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6.
「は⋯⋯ぁ、はぁ⋯⋯取って、とって⋯⋯は⋯⋯」
「うるさいよ。このぐらいのことを耐えられないと、お客さんのことを悦ばせられないよ」
「⋯⋯っ」
ヒュッと喉が鳴った。
茶目っ気のある声音から一変、地響きのような声で言ってきたものだから、危機を覚えたからなのだろう。
その怒り声に愛賀も人知れず震わせた。
「うるさいから、今度はこの枷でもしてもらおうか。ほら口を開けて」
「⋯ぁ⋯⋯あ⋯⋯」
「ほら早く」
「が⋯⋯っ、ぁ⋯⋯っ」
無機質な音に小さく唸っているような声が聞こえた。
「これで、よしと。⋯⋯君はこれからすることをそこで見ててね〜。静かにしているんだよ〜?」
さっきと同じような調子で言った男性は、"誰か"と手枷で繋がれた箇所を外し、それから愛賀の口枷を外した。
「ボクのがどこにあるのか、分かるかなぁ〜?」
無邪気な子どものように言う。
"誰か"にそこで見ててと言い、口枷は外したものの、目隠しを外さないのはそういうことだったのか。
声からしてまだ真後ろにいるはず。
その声を頼りに恐る恐るといったように顔を動かす。
すると客が「ほらほら」と手を叩いて主張する。
やはり真後ろかと、両手足が不自由であるものの、足首だけ戒められているため、まだ自由である膝で歩いていき、恐らくここであろう付近で身を屈め、ゆるゆると顔を動かした。
ぬるり、と頬に粘液と思われるものが触れた。
そのままゆっくりと擦り寄せる。
「さすがだねぇ、あいがは」
嬉しそうにして頭を撫でる。
ビクッと身体が反応した。
視界が遮られていることによる、急な行動の恐怖と感覚が過敏になっているからかもしれないが、部屋に充満しているお香にする興奮を促進しているせいでより敏感になっているせいだと思われる。
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