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むっつりスケベな宇佐美さん

 明るくて人当たりのいい正統派イケメンの高坂。クールで落ち着きのある色気系イケメンの宇佐美。根明な高坂は女好きを公言しとるし会話がオープンなのも分かるんやけど、宇佐美は詐欺やと思うてる。人見知りの無口で通っているらしいけど、俺たちの前ではべらべら喋るし、エロに関してはむっつりスケベやし。  こいつらはくだけた席になると、すぐに下ネタを話したがる。特に宇佐美のおっぱい好きは、同期の間では有名だ。事あるごとにおっぱい談義を俺たちに求めてくる。  ただし、宇佐美はがさつな俺のことは苦手らしくて、あまり直接絡んでこない。だから、俺と宇佐美は高坂を通してこんな風にたまに呑むくらいなんやけど。  ちゅーか。田口もなんでこんなん撮ってんねん。 『もう、こうなったら男でもええもん。触らしてくれるんやったら』 『えー、それはないやろぉ。膨らみないやん……ってうわっ!!』  そこで、それまで一人で上機嫌になりながら大人しく酒を呑んどった俺が、立ち上がろうとしてバランスを崩し、そのまま高坂へとダイブした。  ほんま……俺、恥ずいわ。 『小野さん、大丈夫なん??』  画面越しに田口の声が大きく響いた。それでも撮影を止めないところ見ると、あいつ、面白がっとんな。  俺が赤ら顔でへらへらと笑いながら起き上がった。 『ごめん、ごめん。足元フラついてもうて』 『ていうか、優太、呑み過ぎちゃう?』 『そんなことないでぇ。で、なんの話やった?』 『……いや、優太、話入ってへんかったやん』 『聞いとったってぇ。あれやろ? 宇佐美のおっぱいの話やろ?』 『宇佐美のちゃうけど……宇佐美が最近おっぱいとご無沙汰やから触りたいねんて』  そこで、俺が宇佐美のほうを見た。 『そうなん?』 『おん』 『おっぱいなん、そこら辺にいっぱいあるやんか』 『……いっぱいないわ。どこにあんねん』 『だって、みんな、付いとるやん。高坂やって、俺やって』 『いや、そういう意味ちゃうねんけど……』 『あ、だけど、さっき、宇佐美、男でもええ言うてたやん』 『いや、言うたけど……』 『なんや、宇佐美、男のでもええんか? そしたら、俺の触らしたろかぁ?』  相変わらずへらへら顔で俺が陽気に言うた。  ……俺のアホ。なんでがさつさ全開やねん。  すると、宇佐美があからさまに嫌そうな顔をした。 『自分、何言うてんの?』 『ええって、ええって。宇佐美、困ってんのやろ? 俺のでよかったら触らしたるでぇ』 『いや、いらんから』 『遠慮せんでもええって。減るもんちゃうし、後からセクハラやなんやら騒がへんから』 『ちょっと、優太。ほんま悪酔いし過ぎちゃう? 大丈夫?』  高坂が心配そうに会話に入ってきたが、顔が明らかにこの状況を楽しんでニヤけとった。 『優太が触らしてくれるって言うてるんやから、宇佐美、触らしてもらったら? 段階飛ばせるやん』 『はあ?? 高坂まで何言うてんねん』 『ええやん。大きさ関係ない言うてたやん。そしたら優太のでも最悪我慢できるやろ?』 『最悪ってなんやねんな』  俺のそのツッコみは完全に無視されとった。  そこで、なぜか宇佐美がニヤリと意地悪そうに笑って態度を変えてきた。 『まあ、そこまで言うなら触ったってもええけど』 『なにその宇佐美の上から目線』 『だけど、俺のお触り、えげつないで』 『なにそれー?』  高坂が嬉しそうに食い付いた。おいおい、俺なしで話が勝手に進んでるやんっ。俺、酒呑んでる場合ちゃうでっ。つまみ美味そうに食べてる場合ちゃうでっ。もうぜんっぜん会話聞いてへんやん。さっきおった後輩も呆れたんかどっか行ってもうたし。 『やっぱ、触らしてもらうんやったら存分にさせてもらいたいわけやん?』 『うわぁ。宇佐美のほんまえげつなさそう……』 『まあな。それでもええんやったらやけど』 『どうするん? 優太ええの?』  そこで高坂が俺に話を振った。俺はきょとんとした顔をして高坂を見返しとる。あ、あかん。あれは完全に頭回ってない顔やわ。 『何が?』 『やから、なんでもありでええの?』  おいっ、高坂っ!! なんでもあり言うてへんやろ!! 勝手に解釈変えてるやんかっ!!  画面の中の酔っ払いの俺がふにゃりと楽しそうに笑って元気に答えた。 『おん、なんでもええよぉ!』 「…………」  画像はその直後、あ、電話かかってきたわ、という田口の声で終わっとった。

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