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第20話 検査

弟の淳一から、検査の段取りメールが届いた。 3時に体重と身長測定。 次に血液検査と尿検査。 そのあと胸部と腹部のレントゲン。 終わったらCTとMRI。 さらに診察と触診、エコー検査。 最後に楓の耳鼻咽喉科へ行ってくれ、とのこと。 豪華な検査フルコースだ。 颯太が疲れなければいいけど。 最後に「成り行きの話も聞く」と書いてあった。 ……本当にこの二人、気が合うな。 買い物から帰った後は、柔らかく煮込んだうどんを食べさせ、少し休ませた。 時間ぎりぎりまで寝かせておこう。 2時30分に起こし、マイナンバーカードを持たせ、 俺は今までの診療記録をプリントして一緒に佐久間総合病院へ向かった。 入り口では看護部長が待っていて、 初診用紙に颯太が記入し、マイナンバーカードを提出すると、 2〜3分で診療カードが出てきた。 特別扱いだな。めちゃくちゃ早い。 検査専用の2階へ向かう。 ここは総合的な検査が一気に受けられる。 「颯太、患者用の服がロッカーに入ってるから着替えてきて」 ロッカーの鍵を渡し、外で待つ。 看護部長がつきっきりで、動きが早い。助かる。 着替えて出てくると、すぐ尿検査へ。 その後は処置室で身長・体重測定、血液検査。 これもあっという間に終わる。 次はレントゲン室。 行くとすぐ呼ばれた。 なんて早いんだ。まるで新幹線だ。 レントゲンが終わるとCT。 これも5分ほどで終了。 次はMRI。これは30分ほどかかる。 「颯太、次は30分くらいかかるから、眠っててもいいよ。ただ音がすごくうるさいから我慢だよ」 頷いた。 検査室の前の椅子で待つ。 看護部長はどこかへ消えていた。 俺もトイレを済ませておくか。 スタッフ用のトイレで用を済ませた。 はあ……時間がかかる。 颯太、大丈夫かな。 やがて、ぼーっとした顔で出てきた。 「大丈夫か?」 肩を抱く。 「車いすに乗る?」 ううん、と首を振るが、足取りが怪しい。 ここは躊躇しない。 スタッフに頼んで車いすを持ってきてもらった。 「颯太、車いすに座って。医者の判断だよ」 頷いた。 次はようやく弟の内科外来だ。 名前を告げるとすぐ通された。 車いすで来たので、弟が驚いた。 「あれ?どうしたの?」 「MRIで気分が悪くなったみたいなんだ。本人は嫌がったけど、倒れると危ないから乗せてきた」 「それから颯太は声が出ないからね」 「はい、聞いてます」 「颯太君、今どこか痛いところはある?」 ううん、と首を振る。 でも動きが緩慢だ。 「胸の音を聴くね」 聴診器を胸と背中に当て、 首のリンパ節を触診する。 「喉は痛い?」 また首を振る。 「じゃあ、お腹見せてね。そこに横になろうか」 手助けして診察台に横にさせる。 なんだか、やっと……という感じだ。 疲れたのか? お腹、わき腹、下腹を触診する。 「痛いところはある?」 ううん、とまた首を振る。 「あ、ごめん、熱測ってなかった。素通りしてきちゃった」 「OK」 耳で測ってくれた。 「あれ?38度2分あるよ」 「ああ〜だからか。さっきから急に動作が緩慢で、調子悪そうだったんだよね」 「じゃあ楓には悪いけど、このまま帰って点滴するわ。 この子、栄養状態がずっと悪かった可能性があるんだよね。 結構吐くし、熱もすぐ出すし」 「なるほど。楓に連絡するから、連れて帰って休ませて。 院内処方にする?」 「いや、今のところ手持ちで足りてる。また連絡するわ。悪いね」 そのまま地下駐車場に連れて行き、車に乗せた。 先に看護部長へ「会計せずに帰る」と伝えておいた。 よし、帰ろう。

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