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第7話
俺に抱かれてからしーはますます綺麗になった。
たまに買い物とか出掛けると前より熱い視線がしーに注がれている
自慢したくてだけど見て欲しくなくて一緒に出歩くのもしーを出歩かせるのもあまりいい気はしなくなった。
仕事に行くのは1人で行くからどこでどんな見られ方をしているのかわかったもんじゃない。
閉じ込めたい…誰にも見られたくない…俺だけ見てればいいのに…俺と二人きりの世界があればいいのに…
なんて嘆いてみても実際そんなものは無理なわけで。
どうしよう…どうすればしーを俺だけのにできる?
どうすればしーはずっと俺のもので居てくれる?
「しー。結婚しよっか?」
「え?」
「俺じゃいや?」
しーと暮らしている地域は実はパートナーシップ制度が導入されたのだ。
「しーと…ずっと一緒に居たい…だめかな?」
困った顔をして俯いたしー。だけど…
「…はい。宜しくお願いします」
…ふふっ…そういうと思ってた…だってしーは優しいから…今でも他の男を好きな罪悪感もあるし絶対に断らないって確信してた
すぐに俺達は届けを出して少しだけ広い部屋に引っ越して新しい生活を始めた
生活は本当に順調だった。喧嘩なんて一度もしたことない。本当に穏やかに時を過ごし始めたんだ。
新しい生活が始まって暫く聞き慣れない着信音が響いた。
しーは驚いたように目を丸くしてこちらのことを気にしながら悩みながらも電話に出た。
『もしもし』
電話から漏れ出ているのはとても優しい声。
声を聞いた時のしーの表情が俺には見せたことのない表情になる…あぁ…そうか…あいつだ…しーを振ったあいつ…多分そう。
『桜見にきたんだ。出てこれる?』
しーの気持ちをを尊重する声だ。すごく嫌な予感がする。多分この声って…もしかして…だけど…
「しー。行っておいで」
そっとささやくと少し悩み頷いた。嬉しそうに準備をして家を出た後ろ姿。
このまま帰ってこなければどうしよう…
本当は行かないでって縋りたかった縛り付けたかった…だけど俺はそいつの代わりでいいと…好きになってくれなくていいと…利用していいと…自分で話したんだ。どんな手を使ってでもしーを捕まえたくて…だからそんな事言えない…余裕なふりをしないとならない…
だから行くよう促した。なのに不安で不安でたまらなかった。
珍しく持ち帰っていた仕事も手につかず部屋の中をウロウロと動き回る。
たった数分、数十分が何時間も何日も過ぎているような感覚で爪を噛む。
「しー…戻ってこい…俺のとこに…そしたらもう出してやらない…誰にも触れさせない。俺だけのに…」
ぶつぶつ呟いていると足音が聞こえる。
「ただいま」
しーだ!!ちゃんと俺のところに帰ってきてくれた…
しーは俺の姿を見つけると胸に飛び込んできた。
「あの人だったよ。でもね会ってみて分かった。もう僕にとって彼は過去の人なんだなって。今はミィくんを愛してるんだって気付いた…だから…大丈夫だよ。僕はもう君だけのだよ」
ウソだな。そう瞬時に理解したけど知らないフリをした。
ぎゅっとしーを抱きしめる。
しーがぎゅっと俺を抱きしめ小さく呟いた
「ねぇ。抱いてくれる?」
その日のしーはポロポロと涙を流しながら俺に身を委ねた。
ねぇ。しー…どうしたら俺だけのになるんだろう…俺から離れられなくなるんだろう?
…あぁ…そうか…子供を作ればいい…そうだ…今男性でも妊娠できる薬が開発中であと数年すれば…
まずはしーを俺に抱かれないとダメな体にしよう…
…俺は少しずつしーを孤立させ俺だけを求めさせそして仕事を辞めさせた。子供を産む準備をしようと言い聞かせて。
ねぇ。しー誰よりも愛している…誰よりも大切な人…
けど俺には…絶対に気持ちを向けてくれないとても憎い人…
誰よりも愛してるよ…しー…
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