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第27話 学園主催ねぇ……
「もうじき学園主催のパーティーが行われます。正装しての参加は決定事項なので、衣装が無い者はプロフ先生の所へ行くように」
学園主催のパーティー。
毎年同じ時期に学園パーティーが行われ、正装して社交の予行演習をする場だそうだ。
学園主催のパーティーの為、格式張ってはいないが学生達は自分達なりに大人達に近づこうとしている。
過度な装飾品はせずとも洗礼された衣服を着て会場に降り立つ。
財力・権力・領地・人脈、様々な思惑を自分達なりに乗り越えなければならない。
パートナーは強制ではないが、婚約者や友人同士で参加し一人で参加する者は少ない。
その為、この時期が近付くと生徒達は浮き足立っている。
婚約していても同伴しない者もいるので、陰で駆け引きが行われている。
婚約者同士でも無理に参加することはない…そうなったのは王子とグラキアスが関係している。
二人は同伴した事がないからだ。
王子は二年間婚約者ではない者を同伴させ、グラキアスは常に一人孤高の存在だった。
陰でグラキアスに声をかけた者は存在していたが、誰の誘いも受けず恥じることなく堂々と一人で参加していた。
なので、パートナーが居ない者も気兼ねなく参加することが出来ていた。
「グラキアス様はパートナー決めていらっしゃるんですか?」
目をキラキラさせながら見上げてくる男はオプトなんとか。
記憶を失った俺が教室で初めて声を掛けてしまった奴だった。
「パートナー…ねぇ。」
そんなもんエストレヤ以外考えてねぇよ。
「もし、よろしければ僕が…。」
「僕が?」
「パートナーをさせてください、記憶を失われて衣装の事など色々わからないこともあると思うのでお手伝いが出来るかと…。」
「俺に気を使わなくていい。」
そこで話を終わらせた。
移動教室の僅かな隙にパートナー希望を申し出てきた。
昼も放課後もエストレヤにべったりだから話せるのはそこしかないと思ったんだろうが、寧ろあれだけべったりしている人間を誘うというのはそんなに追い詰められてたのか?
パートナーなんて強制じゃないのに、貴族社会は大変だな。
こいつも貴族なんだろ?名前もろくに覚えてないから爵位どころか、貴族なのかも曖昧だが。
エストレヤの方もきっと教師からパーティーの話されてんだろう。
当然エストレヤと参加するつもりだが、あいつは俺を誘うか?
他の奴の誘いに乗ったりしないよな?
パーティー用の衣装…んなもんクローゼットにあったか?
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