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第115話 余計目立ってる

再びシャワーを浴びて今回はバスローブではなく服を着た、でないと終わりがない。 エストレヤには当然俺の服を着せ、食堂まで腰に腕を回して歩くのは俺のものだと言う宣言でもあるが、抱き続け膝立ちにさせたのでエストレヤは今足元をふらつかせていた。 心配で抱き上げると言ったが拒まれてしまった。 俺にしがみつきながらフラフラと歩く姿は、誰が見ても先程までしてましたと言っているようなもの。 午後の授業もサボったんだ今の俺達の姿をみたら完全に何をしていたかバレているだろう。 エストレヤは目立ちたくなくて歩くと言ったのかもしれないが、俺に確り捕まりフラフラする姿は余計目立っているように見える。 食堂に足を踏み入れればざわめきが消えていく。 噂の真相を話したのは数時間前、金髪が犯人だと伝えても王家の制裁を恐れ噂は広がらないだろうと思っていたが食堂の様子からして広まったように見える。 案外広まるもんだな。 エストレヤを席に座らせ食事を持ってくると伝え席を離れた。 一人にさせるのは心配だったが、トレイを持たせて歩かせるのも危険だった。 静かに注目されているのは分かっていたので態とらしく俺が強引にキスをした。 俺が一人でいても声を掛けてくる者は居なかったし、振り返りエストレヤを見ても変に絡んでいる者も居なかった。 寧ろそこだけ人も居なかった。 最近は二人分の食事を持つのも慣れたな。 エストレヤの待つ席まで向かい、トレイを目の前に置いた。 俺を見上げるエストレヤを見ると自然と唇に振れていた。 唇を離すのが名残惜しく長い時間キスをしていた。 「アティ…もぅ」 「…そうだな。」 俺達は漸く食事を始め、食べ終わる頃にティエンダとフロイントが現れた。 手を繋いで現れた二人は順調なんだと安堵する。 食事を取りに行くティエンダに席を確保する為に見渡しているフロイントと視線があった。 俺と目が合うとまだ緊張するのか、席を共にして良いのか悩んでいるようだったので空いてる席を指差した。 俺の許可を得たことで俺達の対面に座ることに。 ティエンダとフロイントはお互い相手を頼る事を覚え、仲を深めているようだ。 「イグニス様、体調は平気ですか?」 「へっ…ぅん…大丈夫。」 フロイントの心配でエッチで身体が辛いなんて言えずエストレヤは顔を赤らめていた。 純粋に心配され、返事に困惑しているエストレヤが面白かった。 「フロイントなんか聞いたのか?」 俺達が今までエッチしていたと婚約初心者のフロイントが気付くはずはないし、気付いていたら態々揶揄うような質問をするはずがない。 だとすると別の事で体調を心配したはず。 「はぃ…イグニス様が教室で…噂の真相について追求されたと…。」 エストレヤは言葉を失っていた。 「それで?」 「噂は全てデタラメだったと…。」 「…デタラメ?他には?」 「…ぃえ、それだけです。」 ふぅん。 事実ではないことは言えても、真実は言えなかったか…。 王族の恥を言いふらす事になるからな。 貴族社会ではこれが限界か。 それでも満足行くものではないが、少しは落ち着くだろう。 ティエンダが食事を持って戻ってきた。 「待たせた。」 「いえ、ありがとうございます。」 ティエンダの登場にフロイントも笑顔で出迎えていた。 初日とは打って変わり、二人のぎこちなさは大分無くなり今の二人を引き裂く事を考える奴は…居てほしくないな。 ここで「キスぐらいすれば?」と言いたかったが止めた。 二人には二人のペースがあるだろうし、パーティーでしたとはいえあの雰囲気だから許されることで普段の食堂で突然のキスは二人にはハードルが高すぎるか。 パーティーで見たが二人のキスって触れるだけで、もどかしかしく進展も遅そうだな。 二人を見ている間にエストレヤも食べ終えていた。 「んじゃ俺達、先行くわ。」 「「はい」」 「エストレヤ行くぞ。」 「うん」 トレイを片付けエストレヤの腰を支えるという名目でイヤらしく腕を回し食堂を出た。

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