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第26話 学園は神聖な場所……
エストレヤの気持ちを聞いてから我慢はやめた。
以前のように離れる度にキスをして、昼休みもあの中庭で抱きしめ合いながら語らった。
その合間もキスをしてエストレヤの身体に触れていた。
制服を捲ろうとすると、そこは止められた。
「ダメか?」と俺なりに作った悲しい顔で尋ねても「ダメ」と断られた。
確かに、最近中庭に来る人間が増えた気がする。
チラチラと盗み見られたり、スレ違い様には気のある目線を向けられていた。
俺にそんな視線をやっても無駄なのに、こいつらは他人のものでも平気で奪おうとする奴らだったのか。
「エストレヤ…キスして。」
「えっ…あっ…ここで?」
俺の申し出に狼狽え、周囲を確認していた。
当然近くで聞き耳を立てていた奴らにも俺の言葉は届いていた。
「そっ、ここで。」
「僕から…。」
「そっエストレヤから。」
俺がエストレヤを望んでいる事を見せる為に。
「……ひゃっん…だめぇ。」
教え込んだように俺の膝を跨いで座らせてるので、いつも俺を受け入れている場所を刺激するのは容易かった。
刺激してやれば可愛らしく反応し一瞬で瞳が潤む。
「キスしてくれないと、もっとする。」
脅迫してみれば、エストレヤはあからさまに慌だした。
周囲も昨日までの俺との違いに戸惑いながら確認していた。
信じられないんだろう、エストレヤではなく俺のが追いかけているのを。
俺の耳にも入ってる。
「エストレヤが俺に付け込んでいる」と。
そんなくだらない噂にエストレヤが振り回されて欲しくない。
「学園ではキスまでだからね?」
「………」
先に釘を指された。
いずれ…を考えていたから、キスまでなんて約束できない…したくない。
「グラキアス様っ」
俺が「キス」だけを了承しなかったのを察したのだろう。
約束は…意地でもしない。
「…わかった、それ以上する時はエストレヤの許可を取ってからにする。」
「学園では絶対に許可しません。」
強気に発言するも、その言葉の意味をちゃんと理解しているのか?
「学園ではねぇ…。」
「………」
俺の返しに自身の言葉を理解し「しまった」という表情が面白い。
部屋に戻ったら離さねぇけどな。
「エストレヤ…してくんねぇの?」
「…グラキアス様は…嫌じゃないの?」
エストレヤは視線で周囲を確認していた。
周囲を気にしすぎだ、他人なんてどうでもいいだろ?
俺だけをみろよ。
「嫌だったら言わねぇよ、俺はいつでもエストレヤからされてぇって思ってる。」
「…ん…する…よ?」
「あぁ。」
ちゅっ
そんなんじゃ足りねぇよ。
…けど、エストレヤは顔を真っ赤にして俯いていた。
人前でのキスは未だに照れるんだな…。
「可愛い」と呟き、ぎゅっと抱きしめエストレヤの肩におでこをつけていた。
チャイムがなり、生徒が教室に戻り始めていく。
エストレヤも俺の膝から降りようとするので抱きしめる腕を強くした。
「エストレヤ…そんな急がなくても良くないか?」
「…だっだめだよ…授業…遅れちゃうよ?」
「…真面目だな。」
渋々手を緩め、俺の上から離れていく。
エストレヤの腰を抱きながら教室まで戻った。
俺の禁欲は長続きしなかったな。
俺の行動ってウザくねぇか?
束縛男、ストーカー彼氏か?
ヤベェなぁ。
そういう奴にはならないって思ってたんだけど…人を本気で好きになるってこうなのか?
余裕…ねぇんだな俺。
教室で別れる時も触れるだけのキスをした。
今はエストレヤも受け入れてるが、一度面倒や邪魔・鬱陶しいという感情が生まれたら加速度的に膨れ上がる。
そうならないようにとあせればあせる程正反対な行動を取ってしまう。
今のところはエストレヤに近づく奴を牽制と言えるが、今後もその言い訳が通用するとは言えないよな…。
自重か…今の俺には難しいな。
早く授業終わんねぇかな?
当然今日もエストレヤを俺の部屋に連れ込んだ。
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