2 / 5

どんなおっぱいでも愛せる宇佐美さん

 動画?  がやがやと人の声が聞こえて、なんとなく見覚えのある居酒屋の店内の画が出てきた。  あ、これ。 「これ……この前の呑み会やんな? みんなでやった」 「そう。同期と後輩で呑んだやつな」 「これがどうしたん?」 「お前、こん時のこと覚えてる?」 「いや、こん時は……」  そこで記憶を辿ってみる。これは確か、二週間前ぐらいだった。会社の同期と仲のいい後輩数人で、全社員総出の大きなイベントが無事終わった慰労会みたいなんを開いたんやけど、久しぶりにゆっくり呑める機会だったから、随分呑んでもうて。途中からばっさりと記憶がなくなってんねん。  後から後輩の田口(たぐち)が送ってくれたのは聞いたから知ってんねんけど。記憶をなくした部分については誰も特に言及してへんかったし、俺も気にしてへんかった。 「……俺に何が起こったん?」 「まあ、観とって。これ、田口が撮ってたんやけど、コピーさせてもろてん」  確かに、画面の中には宇佐美も映っとるから、宇佐美の言う通り田口が撮ったんやろうけど。ちなみに俺は、宇佐美の反対側に座っとった。宇佐美の隣には後輩が一人、俺の隣には同期の高坂(こうさか)がおった。 『いや、やっぱ尻やろ』 『ちゃうって。おっぱいやって。そこは譲られへん』  宇佐美と高坂がやいやい言い合いしてるのを、隣の後輩が苦笑いしながら見ていた。俺はただひたすら焼酎をあおって赤ら顔で笑っている。この二人の会話も状況もぜんっぜん覚えてない。  俺と高坂は同じ部署なのもあるし、同期の中でも仲良くしているほうで、そこに後輩の田口が入って三人で遊ぶことが多かった。高坂は誰とでも仲良くなれるタイプだったし、宇佐美とも気さくに話すくらいには付き合いがある 『ほんま、宇佐美っておっぱい好きやなぁ』 『俺はどんなおっぱいでも愛せる』 『あはは。それ、昔から言うてるよな』 『大きさ関係あらへん』  そこに、後輩が会話に入った。 『宇佐美さんなら選びたい放題じゃないんですか?』 『そんなことあるわけないやん。ご無沙汰や、最近。おっぱいに会うてへん』 『ご無沙汰なんや』 『おん。めっちゃ、恋しい、今。会いたくて堪らへん』 『そしたら探したらいいじゃないですか』 『いや、もう、おっぱいまで辿り着くんが面倒やねん。どうせやったら、一気におっぱいまで段階すっ飛ばしたいんやけど、そうもいかへんやん?』 『そうやな。おっパブって手もあるけど、金もかかるしな。満足いくおっぱいに会えるかも分からんしな』 『そうやねん。お金出してがっかりしたくない』  そこまで観て、ほんま、こいつらは尻とか乳とかの話が好きやな、と呆れた。これが、社内で人気を二分するイケメン二人の会話だと女子社員が知ったらどう思うのか。

ともだちにシェアしよう!