけてみよう!」 考えている様子の"たーちゃん"に半ば押しつけるように赤い袋を一つ渡した。 「なんだろうね」と言いながらルンルン気分で自分の分を開けた。 プラスチック製の長方形に路線図を背景に敬礼しているようなポーズをした車掌らしきキャラが描かれていた。 「これ、ほしかったやつだ!」 CMでよく流れていたこともあって、欲しくて欲しくてたまらなくて、観る度にままに「これほしい!」とねだっていた。 それに何より"たーちゃん"と遊びたいと思っていた。

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