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第10話

シマさんとのお付き合いは、中学生みたいだった。 連絡頻度は一日3回。 デートは昼からで10時には解散。 話すときはいつも敬語。 こんな清いお付き合いをしている大学生、今どき何組いるんだろうか。 ただ、違ったのは俺達のデート中の会話だ。 俺はヒロのことをシマさんは元カノのことを話す。 こうなったのには、俺の大失態が関わっている。 1回目のデート、俺達はショッピングモールに行った。 昼ごはん前の集合だったのでフードコートで話ながら食べることにした。 「これ、前に作ったんです。」 シマさんの手元を見ると美味しそうな肉じゃがの写真が表示されている。 人参やじゃがいもが煮崩れしていないからとても丁寧に作られているに違いない。 「すごいですね。俺、和食はそんなに得意じゃないんで尊敬します。」 俺の料理はヒロの好みに合わせられている。 ヒロは洋食派だから和食はそんなに作らない。 「この前、ミツルさんが送ってくれたハンバーグすごい美味しいそうでした。逆に俺は洋食が作れないんで教えて欲しいです。」 「あんなの簡単ですよ。俺もシマさんに料理、教えて欲しいです。」 シマさんの写真をみてすっかり肉じゃがの口になった俺は食品の買い出しに行くことにした。 シマさんはハンバーグの材料を買うらしい。 お互いのレシピを送り合って、食品コーナーを歩く。 お菓子の棚を通り過ぎる時にチョコレートのお菓子が目にとまった。 「あれ、ヒロの好きなやつだ。」 しまった。 仮にも、恋人といるのに他の男の話なんて。 シマさん、怒るかも。 緊張しながらシマさんをみると、穏やかな顔をしていた。 「じゃあ、買っていきますか?」 とか言って、俺にお菓子を手渡してくれる。 全く変わらない態度に俺は戸惑う。 でも、謝った方がいいだろう。 「あの、すみません。デート中に他の男の話なんてしてしまって。」 俺がこう言ったら、シマさんはきょとんとしている。 さらには、 「別にいいですよ。好きなんですもんね。僕も元カノの話してもいいですか。」 なんて言ってくれた。 その後は俺達はウィンドーショッピングをしながら、あのブランドは元カノが好きだった、ヒロはこの香水を使ってるなんてことを話していた。 今まで、ヒロの話を他の人にすると、クズだ、やめとけしか言われなかった。 でもシマさんは楽しそうに聞いてくれる。 誰にも理解されなかった気持ちを拾ってくれたんだ。 シマさんの隣はとても心地いい。

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