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第1話
「ミツル、ありがとう。」
パンイチの男が俺からゴムの入ったビニール袋を受けとる。
ど深夜にこいつからの電話で俺はわざわざゴムを買いにコンビニへ走った。
「ねぇ、ヒロまだー?」
「ごめん、ユミ、すぐに行くよ。」
男の後ろから甘えるみたいな女の声がする。
お楽しみの最中なのだろう。
「女の子、待ってるから。またね」
ヒロは俺を抱き寄せて、耳元で囁いた。
ヒロから仄かに汗の匂いが香る。
「セフレにゴム買って来させるなよ。またな」
ヒロから逃げるみたい離れて、階段を駆け降りる。
冬だっていうのに、耳が熱い。
また、やってしまった。
ヒロからこんなことで連絡が来たのは、一度や二度ではない。
酷いときには、ベットまでゴムをもっていかされてヒロと他のやつがセックスしてるとこをガッツリ見せられた。
俺はため息をつきながら、ポッケから煙草とライターを取り出した。
報われない恋をしている自覚はある。
それでも、いつかあいつが俺を見てくれるんじゃないかって、淡い期待をいだいて俺はあいつの側にい続ける。
煙草の煙が夜の空に消えていった。
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