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第2話
「そんな男、やめちゃいなさいよ。ミッくん」
あのまま1人で家に帰るのは寂しくて俺はいきつけのバーによった。
マスターの言う通り、やめるべきだ。
でも、好きになってしまったからしょうがない。
俺はもう一杯、カクテルを頼む。
机に突っ伏しながら拗ねた声を出す。
「やめられたら、いいけどさ。出会いを探して他の男と会っても、あいつと比べちゃうんだよ。」
「もう!恋が遠のいていくわよ」
俺はいつもあいつを忘れられないと愚痴っている。
そんな俺を茶化すみたいに話してくれるマスターの明るさが心地いい。
その日は結局、朝方までバーにいた。
あ、ヒロだ。
寝不足でぼやぼやしてる頭でも、俺はすぐにヒロをみつける。
ヒロの隣にはお嬢様ぽっいいかにも清楚系な女の子がいる。
前の彼女はギャル系だったけど、次はそういう子ね。
ヒロはさり気なく車道側を歩いて、女の子と楽しそうに喋っている。
俺はヒロに見つからないように早歩きで、講義室を目指した。
退屈な講義を目を擦りながら受けているとスマホが振動した。
「今日だいしょうぶ?」
画面にはヒロからの通知が表示される。
今日は寝不足だから断りたいのに、俺の指はまったく別の文字をうつ。
「空いてるよ。」
「わかった!じゃあ、20時に充の家いくね。」
教授がこっちを睨んでいるので、俺は適当なスタンプで返した。
ヒロの好きなお菓子をコンビニで買っておこうと、俺は頭の隅で考える。
都合よく扱われても会えるだけで浮かれてる俺を自分で嘲笑う。
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