85 / 156
第85話 過去の俺を必要とするもの、今の俺を知りたい者
「グラキエス様」
「ん?」
向かいから俺の事ガン見してくる奴が居たが気にも止めずにすれ違おうとした時、見知らぬ人間に呼び止められた。
「グラキエス様…僕の事…分かりますか?」
「…知らねぇなぁ。」
知り合いだったのか。
「…記憶は…まだ…。」
「あぁ」
誰だ?
「失礼しました。僕は生徒会でグラキエス様に良くしていただいた、カウンシルと申します。」
「あぁ、生徒会…。」
なんか教師にも生徒会がどうのこうのって言われたっけ?
「グラキエス様は生徒会に戻られる事は有りませんか?」
「…記憶がないんだ、入っても邪魔になるだけだろ?」
「邪魔だなんてそんな、僕がお手伝いします。させてください。」
…こいつは過去の俺を慕っていたのか?
それとも何か企んでか?
「いやっ…なんでそんなに必死なんだよ?」
「僕は以前グラキエス様に色々とお世話になりました。なので、今回は僕がグラキエス様のお手伝いがしたいんです。」
これは本心か?
真剣な表情に見えるが、俺はこいつが本当の事を言っているのか判断できないでいる。
「…俺は生徒会にも興味はないし、迷惑掛けるって分かってて復帰するつもりはない。」
「…っ…」
「もし過去の俺に助けられたとか~だったら忘れていいから。」
「…そんなっ…。」
「じゃあな。」
「…アフェーレ…殿下の…事は…?」
「…覚えてねぇな、何一つ。」
殿下って金髪野郎だろ?
アイツがアフェーレって名前なのも今知ったくらいで、知らなかったことにも気付かなかったし知りたいとも思ってなかったわ。
「殿下が別の人と婚約しても?」
「良いんじゃねぇの?」
「…っ…」
何でお前が悲しんでんだよ?
王子狙いでも俺狙いでもなく…あっ第二妃狙いだったのか?
だから傷付いたのか?
「俺は既に婚約者居るから、王子と婚約することは無ぇから。」
「………。」
ここはハッキリ言っておかないと、巻き込まれる可能際が有りそうだと判断した。
「話、それだけなら行くぜ?」
「………」
返事がなかったので彼の横を通りすぎれば、引き留められることはなかった。
始めてだな、はっきりと過去の俺に声を掛けてきたの。
「グラキエス」
今度は誰だよ?
今日は良く声掛けられんな。
振り向くとそこに居たのは、生徒ではなく教師だった。
確かに「グラキエス」と呼ばれた。
俺をそう呼ぶのはティエンダとフロイントはまだ呼んだことはないが許可している。
他は教師だけか…。
「はい」
呼び出しを食らうような事はしていなかったと思うが…。
あえて言われるとしたら、婚約者と仲が良すぎることくらいか。
えっ?説教?
「訓練はしていますか?」
訓練…ダンスの事か?
「まぁ、それなりに。」
「順調ですか?」
「はい」
「報告がありませんが?」
「報告?」
ダンスの報告って必要か?
「えぇ教師として知る必要があると話してあったはずですが…。」
「………」
ダンスだよな?
「やはり、私も一緒に訓練参加しますか?記憶もまだなようですから。」
「いえ一人じゃないんで問題ないです。」
「…そうですか。確認次第教えてください、私は魔法担当の教師ですから…それでは。」
魔法担当の教師?
ダンスの事じゃないのか?
…あっ、なんか討伐の後言われてたなでも。
属性を確認とか…忘れて…。
…有ったな、そういう話も。
確かあの教師だったわ…。
ともだちにシェアしよう!

